自律とは自分を律して自由になることです。これまで10年間で2000人以上と対面してきました。なかには「この人は今のままいいのになあ・・・」と思うタイプの人もいました。本記事では自律的自由人に向かない人の共通点をまとめました。
会社や上司の文句や愚痴を言っている人
相談に来ても会社の愚痴ばかり言っている人がいます。会社や上司の文句や愚痴を言っているということは会社や上司に依存していることになります。
ということは会社のために仕事をしていることになります。自律に必要なことは自らの意志で物事を進めていける力をつけること。自律思考の人は自分のために仕事をします。
人に全て教えてもらわないと動けない人
「どんな本を読んだらいいですか?」こんな質問をする人。そんなことを訊くためにわざわざ相談に来たの?という感じです。目の前にリアルで実体験を持った人がいます。しかもたくさんの相談事例を持っています。
その場で吸収しようという意思はないのでしょうか。自律は自分で道を切り拓いていくこと。全てを人から教わってからでないと動けない人は自律には向きません。
やるべきときに集中して行動できない人
これまでやってきた仕事の中でやり切った経験がない人。そういう人は自律しても中途半端で投げ出す傾向があります。ラクして成功できる方法なんてありません。
スポーツ選手は目標を到達するために日々練習を重ねます。きびしい練習をやらなければその先のたのしさには行き着くことはできません。自律的自由人はやると決めたら最後までやり切るタフさを持ち合わせていく必要があります。
固定概念から抜けきれない人
今いる会社のリソースを一部渡すから独立してみないか・・・と言われたのでやってみたい。こんな人は独立しても途中で頓挫してしまいます。今までやってきたことに加え、お客さまも譲ってもらってなどでは既存路線から抜け出せないタイプ。
それをよしとするならサラリーマンのままでいた方がいいです。自律的自由人は過去のやり方にとらわれず、新しいことに好奇心をもって実行していく人です。
できない理由を他人のせいにする人
「商品が他社に比べて劣るから」「景気が悪いから」「会社が変わらないから」「上司が理解してくれないから」できない理由ばかり並べる人。他責にする人。
会社に所属していたら少々の問題が起こっても会社がカバーしてくれます。やっていることを自分事と思わなくてもそれなりにまわっていきます。一方、自分でシゴトを始めると全て自分で責任をとることになります。相手の立場を想像するという場面はたくさん出てきます。
会社という礎にしがみつくから他責になります。「良い社員が採用できないから」なんて言っている経営者もNG。成功する人は圧倒的に自責です。そのためにはまず自分自身を知る必要があります。
仕事の本当のたのしさを知らない人
仕事のたのしさを経験していない人。たのしいというのは単にラクをしていたとかワイワイやっていたとかそういうことではありません。やっていること自体はハードだった、でも仲間と目標を共有して一生懸命駆け抜けてきたとかそんな種類のたのしさです。
自律的自由人にはオンとオフがありません。今、自分が「仕事をしている」という意識がだんだんとなくなっていきます。それが本当の意味でのたのしさにつながっていきます。
コミュニケーションができない人
コミュニケーションができるか否かは重要です。ちなみにここでいうコミュニケーションとは話し上手とか会話が巧みとかそういうことではありません。今やりとりしている相手のことを想像して対応できるかという意味です。例えばこんな感じ。
ホームページからセミナーに参加申込があります。それを受け事務局から詳細のご案内をします。迷惑メールに振り分けられることもあるのでメールを見たら返信してほしい旨連絡します。全体の6割くらいから「メールが確かに届きました」と返信があります。
残りは何の返信もありません。返信がないと事務局としてはちゃんと届いているか否かで気をもむことになります。なかには全くのなしのつぶての場合もあります。最悪の場合はそのまま当日来ない。実はこんなケースがちょくちょくあります。
返信メールがきちんとしている、誠実な文面の場合は実際に会ったときもそのままの人柄という場合が多いです。逆の場合の多くもそのまま人柄にあらわれます。相手は事務局、自分はお客さま、たかがメールと思っているのかもしれません。とても残念なことです。
メールが届くということはその先に人がいます。自動でもないしロボットが送っているわけでもありません。相手とのやりとりをするのは当然のこと。もし自分が逆の立場だったらどんな気持ちになるでしょう。
サラリーマン時代は個人メールでのやりとりが少ないですね。それを割り引いたとしても最低限の返事ができないのは本末転倒です。
メールもリアルも同じです。商売は相手との関係性づくりが基盤になります。やりとりの中から信頼をつくっていきます。相手とのキャッチボールができないのはお客さまともキャッチボールができないということになります。
頭でっかちな人
「自律に必要な知識って何ですか?」この質問をする人。ネット、本、セミナーなどからあらゆる情報を仕入れる。でも実際に何かやっているのかというと何もやっていない。自律には答えがありありません。答えさがしをするタイプは自律しない方がいいです。
「こんな程度で自律できるのかと思った」体験に来てこんなコメントを残す人がいます。そもそも未知の世界のことがわずか数時間でわかるはずがありません。未知を知るには経験した人に聴き、自分で実体験する方法しかありません。
わかったようなことをいう。他で学んだことで持論をふりかざす。こんな姿勢でうまくいくはずがありません。
いつか自律したいと思っている人
いったんコミュニティに入ったけど、ほとんど場に参加することもなく数ヶ月で辞めてしまう人がいます。「仕事が忙しくてなかなか参加できない」「異動して仕事がおもしろくなったのでそっちを優先したくなった」「転職して時間がとれなくなった」こんなケースです。
「仕事が忙しいから参加できない」もしそうなら今のままでいればいいだけのこと。いつまでも会社の管理下で束縛されていれば済みます。その代わりもう不平は言わないことです。
「今の仕事がおもしろくなった」のなら、そもそも与えられた仕事で満足できるということです。それがわかったことが成果です。
「自律まで思いが至らなかった」のなら自分を見つめ直せばいいこと。自律なんて選択肢はなかったんです。どれもそもそも考えること自体、間違っています。今が嫌だという一時の感情から逃れたかっただけです。
「いつかしてみたい」は単なる憧れに過ぎません。自律的自由人は憧れでできるほど甘い世界ではありません。「いつか・・・したい」と言っている人は周りにずっとそう言い続けています。きっとそのまま一生を終えるのでしょう。本当にやる人はこんなセリフは吐きません。黙々とやるべきことをコツコツと準備をしていきます。
本気でしたいのなら「いついつまでに○○する!」という期限を決めることが必要。期限が決められないなら、やらざるを得ないように退路を断てるか否か。そこまでの気持ちがないのなら考え直した方がいいです。
会社がいやだからオンリーの人
転職して自分を認めてくれる会社がありました。こんな自分でもまだまだやれそうです。そんな気持ちになっています
それまで何十年も通った会社で一生懸命やってきたのにいきなりの左遷。全くやる気をなくして起業を考えたいと言っていた人。
受講している頃はその時いた部署がとてもいやでした。でもその後異動になり、今は仕事がたのしくなりました。なのでモチベーションが下がってしまいました
プログラムを6ヶ月にわたり受講。ビジネスモデルも創り上げ、あとは行動のみという段階で足踏みしてしまった人。
いずれも自律に頓挫してしまった事例です。どちらにも共通するのが今今の状況から逃げ出したいからの一心で考えていたこと。それだけでは全うできません。というより自律という選択肢を選ばない方がいいです。
シゴトづくりはメンタルの勝負。サラリーマンをしながらなのでお金の心配はありません。毎日会社に通いながらどうやってモチベーションを維持していくかがキモです。モチベーションを保つにはそのことをどうしてもやり切りたいという気持ちが要ります。つまりシゴトづくりの先にどうなりたいかが必要です。
コツコツ準備ができない人
Aさんはサラリーマンとして激務でした。早朝から深夜まで会社に拘束される毎日。土日出勤を余儀なくされることも。でもいつか自律したい。このまま日々に追われていたらいつまで経っても活動を始めることができない。ここで決断するしかない。ということでいきなり会社を辞めました。
何となくやりたいことはありました。でも何をどうするかも決まっていません。とりあえず業者に発注して名刺を作りました。どう書けばいいかもわからないので会社チックなデザインに。次にホームページが必要と感じ自作し始めました。
会社を辞めて2ヶ月強、こんな毎日を送りました。その間給料が入ってこない現実に直面しました。それがどんなことなのか実感しました。辞める前からわかっていたこととはいえ、実際に給料がなくなるとその重みを痛感しました。
「このままやっていけるんだろうか・・・」考え始めると行き場のない不安が募ってきます。
これから事業を進めていくための方向性と規模はどう考えたらいいのか?今後どこから手をつけたらいいのかわからない、自分のウリがはっきりしていない、自信がない、不安が大きいときはどうしたらいいんだろう?
そんな思いが頭を巡りました。早く何とかしないと!気持ちばかりが焦ります。精神的にも追い込まれていきます。
事業を進めていくための方向性がないのは、自分軸が決まっていないから。規模をどうするかなんて今考える必要はありません。まずはお金をかけず小さく始めることです。
どこから手をつけたらいいかわからないのは、正しい手順を知らないから。
自分のウリがはっきりしないのは、専門分野が確定していないから。商品サービスも不明瞭なままだから。専門分野や商品サービスが決まっていないのにホームページはつくれるはずがありません。
準備を怠るとこんなふうになってしまいます。独立後は日々お金との闘いです。不安が大きくなるのはそのせいです。だから正しい手順でしっかり準備をすることが必要なんです。この現実をしっかり受け止めておきましょう。
まとめ
自律的自由人とは読んで字のごとく、自律をした自由人という意味です。自由を得たいなら責任をもつ。自由と責任はワンセットです。自由になりたいだけでは事は進みません。自分が果たす責任をしっかりとわかった上で、自らの道を切り拓いていきましょう。その先に未来があります。