個人で商いをしていくには人とのつながりがあった方がいいです。「社交的な方じゃないし、できたら隅っこにいた方がラク」「人と会話するのも苦手」そんな人にとっては苦痛だったりするでしょう。
こんな僕も元来は人見知りで非社交的な性格です。ただ商いをやっていく上で最低限の人のつながりはつくってきました。そんな人見知りでもできるいくつかの方法を解説します。
人脈をつくってはいけない
これが今回の結論。えっ?と思ったかもしれません。人脈が必要と言われるのに何で?という感じでしょう。人脈をつくろうとするのは良くありません。
取り組みたいのは「人とのつながり」をつくることです。人脈と人のつながり。一見同じもののように見えます。でも実は似て非なるもの。この違いを知っているだけで大きな差が出るし気がラクになります。
人脈をつくるという言葉をきいてどんなイメージがもちますか?異業種交流会で名刺交換、自分を売り込むPR、自分にとってメリットのありそうな人だけを探す、ビジネスの話オンリー、ビッグな人と知り合う・・・こんな感じではないですか?
あなたが初めてセミナーに参加したとします。「人脈がないのでどうしたらいいかわかりません」と主催者に質問しました。すると「じゃあ社長を紹介しますよ」こんなふうに言われることがあります。
これがいわゆる人脈づくりという言葉で表されるもの。主催者はビッグネームとつながることが人脈づくりの早道だと教えることでしょう。本当にそうでしょうか?
想像してみてください。右も左もわからない自分がいきなり社長と呼ばれる人に会ったとしたら・・・何を言っていいかわかりません。わからないうちに相手の話だけを聴いて終わるか、何かを手伝わされておしまい・・・そんなことになりかねません。
異業種交流会などに参加します。すると「私はこれこれこういうことをやっています。誰か紹介してください」こんな会話が飛び交います。
「わかりました。目ぼしい人がいたら紹介しますね」そんなやりとりをします。そして何となく該当しそうな人がいたらすぐに紹介します。頼まれた人がどんな人かも知らずに。その結果がどうなるか・・・?想像できますよね。
人とつながるというのはそういうものとは一線を画します。ご縁を大切にする。この人はと思う人にはその後何度も会って時間をかけて相手とのやりとりをしていく。
お互いの人となりを知って、この人なら応援したい!そう思えるような関係ができるのがつながりのゴール。一過性ではなく長く付き合っていける存在になります。
紹介してほしいなんてひと言も言っていないのに、どこかで自分の話をしてくれている人がいる。お互い相手のことを気にかけているからです。
紹介しよう、紹介しようと思ってしているのではありません。あくまで自然に紹介したくなるという感じです。この「自然に」というところがとても重要なところです。
利害やメリットだけで良い関係はできません。ビジネスありきで長期的な人間関係をつくるのは難しいです。できたらやりたくないですよね。人とのつながりをつくるには今から取り組むことができます。むしろフラットな状態で知り合うことの方が大切です。
人とのつながりとは何か?
では人とのつながりって何なんでしょう?まずはここから理解していきましょう。
「こないだとある集まりに参加したら、メンバーのフェイスブックのシェアを強制していました。また書き込みにコメントを20個つけるのがノルマだと・・・とても違和感を感じました」
先日知り合いと話していたらこんな話題になりました。
フェイスブックでシェアをしたら情報は拡がります。コメントがつくとさらに盛り上がります。たしかに技術的には理にかなっています。リアルの交流会でも紹介をノルマにする仕組みがあります。
たしかに強制すると紹介は出ます。ビジネスも広がります。はまれば売上にもつながります。僕も起業当初、売上欲しさでそういったグループに所属していた経験があります。
でもこれっておかしな話です。本来フェイスブックのシェアは、その記事に共感してこれなら自分の友達にも知らせたいと思ってやることです。コメントも同じです。応援してあげたくて書き込むものです。
仕事の紹介はこんなことで困っている人がいると聞いたとき、自分の知り合いでお役に立ちそうな人がいるときにするものです。あえて紹介しよう、紹介しようと思ってするものではありません。
そうどちらも「自然に」行うことです。個人が自発的にすることなんです。自然なながれでやっているわけです。
事業を始めると売上がほしくなります。食べていくためですから真剣です。自分のビジネスを広げていきたいし紹介もほしいです。だからと言って強制的にこんなことをするのはまちがっています。性格的にも合いません。
ビジネスは人と人との関係。人間関係は時間をかけてお互いを知り合ってお互いのことを「自然に」思う気持ちからできていくものです。誰かに強制されてするものではありません。
システムだ仕組みづくりだと言いはじめた瞬間におかしな関係になってしまいます。特別なことではありません。ごくごく本来の人間関係の姿です。当たり前のことです。でも人脈づくりに走ると忘れてしまいます。
サラリーマン時代のつながりを大切にする
最初はなかなか仕事がつくれません。仕事を依頼してくれるのは意外にサラリーマン時代につながりのあった人たちだったりします。今いる会社関係でのつながりが重要になってきます。
じゃあ、どうやってサラリーマン時代のつながりを生かしていけばいいのでしょう?
取引先や付き合いのある人を顔を想い浮かべてみてください。その中で会社の看板がなくても仕事をしてくれる人はいますか?「会社の看板がなくても」というところがポイントです。
多くの場合は、会社の看板ありきで仕事をしている人たちです。必要なのは自分という人間と仕事がしたいと思ってくれる人です。
コミュニティOBにも独立後、サラリーマン時代に通っていた取引先から仕事の依頼を受けた人が多数います。サラリーマン時代から相手と親身になって関わってきた人柄あってのことです。
僕も20年以上大手企業でサラリーマンをしていました。リーダー的立場にいたときは周囲から「三宅さん、三宅さん」と人が勝手に寄ってきていました。その頃は自分に実力があるからだと思っていました。
たしかに仕事にはまじめに取り組んでいました。でも人が寄ってきたのは僕の会社の看板、肩書きがあってのことだと後になってわかりました。それをあらわすかのように、左遷されたのを機に誰一人寄ってこなくなりました。
一方で15年ぶりに一緒に飲もうよと声を掛けたら集まってくれる仲間もいます。あの頃、仕事の真髄を学ぶことができた・・・こんなうれしいことを言ってくれます。
彼らとはお互いの会社の看板をはずしても一緒に仕事ができます。今、会社で接点のある人と一度看板をはずして付き合ってみましょう。将来へつながるつながりになるかもしれないし、その方が人としてたのしくなります。
サラリーマン時代の苦い思い出
今、会社以外の人と付き合っていますか?僕にもこんな経験があります。40代前半、サラリーマンまっしぐらの頃。関西に単身赴任しました。週末はやることがありません。
何かしないとなあ・・・そんな思いでネットであれこれ探していました。そこで見つけたのが当時流行りかけていた週末起業の集まり。とりあえず体験参加してみることにしました。
地図を頼りに会場へ。オフィス街のビルの一角でした。ドキドキしました。集まっているメンバーは、サラリーマンの傍らビジネスをやっている人たち。既に独立している人も数名いました。
みんな自分がやっているビジネスについて熱く語っています。それに対し、周りの人たちがフィードバック。「何なの、それ?」話の内容についていけません。しかもクリエイティブ。何より、みんな話しながら輝いています。
自己紹介しました。会社のことしか話せない自分がそこにいました。情けない思いでした。会社ではやり手の方だったので、自分の仕事については熱く語れます。
でもそれって所詮会社の中でしか通用しないものなんですね。自分には、会社以外に何もないことに気づきました。
社外には、こんな世界があるんだ・・・めちゃくちゃショッキングでした。これがサラリーマン世界から一歩抜け出そうとしたきっかけの一つだったりします。
気心の知れた友達になる
ビジネスありきの人脈づくりは自分のメリットを優先して考えがちです。お互いが自分のメリットや利害だけを考えていても行き違いのままです。それ以前に利害だけで良い人間関係ができるはずがありません。
ビジネスの内容の前にお互いの人となりありき。何ができるかの前にどんな人なのかが大切。起業してたくさんの人と出会う機会がありました。異業種交流会と呼ばれるものにも参加してきました。その結果わかったことdす。
「大切なつながりとは気心の知れた友達」このことをとてもシンプルに表現した言葉だと思います。「いかに相手に喜んでもらえるかを考え、自分がもっともしてほしいことを相手にする」人とのつながりをつくる上で忘れることなく実践したい鉄則です。
「面倒くさいことを徹底してやる」とある講演の中で人脈づくりに長けた人が再々口に出していました。例えば出会った人には必ず手書きで手紙を贈るということ。このことをずっと励行しているそうです。
面倒くさいということは多くの人がやらないということ。それを自分ができたら他の人より一歩抜きんでるということになります。だからこそ価値があります。
自分のことを知っていて、自分のことが好きで、自分を信頼する人。自分のことをいつも心に留めておいてくれる人。個人として力を貸してくれる人。自分もその人に同じことができること。そんな人を目指していきたいですね。
異業種交流会あれこれ
人脈というと真っ先に思いつくのが異業種交流会。苦手な場でしたが駆け出しの頃、仕事欲しさで行っていたことを思い出します。
「異業種交流会ってどんな感じなんだろう?ドキドキするなあ・・・」そんな気持ちですよね?良きにつけ悪しきにつけ、見聞を広めるために一度は経験してみた方がいいです。
異業種交流会の実況中継
平均的な異業種交流会の雰囲気をちょっとお伝えしますね。部屋に入ります。入るなりざわざわと名刺交換している人が目に飛び込んできます。
「えっ、こんな中に入るの?」「気おくれするなあ・・・」最初はこんな気持ちになります。まず受付で参加費を支払います。じゃあ、中へどうぞ!そう言われて会場に入ります。
まわりではどんどん名刺交換が行われています。誰も何も指示してくれません。どうしよう・・・と思って立っていたら「名刺交換よろしいですか?」と人が寄ってきます。「あ、はい・・・」あわてて名刺ケースを取り出します。
名刺交換が終わるやいなや、「私(弊社)はこんなことをこうやってこうしている会社です。ペラペラ・・・」相手は自分のビジネスの説明をします。
「そうなんですかあ・・・」「そうなんですね・・・」相づちを打っていたらいつまでも説明は続きます。言いたいことが終わったら「ではよろしくお願いします」と言って相手は別のところへ行ってしまいます。
ここでタイミングをはずすとあなたは自分のことが何も言えずに終わっちゃうようなこともしょっちゅうです。異業種交流会は自分のことをPRしたい人の集まりです。だからほぼこんな雰囲気になるんですね。
なかには、相手との関係をつくろうという少しレベルの高い人もいます。「どんなお客さんが多いんですか?」「どんな業種のお客さんが得意なんですか?」「どんな人を紹介してほしいですか?レベルの少し高い人からはこんな質問が飛んできます。
はじめてきかれるとウッと口ごもってしまうような質問です。その人は自分の人脈の中で紹介できる人はいないかを考えています。
だからこうした質問にきちんと答えられるようになることがポイント。逆に言うと、こういう質問が相手にできるようになると人脈は広がります。
こんなやりとりを繰り返し、約2時間程度の時間はあっという間に終わります。どっと疲れが出ます。手元にはたくさんの名刺が集まっています。
ぐったり疲れて帰りの電車で名刺を見直してみます。「この人、どんな人だったっけ?」そんな思いにふけります。ここで思い出してもらえるような印象を残すことが大切だったりします。ほんのさわりの異業種交流会の実況中継でした。
異業種交流会の活用方法
異業種交流会とネットで検索するとたくさん出てきます。この中でどこへ行けばいいのか?闇雲はよくありません。どんな目的でどんな人が集まっているのか?最低限調べておきましょう。
ただ最初からこれは当たり!という異業種交流会には行き当たらないものです。まずは量をこなして質を高めていきます。例えば10回はいろんな種類のものに参加してみると決めることです。
10回出たらその中でどれだけ後につながったかを振り返ってみましょう。実績をもとにどうするかの作戦を立てます。
僕も起業以来いろんな交流会に参加してきました。最初は手当たり次第。名刺ばっかり集まってあまり意味がないなあと思ったので方針変更。
毎週1回朝に集まる会員制の異業種に参加したりもしました。この会に属して得たことは人とのつながりには回数が必要だということ。半ば強制的に毎週会うので知らない間に相手のことがわかるようになります。人間関係は接触頻度と言われます。まさにそれを実感した感じです。
異業種交流会参加のタイミング
異業種交流会など外部との接触はどのタイミングではじめたらいいんでしょうか?たくさんの質問があります。答えは「自分のビジネスの軸が決まってから」です。
自分のビジネスの軸が決まっていない間は、異業種交流会への参加は控えた方がいいです。
準備中という期間は迷いの連続です。これでいけるのかなあ?あれもやってみたいなあ?こんなこともできそうだよなあ?とにかくフワフワしています。こんな中、外部の人と接したらどうなると思いますか?
「それだったらこうしたほうがいいんじゃない」「あなたならこの方向へ進むべきですよ」「こんなこともできるんじゃないの」「今思っていることじゃなくこういうやり方が必要だよ」
外部の人と接するといろんなことを言われます。会う人、会う人、違う話をします。
相手に悪気はないのですが結構思いつきで言っていることも多いのが実態。準備中はまだ実際にビジネスをやっていません。だからそのまま鵜呑みにしてしまいます。
「そう言われるとたしかにそうかもしれない・・・」周囲の発言一つひとつに右往左往します。
特に迷っているときに違う情報が入ってくるとブレが生じます。不安にもなります。一度ブレはじめるとどんどんわけのわからない方向へ進んでいきます。
頭の中で考えてばかりで堂々めぐりを起こします。結果まったく違う方向へいって遠回りをしたり、迷いすぎて行動が止まってしまったり。これが一番良くないことです。
「これから起業したいと思っているんですけど・・・」こんな状態で場に出ると、話した相手の見込み客になるのが関の山です。こうした場は売り込みしたくてしょうがない人がたくさんいます。
そんな人たちのカモになっていたら何のことかわからなくなります。
当時のことを思い出します。ほんとすごい枚数の名刺がたまりました。この間に使った交流会参加費を足し算すると、おそらく十何万円。
これってそのつど払っているからわからないけど、積算したらすごいことになるんです。さらに交流会当日や交流会を探すためにネットの作業などに費やした時間を考えると恐ろしくなります。もっと考えて行動すべきだった。あとの祭りですね(苦笑)
メンバーのコメントです。これまで遠回り事例をたくさん見てきました。結果その人にとって身になることはほとんどありませんでした。
こうすると失敗するんだ、それを体感するだけです。でも失敗があるから成長するのも事実。まずこうありたい「あり方」をとことん掘り下げることが重要。自分のこれまでの人生をまだやるの?というくらい何度も振り返ります。
そうしたプロセスを経て、自分軸を立てていきます。生き方の原点を探していくわけです。こうしてできた軸をベースにシゴトを組み立てていきます。
自分のビジネスの軸ができてからの外部アプローチをすすめています。まだ自分のビジネスが生煮えかなあ?と感じるうちは異業種交流会などへは参加しないと心得ておきましょう。
異業種交流会で磨ける立ち居振る舞いのコツ
こんな異業種交流会でもトレーニングの場としては最適です。いくつかのポイントを紹介します。まず事前準備を怠らないこと。名刺は十分に用意しましょう。
会場に着いて名刺を忘れた・・・なんてことに決してならないように。基本中の基本ですがやってしまった!ということが起こるので要注意です。
あと自己紹介文はちゃんと原稿を書いてみましょう。「では1分間で自己紹介をお願いします」こんな感じのものが用意されています。
自己PRタイムで一番多いのが1分です。まず1分原稿を仕上げましょう。15秒、30秒バージョンでこまぎれに刻んだものも作っておければベストです。さらに一人練習をやっておくこと。
書いただけでは身につきません。タイマーをセットして口に出して話してみる。こんなかげの努力が本番で功を奏します。
次に身なりをきちんとしましょう。自分は中味で勝負するタイプ、そう思っていませんか?残念ながら人は第一印象、見た目で判断してしまうものです。
その場にふさわしい身なりを心がけましょう。身なりに加えて姿勢も重要。背筋を伸ばして堂々と振る舞いましょう。えらそうにするのとは意味が違うので念のため。
「笑顔」「姿勢」「あいさつ」人との接するときに気をつける3大ポイントです。特に「笑顔」は大切です。難しい顔をしている人と話したくなりますか?にこにこしている人の方が話しやすいですよね?
シンプルな話です。笑顔は意識しないとできないことです。日頃から鏡の前で笑顔の練習をしておきましょう。
心構えとして重要なのが「謙虚な姿勢」。そう意識するだけで立ち居振る舞いは変わってきます。世の中のすごい経営者はもれなく謙虚です。ほんと見習いたいものです。
名刺交換のときの立ち方にもコツがあります。通常真正面から向き合います。真正面に立つと緊張感が増します。それをお互い八の字になるように立ってみてください。
八の字の立つだけでオープンな感じになり話しやすくなります。ちょっとしたことですが試してみてください。すぐに効果が実感できます。
相手からもらった名刺はその場でしっかり読むようにしましょう。相手に関心をもつことです。関心をもって質問をしてみましょう。
自分のことに関心をもってもらっていやな人はそうそういませんよね。なかには挨拶そこそこに名刺を見ることなく名刺入れにしまう人がいます。
もしそうされたらどんな気持ちになりますか?自分に関心がないんだなと思ってしまいますよね。何気ないことですが、初対面では重要な振る舞いです。
対面するときは、相手との関係をつくることに意識を置きましょう。大切なのは「関係をつくろう」と意識をもつことです。すると自然にそういう振る舞いに変わっていきます。
仕事の話はその次です。これは交流会の場だけでなく、人と接するときすべてに言えることです。加えて目の前の人に売ろうとしないこと。その人の後ろにもつながりがあります。
後ろにいる100人、200人の人に自分のことを知ってもらうつもりで会話してみましょう。これだけでも人とのつながりは加速していきます。
これだけはやってはいけない名刺交換の例
ビジネスは名刺交換で始まります。名刺交換をないがしろにすると痛い目に遭います。名刺交換でこれだけはやってはいけない例というのがあります。具体的事例を共有します。
とある法人交流会に参加したときのこと。保険会社が主催する会で200人くらいの参加者がいました。大手から中小企業までです。一人の人が名刺交換にやって来ました。
名刺を渡すなり自己PRを始めました。「弊社はこういう事業をやっています。これまではこんなことをこうやってこうでした。こんなメリットがあってどうのこうの・・・御社と同業ですね」
その間5分くらいだったでしょうか。実際にはもっと長く感じられました。ちなみに同業でも何でもありません。名刺交換をすると何も見ることなく名刺ケースにしまい込みました。
最初からこちらのことを聴こうという姿勢がまったく感じられませんでした。正直途中から苦痛でした。
話すだけ無駄だと思ったのでそのまま「よろしくお願いします」と言って別れました。おそらくその人と二度と会うことはないでしょう。
自分のことだけ散々話して、相手のことには関心をもたない。実は、異業種交流会ではこうしたケースがたくさんあります。僕も最初はよく似たものでした。
でも何度も交流会の場に出たり、システムのある交流会に所属する経験をしたりする中で、どうすれば質の高い交流ができるのかを学びました。
名刺交換は売り込みが目的ではありません。いかに相手との関係性をつくるきっかけをつくるかが目的。関係性がないところにビジネスが行き来するわけがありません。
起業してすぐの頃はこの順序に気づけません。自分のことはさておき、相手に関心をもつことがコミュニケーションが優先しましょう。
「自分がやってほしくないことはしない」「自分がやってもらってうれしいことをする」ビジネス交流会で基本になる考え方です。
書けば当たり前のこと。でも実際には当たり前がなかなかできないものです。この気持ちをもつだけで相手との名刺交換には格段の差が出ます。
「意識して人と接すること」「信頼関係をつくることを意識すること」これがシゴトがつながる行動です。ビジネスには、V、C、Pというながれがあります。
VはVisibility「視認性」。相手にわかってもらえるように発信することです。名刺、名札などがそれにあたります。CはCredibility「信頼してもらう」。
相手の話に耳を傾け、自分を発信することで信頼関係をつくります。そしてPはProfitability「収益性」です。V、Cがあってはじめて収益につながります。
「相手からみてどう思われるのか」その意識を忘れないでください。ビジネスは人と人です。商品が良ければ買ってもらえるのはそこそこ名の知れた会社だけです。
サラリーマンの名刺交換と個人でシゴトをする名刺交換ではまったく意味合いが違います。この感覚を少しでも早く気がついてください。意識を変えることができたら、質の高いつながりができていきます。
できるだけ相手に関心をもって話していく
人には好き嫌いがあります。「この人、何だか合わないなあ・・・」「ちょっと苦手なタイプだなあ・・・」「ああいう態度をする人とは話したくないんだよね・・・」「自分とは違う世界の人・・・」そういう気持ちを誰もがもちます。
話していて心地いいのは自分と同じような感覚をもっている人です。だからついついそういう人とばかり話しがちになります。でもそこを敢えて断ち切って振る舞ってみます。
苦手に思う相手に関心をもって話しかけてみます。すると不思議なことに相手も話に乗ってきます。いろいろと自分のことを話してきます。違う世界の人からは今まで自分にはなかった新しい情報も入ってきます。
人は自分のことに関心をもってほしい動物です。自分に関心をもってくれる人とは話していたくなります。相手に関心をもつことは人と人とのコミュニケーションの基本です。
人とのつながりを広げる場なんてできたら行きたくないかもしれません。でも毛嫌いしていては何も前に進みません。ある意味「ビジネスのため」と割り切って話していきましょう。
その人とはそれほど深くならなかったけど、その先の人とにつながりが出てくる。実はこんなことが結構起こるものです。人とのつながりはその場かぎりではなかなかできないもの。長い目で人と接する姿勢をもってみましょう。
つながりをつくる場所
人とのつながりはどんなところでどうやってしていくのでしょうか?大きくは3つあります。人とのつながりの場アラカルトのご紹介です。
まず1つ目が上述した異業種交流会。最初はとにかくこうした交流会に出まくるという状態になりがちです。動かないと何も生まれないのである程度はやってみた方がいいです。集中して活動してみるのをおすすめします。
ただ一定期間が過ぎたら一度立ち止まってそれまでの活動を見直してみてください。5回程度種類の違うものに出たら雰囲気がつかめます。
単なる異業種交流会はよくありません。なぜなら異業種交流会は自分を売りたい人ばかりが集まっているからです。売りたい人同士が会ってPRし合っても何か生まれるはずがありません。売り込みしかやらない交流会はすぐにカットしましょう。
ムダに名刺集めだけに終わっていないか?ちゃんとつながった人はどんな人なのか?つながったきっかけは何だったのか?どのくらいの人と会うと結果が出やすいのか?などそれまでの活動の振り返りが大切です。
次回からはどんな目的、目標をもって交流会に参加していくのか?意識しながら参加すると得るものも変わってきます。
2つ目がセミナーやビジネス塾。こうした場には自分なりのテーマをもって身銭をきって参加しているわけですから意識の高い人が集まります。
その分、ビジネスパートナーになりそうな人が見つかる確率も高くなります。多くの場合、参加費に比例して集まる人の質も変わります。
あまり背伸びをする必要はありませんが、参加費の安いものばかり追っかけず、それなりのものさしをもって参加していきましょう。
3つ目が関連性があるどこかのコミュニティに所属してみるというやり方です。僕は起業家支援を仕事にしていたので経産省後援の起業家支援団体に所属していました。ここから仕事に広がった事例がいくつかあります。
どの場合もこれは!という人とは二度目に会うアポイントをとりましょう。たった一度会っただけでつながることはほとんどありません。
二度目に会うときもビジネス、ビジネスせず、相手のことをよく知り、まずは仲良くなることを目的にしてください。その方が後々良い関係を築くことができます。
本当に信頼できる人はご縁の中から生まれます。最初からつくろうとしてできるものでもありません。「たまたまあそこで会った」深い関係には「たまたま」が付きもの。
偶然の出会いを自分のものにできるか否かです。いろいろな人で出会う中で価値観やビジョンが同じ人を見つけていきましょう。
コツとして一つはホームグラウンドをもった方がいいです。あちこち基盤もなく出回っていても分散するだけです。
同じ志、同じ思い、同じ方向を向いた人と定期的に会うこと。接触頻度の多さは関係を濃くしていきます。一度きりの接点ではNG。何度も会うことで関係性を築いていきます。
定期的に集まる場をつくる
ビジネス拡大には仲間の存在が不可欠です。一人でやれることには限界があります。あなたがどんなビジネスをしていて、どんなメリットを出せて、どんな人を理想のお客さまとしているのか。
それを共有できるパートナーを何人つくるかでビジネス拡大の幅は決まります。
「自分だけではこの範囲しかできない、でも○○さんと組むことで提案内容が広がる」「その件ならあの人を紹介しますよ。信頼できる仲間です」
ビジネス安定のためには紹介が必須です。あなたをどれだけの人に知ってもらえるか、そして紹介してもらえるかの基盤づくりをしていかないといけません。
特に重要なのは、お互いの「人柄」「人間性」を知り合うことです。ビジネスは行く着くところ人と人です。「信頼するあの人が言うことなら大丈夫」「あの人のためなら一肌脱ごう」
ビジネス上の利益はもちろんですが、最終的に決めるものはその人の人間性です。「何ができるのか」だけでなく「人間性」まで知り合った仲間をどれだけつくれるかがビジネスの成否を握ります。
個人事業は孤独な存在です。すべてを自分で決めることができる反面、すぐ相談できる人が周りにいません。そんなとき同じ目線で考えてくれる仲間がいることの心強さは何者にも代えがたいものです。
これらを加速するための方法がビジネスチームです。目的を明確にし賛同するメンバーを募ります。そして定例で会う場を設けます。何となく集まるのではなく、メンバーにとってメリットのあるプログラムをきちんとつくって開催します。
定例にするというところがポイントです。自分で仕事を始めると忙しい毎日を送ることになります。予定がどんどん入ってきます。
こうした場は大事なことと思いながらも後回しになりがちです。なので日にちを決めて半強制的に集まる場をつくらないと続きません。毎月第1水曜日○時~○時というふうに決めて先に日程をおさえてしまうのがコツです。
立ち位置を変える
人とのつながりは「立ち位置」を変えることからはじまります。あなたはいつもセミナー参加者ですか?参加者とは教えてもらう学ぶ立場。いつもいつも参加者でいては何も変わりません。ちょっと発想を変えようという話です。
参加者と主催者では得られるものが雲泥の差です。講師を呼んだとき、一番講師と仲良くなれるのは主催者。経験を積んだ講師と接することで、知識とスキルがつきます。会いたい人を伝えれば紹介してもらえます。
参加者から顔と名前を覚えてもらえます。こちらから名刺交換に行かなくても向こうから来てくれます。イベントを企画するので、知らず知らずに企画する力も身につきます。
そして集客する力を覚えていけます。集客は理屈だけではうまくいきません。実際やって試行錯誤するのが一番です。人と人とをつなげる、場をつくる、プレゼンする・・・会を運営する力がつきます。
参加者だとこれらがすべて受け身で終わります。内向きの学びはいくら繰り返しても無駄です。まずは肩肘はらず、すぐに取り組めるのが勉強会。あなたも勉強会を主催してみましょう。
参加者から主催者に立場を変えてみましょう。立場が変わるだけで周囲が激変します。一参加者から見える世界は限られています。
会を主催することで、見える世界は大きく広がります。みんなが名前を覚えてくれます。参加者が注目してくれます。一目置いてくれます。信頼してもらえます。
集められる立場から集める立場の立ち位置へ。最初は不安かもしれません。まずは意識を変えていきましょう。
これまでのつながりを棚卸ししてみる
人とのつながりというと、外へ向けてどうするかを考えがちです。でもまず最初にやってほしいのは、今まで付き合いのあった人を総ざらいすることからはじめてみることです。
ぜひともやりたいのがこれまでの人のつながり棚卸しです。
「もう何年も会っていない小、中、高校、大学時代の仲間はどうなるの?」こんな視点もあるでしょう。新しいつながりをつくる前にまず今までのつながりを見直してみてください。
小、中、高校時代、大学時代、バイト先などすべてが対象になります。人脈というと大げさに聞こえますが、要は自分のことを応援してくれる人を見つけるための作業です。
応援の大きさはどんなものでも構いません。具体的に取引できそうなところへ声をかけてあげるよというような大きなものから、気にかけておくからと声掛けしてくれるささいなものまで大小どんなことでもいいです。
10代、20代、30代、40代、50代と年代別に固有名詞を書き出していきます。固有名詞で具体的に書き出すというところがポイントです。
頭の中で考えていても思い出せないし整理もつきません。どんな人が自分のまわりにいるのかを固有名詞で書き出していくと意外にいろんな人がいることがわかります。その人の職業を追記していきます。
重要なことはあなたの人柄を知っている人であること。人柄は一朝一夕で知ってもらうことはできません。長年の蓄積があって出来上がることです。
ビジネスの基本は信用です。人柄や人間性が一番モノをいう世界です。あなたの人間性を知った人はすべて財産になります。
最初の仕事は知り合いからの紹介だった、こんな例はたくさんあります。円満退社を心がけ、会社を辞めた後もつながっていけるような関係づくりをしていきます。
独立前からこの人とはつながっていたいという人とは個人的なつながりをもつことを意識しましょう。
「自分ができないことをやってくれる人がいないか」という視点ももってください。一方で「自分はその人にどんな応援ができるか」も考えてください。
とかく人脈づくりというと新しく人脈をつくることに意識が行きがちです。その前に今まで培ってきた関係の中から人とのつながりを探していきましょう。必ず信頼できる仲間がいるはずです。
脳内SEOを鍛える
ビジネスで誰かと会話している場面を想像してみてください。あなたは自分がどんな人のどんな困り事の役に立てるかを相手に話しています。そして「どなたかあてはまりそうな人がいたら紹介してください」と伝えました。
そこで相手は「わかりました。じゃあ気にしておきますね」と答えます。この後、その人と会うことがなかったらほとんどそのまま何も起こらず終わります。
でももし「もう少し詳しくお仕事の内容を聴かせていただけますか?」と言って少し突っ込んで聴かれたとします。
そして「そういうことでしたら知り合いにこんな人がいます。よろしければおつなぎしましょうか?」と言ったとします。どう感じますか?こんなに関心をもってくれて・・・ちょっとうれしくないですか?
この「その場で」誰かをつなげることができるというところがポイント。そのためには自分の中にいろいろな切り口にあてはまる人のリストをもっている必要があります。
ズバリ該当する人でなくてもいいです。その人を経由したら相手のお客さまにつながりそうな人で十分です。
これを「脳内SEO」と言います。脳みそに「こんな人」というキーワードを入れたら、その人にまつわる人が数人出てくるイメージです。
そうするためには常日頃から自分が知っている人の情報をストックしておく必要があります。どうやってストックを増やしていくのでしょう?
与えられた仕事の中でいつも同じ人との関係だけで終わりがち。ここで発想転換してみます。将来自分が起業したときをイメージします。
「この人と関係をつくっておけば何かの役に立つかも」「この人とは個人的に仲良くしておこう」と意識しながら関係づくりをしていきます。
今の仕事のジャンルにとらわれないように意識します。こうした毎日の積み上げが財産になっていきます。
「困ったときは◯◯さんに訊いてみたら?きっと何かヒントになる人をつなげてくれるよ・・・」こんな存在を目指します。
そうすると自分の周りに人が集まってくるようになります。頼りにされるようになります。人の役に立てたら巡り巡って自分に戻ってきます。
「でもそんな無闇やたらに紹介していいんですか?相手のこともわかってないし、紹介する人のこともよくわかっていない状態で関係がおかしくなったりしませんか?」
こんな疑問をもったとしたら素晴らしいです。たしかに闇雲な紹介は相手のためになりません。紹介したことでもし変な状況になったら、あなたの責任にもなります。
本当の紹介とはお互いをよく知り合うことではじめて成り立ちます。相手のことをしっかり知ること。紹介する人のことも何ができるかどんな人かを知っていること。
少し前に名刺交換しただけの人をつなぐようなことはもちろんNGです。
ここでいう紹介はもう少し緩やかなものです。紹介する相手には「良かったらおつなぎしましょうか?」というライトな伝え方。
紹介する人には「こんな人がいるけど興味ありますか?興味があればおつなぎします(興味がなければはっきり言ってね)」という言い方をします。どうなるかわかりませんけど可能性がありますよ・・・といったニュアンスです。
信頼の上に成り立つ「本当の紹介」と「その場でライトに人をつなぐことができる力」。この両面を持ち合わすことができたらベストです。
ビジネスは人対人。質量ともにどれだけの人を知っているかが勝負です。どこでどんなことがつながるかはわかりません。毎日の人とのつながりを大切にしましょう。
目の前の仕事欲しさだけで行動しないことです。この人とつながっていたいという人がいたら今すぐ仕事にならなくても覚えておいてもらうこと。一度会っただけではつながりはつくれません。
セミナーへの参加の仕方
活動を始めていろんな人と知り合うにつれて、紹介を受けその人たちが主催するセミナー等への招待されるようになります。
そんなとき、セミナー等へ参加するものさしを持った方がいいです。ただ闇雲に参加してもお金と時間ばかりかかります。あとになって、あれって何だっただろう?と後悔します。
ものさしとしては、そのセミナーに自分のビジネスとしてつながりそうな人が参加しているか否かを事前に見極めることです。「ズバリ見込み客がいる」「見込み客とつながっていそうな人がいる」の2点ですね。
例えばカメラマン志望なら、セミナー写真を撮ってほしい人、そういう人をたくさん知っていそうな人、プロフィール写真を撮りたい人、そういう人をたくさん知っていそうな人といった感じです。
むやみやたらに参加せず内容とお金を吟味しましょう。あと人間ですから、いろんな広がりや出会いがありそうだと思っても、気が進まない・・・そんなときもあります。
無理せず自分のペースでいきましょう。決してセミナーおたくにならないように注意してください。
人と会った後のフォロー術
一度の出会いをご縁にするには会った後のフォローが必要です。その場で名刺交換しただけではほとんどつながらないものと心得てください。
フォローの一例を紹介します。まず名刺交換で話を終えるタイミングが大切です。「メールしますね」「今度ランチでもご一緒にどうですか?」そんなひと言を添えましょう。これをしないと次につながる可能性はぐっと減ります。
また終わった後のフォローこそ重要です。仲良くなれそうな人には心のこもったメールを送ります。SNSでつながる方法はお手軽です。
「あとで友達申請させてください」こんな会話です。フェイスブックでたまにメッセージをつけずに友達申請だけしてくる人がいます。これはあいさつなしで友達になってくれと言っているのと同じです。
リアルの世界ではあり得ませんよね?いくらお手軽だからといって最低限のマナーを逸することのないよう注意してください。
知り合い経由で常に国内外100以上の商材を手がける人脈づくりのプロの方と最初にお会いした時のこと。その方は交流会当日夜にこんなメッセージを送ってこられました。
お礼 三宅様
○○の会で名刺交換をさせていただいたYです。モヤモヤ会社員の件は興味深く拝聴しました。宣伝のツールのひとつとして、一度△△の関係者を紹介します。当方がお話した○○は、***な案件ですのでご一緒できたらよろしくお願い致します。また、□□は***な商材なので、関係者に提案しやすいのではと思います。是非ご協力くさい。※当方は・・・(以下プロフィール)
この文面には人脈をつなげるいくつかのポイントが隠されています。まずその日のうちメールに送ること。相手と会話している映像が鮮明なうちに送ると頭の中に残ります。
何より相手からすると覚えていてくれたんだとうれしい気持ちになります。
次に文頭で相手のやっているビジネスについて書くこと。自分の事をちゃんと聴いていてくれたんだとうれしくなります。話の中で出たことを約束すること。
紹介してくれるという件がつながっていることでまたまたうれしくなります。まず相手ありき、自分のことは後に書く。ここが重要です。
そして自分の案件がつながりやすいように相手目線で紹介すること。相手のビジネスをどう紹介したらいいかがわかります。
そして最後に自分のプロフィールを書いて人物像を知ってもらうこと。この「うれしい!」という感覚を連発させるのは見事です。フォロー方法として参考にしてください。
「偶然」「たまたま」を大切にする
「あのとき、たまたまあの人と会ったのがきっかけになった」「偶然、乗り合わせたあのときからはじまった」「たまたま」「偶然」からはじまった出来事ってありませんか?
こんな事例があります。出版社の著者大会がありました。終了間際、会に同席した友人がある人を紹介してくれました。焚き火の名刺を渡しました。
「えっ??焚き火ですか???」その人は名刺を受け取ると目を丸くしました。どんなことをしているか少し話しました。
「私、さっきまである人と焚き火について話していたんですよ!」「そうなんですか!それは機会があったら紹介してください」「わかりました」
こんな会話でその場は終わりました。宴席での話、社交辞令だと思っていました。すると数日後その人からメッセージが届きました。
「先日お話しした焚き火の件、先方とのアポをとりたいのでご希望の日時をお知らせください」
覚えていてくれたんだ!とてもうれしかったです。そして場は設けられました。なんと先方は大手メディア会社の幹部の方でした。
その方のご紹介ということで話はスムーズに進行。もしかしたら大きな案件につながるかもしれません。
「たまたま」その会に参加したこと。「偶然」共通の友人が紹介をしてくれたこと。仲介の方が積極的に動いていただいたこと。多くの「偶然」と「たまたま」が重なってできた奇跡の出来事です。
仕事のタネは「偶然」「たまたま」がスタートです。そしてそこから生まれる「人とのご縁」ではじまります。「たまたま」「偶然」を自分のものにできるか否かはアンテナの立て方次第かもしれません。
信頼関係の具体例
本当の信頼関係ってどういうものなのか?漠然としていて具体例がないとわかりませんよね。先日とあるプロジェクトの撮影があり、カメラマンと動画制作のメンバーに仕事を手伝ってもらいました。その時起こったエピソードです。
ひと通り打合せが終わったところでブレイクしていました。すると別の部屋から二人の雑談の声が聞こえます。戻ってきたので「何話してたの?」と訊いてみました。
すると「今度一緒にビジネスやることになりましたよ。何だか面白そうなんで(笑)」とのこと。「えっ?そうなの?随分話が早いよねー」僕はきょとんとしてしまいました。
この話のバックグラウンドに重要なことが隠されています。まず「何だか面白そうなんで」というところ。まず難しく考えないこと。
そのことをやるかやらないかのものさしは、面白いかたのしいかに置くこと。できるできないはやってみた後に考えればいい。これが起業家の仕事の仕方。判断のものさしと迅速さに注目してください。
もう一つ重要な点。それはお互いの後ろにながれる信頼関係です。二人はメンバーとして数年来の付き合いです。今でこそビジネスをやっていますが起業前から苦楽を共にしてきた仲間です。
最近はいつも顔を合わせているというわけではありません。常日頃SNSでお互いの近況を知り合っています。特に意識してということではありません。仲間なので何となく気になっているという感覚です。
ひと口に信頼関係ができていると言いますが、本当の信頼関係はそんなに簡単にできるものではありません。何度も接点をもってお互いのことを深く知り合いことで生まれてくるものです。
二人の間には既に信頼関係があります。だからその場ですぐに「やってみようよ!」という話になるわけです。そうじゃなければこんなに容易く物事が決まるはずがありません。
お互いの人となりとやっていることを知り合い本当の信頼関係をつくる。あとはその仕事がたのしいか否かでやるやらないを判断する。
これこそ自律的自由人のライフスタイルそのものです。こんな関係は常日頃から培っていかないとつくれません。あなたも始めてみたいと思いませんか?