一人商い|身の丈起業

身の丈起業のタイミングをいつにするかを知る8つの方法

「起業のタイミングっていつですか?」「どうなったら起業しようと踏み切ったのですか?」よくある質問です。本記事では、どんなとき、何をきっかけにしてなど、コミュニティを介してこれまで起業してきた人の共通点をまとめてみました。

環境変化をきっかけにする

「人事異動を言い渡された」「予期せぬ転勤になりそうだ」「事業整理がはじまった」・・・こんな出来事がきっかけになります。「もうこのままサラリーマンは続けられない」「会社を辞めたい」きっかけはネガティブなことでもいいです。

でも忘れてはいけないことがあります。それはネガティブを引っ張らないこと。きっかけはネガティブでもやると決めたらそこから先は前しか見ないこと。「今、追い風が吹いたんだ!」そう思うことで道は拓けていきます。環境変化を自分の良いように使う。タイミングのつくり方のコツです。

期限を決める

起業のタイミングは自分で決めた期限にします。この日が来たら起業すると決める。期限が決まれば時間も決まります。その間にできるだけの準備をしようと考えるようになります。例えば1年先に会社を辞めると決めたとします。

決めると会社から吸収できることはすべて吸収しようという気持ちに変わります。自分が独立起業するために毎日やっていることで役に立つことはないかと考えます。するとムダなものはほとんどなくなっていくのがわかります。

くだらない上司、腹の立つ上司がいたとします。何もなければ顔を合わすものイヤなただうっとおしいだけの存在でしょう。ストレスの源になっているかもしれません。ここで何かの役に立たないと考えてみます。すると会社の人間関係のブログネタにならないかとか、反面教師として材料にできないかと発想転換できます。

会社帰りに飲みに行くときもひと工夫します。いつものように同じ部署の人間と愚痴はき大会をやるより、自分が独立した後も個人として付き合ってくれそうな人に声を掛けてみます。独立起業後、会社仲間を自分の人脈にもっていることは売上をつくる上で重要な要素になるからです。

会社という組織には成り立ちから現在に至るまでに、いろいろなノウハウや財産が蓄積しています。起業するということはこれを自分がゼロからつくっていくことになります。であれば会社からもらえるものは全部もらって卒業した方がどれだけ得かがわかるはずです。

人と会う。情報発信していく。発信を始めると自分に共感や関心をもった人が集まってくる。集まった人の先に人がつながっていく。「たまたまあの人に会ったことが今の自分を形づくっている」こんな話がたくさんあります。人との出会いがタイミングになることがあります。出会いはあなたの行動から生まれることを忘れないでください。

知識や経験ができてからはナンセンス

「起業スタートは知識がちゃんと身についてからにしたい」「必要な知識ができてから起業しようと思います」こう考える人もたくさんいます。知識が不足していると不安になるからです。じゃあ起業するために必要な知識って何だと思いますか?質問をしてみます。すると、会社設立の仕方、資金調達の方法、事業計画書の書き方、税金のことなどという答えが返ってきたりします。

「知識を得ないと独立なんてできない、だから資格を取ろう」「この資格だけでは足らないから別のスキルも得よう」「まだ足らないから・・・」資格取得に走る人に多い傾向。気がついたら複数の資格を手に入れていた。でもいつまで経っても実践には向かっていない・・・よくあるケースです。準備のための準備、資格オタクと呼ばれる状態です。

手続きはそれが必要になったタイミングで専門家に相談すればいいこと。自分で学ぶ知識ではありません。磨くのは自分が専門家として名乗る分野についてです。専門分野の知識量に不安があっても問題はありません。専門家だと名乗る以上、当然勉強もする。勉強し続けることにもなります。

何より重要なのは実際経験してみることです。最低限の知識を習得したらあとは実際にやってみる。まずはお客さまに対面してみる。そうするとお客さまから反応が返ってくる。質問をされることもある。目の前にお客さまがいるから迅速に対応しないといけない。緊張感や責任感も生まれる。知識を吸収するスピードは格段に上がります。

ビジネスに必要なことは、実際に経験しないとわからないことばかり。仕事をしながら、新しい人と話しながら、また一つそしてまたひとつと知識と経験を増やしていきます。最低限の知識を得たらあとは走りながら考えます。「経験から知識へ」これが基本スタンス。起業のタイミングは知識と経験ができたときと思っていたら大間違い。頭でっかちにならないようにしてください。

お金ありきにこだわらない

「どのくらいの収入が得られたら起業に踏み切っていいの?」一番気になるところかもしれません。サラリーマン時代の年収は最低限ほしい・・・一つのものさしにしたいところでしょう。

でも多くの場合、起業初期にサラリーマン年収を確保するのは難しいのが現実です。もちろん起業後、稼ぎをつくれば収入は上限なしになります。「起業準備中に月収を超えたら起業していい」といったアドバイスをする人もいる。もちろんそれに越したことはないでしょう。でもこんな考えか持たない方がいいです。

大切なことはサラリーマン収入を超えたらに固執しすぎないことです。収入を第一の条件にするといつまで経っても起業離陸はできません。知り合いにもサラリーマンと同じ収入を得ているのに起業していない人がいます。そういう人を見ていると実力は十分あるのになぜ起業しないんだろう?と不思議に思います。そのままサラリーマン副業のままいくのではないかと感じます。

ひとつ言えることは、年収ありきにこだわる人は起業しない方がいいということ。そもそもサラリーマンと起業家を収入のみで比較すること自体ナンセンスな話。なぜなら全く価値観も住む世界も異なるものだからです。自分がやりたいことをすべて自分の判断で道を切り拓いていくのが起業家。あなたが起業して実現したいことは何なのか。いつからやりたいのか。起業タイミングの尺度はここしかありません。

「たまたま」「偶然」を大切にする

タイミングはある日突然やってきます。何に意識していたらいいのでしょう?それは「たまたま」を大切にすることです。「今日のセミナーの参加はどうやって決めましたか?」と質問すると「たまたま空いていた日程と合って都合がついたので」とか「たまたまサイトの一番上に出ていたので」と答える人が結構います。この「たまたま」です。

世の中には星の数ほどセミナーがあります。その中で一番今の自分に合ったものを選び尽くして参加するのがベストでしょう。でも現実そんなことは不可能です。「たまたま」目に留まったセミナー。それには意味があります。「たまたま」は「偶然」とも言います。「たまたま」をそのまま受け流していたら何も起こりません。「たまたま」は今の自分につながることと思ったら意味のあることに変わっていきます。

「計画された偶発性理論(プランドハプンスタンス)」と言われる理論があります。スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱したものです。「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」という意味。その偶然を計画的に設計して自分のキャリアを良いものにしていこう考え方です。

世の中で成功している人の言葉や文献には「たまたま」や「偶然」がたくさん出てくると言われます。みんなその時その時に意味を感じ大切に生きているということだと思います。起業で成功できる人は「たまたま」を自分のために引き寄せられる人。「たまたま○○だった・・・」を口にしたらそれはチャンス。それこそが起業のタイミング。日々意識してみてください。

覚悟を決める実例

クライアントの大いなる決断の話を紹介します。先日セッションを行いました。開口一番、「妻に了解を得ました。その後、会社に辞めることを伝えました」「えっ?」あまりの行動の速さでした。その時の会話。彼の語録がすべて。一読してください。

上司には猛反対をされました。でもサラリーマンだけをやってきた人にはわからないことです。最後はやりますと言いました。不安です。不安をなくすには動くしかありません。会社に行きながらでも準備はできます。でもそれではスピードが上がりません。だから辞めることにしました。

寝ても覚めても考え続けました。最後は自分と家族で決めるしかありません。困っている人を助けたい。やりたいことにブレはありません。覚悟を決めました。収入は減るかもしれません。もしどうしようもなくなったら別の方法で稼げばいいと思います。甘い考えかもしれません。でも人生たのしくやってみたいと思います。

セッション翌日に届いたメール。

団長、ありがとうこざいます。自らワクワク環境をつくっていく。寝ても覚めても考えて、行動して、考え直して進めていく。何があるかわからないですからね。これからが本番ですがそんな気持ちです!よろしくお願いします。

32歳。奥さんと小さなお子さんが2人。彼の相談相手となり背中を押し支えになる。そして燃料満タンで起業離陸をしてもらう。まさに課せられた使命を感じた瞬間です。

思い立ったが吉日

起業は若いうちにするもの、そんなふうに思っていませんか?そんなことはありません。起業は自分がやろうと思ったときこそがベストのタイミングです。50代であろうが60歳をすぎていようが関係なし。自らの足で立ってシゴトをつくり出していこうという気持ちがあればいつだっていいです。

コミュニティには30代初めから60代半ばのメンバーがいます。40代、50代が一番のメイン層。年齢や性別に関係なく常日頃からお互いを高め合っています。20代の人が50代の人にアドバイスもするし、50代の人も謙虚に20代の人の話に耳を傾けます。

20代の人は会社生活では接点のもてないような人生の先輩の話を聴くことができます。起業という共通ゴールがあるからこそできるフラットな関係。年齢を超えたやりとりに価値があります。会話を重ねることで人生そのものに厚みが出ていきます。

起業を考えはじめるにはその人それぞれのキッカケがあります。共通しているのは「このままでいいんだろうか?」という気持ち。現状にモヤモヤを感じたときです。モヤモヤを感じるのは問題意識をもっているということ。毎日の生活に問題意識のない人はモヤモヤなんて起こりません。モヤモヤを感じることは一歩を踏み出せる原点です。

ただモヤモヤをいつまでも抱え込んでいてはいけません。それを晴らすための行動が必要です。行動の第一歩は第三者に自分のモヤモヤを話してみること。頭の中の整理なんてついてなくて大丈夫。まず自分の口に出して話してみること。それだけですっきりするし自分の考えもまとまってきます。自分の中に抱えたままあれこれ考えすぎるのは良くありません。

「起業はあなたが一歩を踏み出そうと思ったときがタイミング」。そしてその気持ちを持ち続けられるか否かが成功への分岐点です。一時の思いだけではNG。それを確認するためにも第三者に話してみてください。さあ最初の一歩を踏み出そう。その瞬間に人生がガラガラっと動きはじめることでしょう。

まとめ|本気度がどこまであるのかが全て

僕の場合、起業の引き金になったのはサラリーマン仕事に振り回される異動を言い渡されたときでした。ここで異動を受けるとサラリーマン人生のまま終わってしまうと感じました。もちろんこのことだけではありません。それまでの数年間の出来事が積み重なっての決断でした。「今追い風が吹いているんだよ。そう思って進むことだよね」起業を決意したとき自分より少し前に起業した仲間に言われた言葉です。

起業に踏み切るタイミング。いくつかの視点で見てきました。「自分が思ってみない部署へ異動を命じられた」「会社が悪い方向へ向かっている」「ずっとあたためてきたので年度末で辞めると決めた」起業を決意するときにはいろいろな出来事が重なります。

一見ネガティブに見える出来事もあります。でもそのことをバネにポジティブに変換します。スタートダッシュをかけることで階段を駆け上っていきます。途中で困難は何度もあります。でもやると決めたのだから後ろは見ません。成功軌道にある起業家の共通点です。

起業するのにこれがベストというタイミングはありません。起業準備にも完璧なんてこともありません。いくら準備しても不安が尽きません。今そういう時なんだと感じること。周囲に起きていることを起業のための材料として受け止めること。「The BestではなくMy Best」の考え方です。

まず最初の一歩を踏み出すお手軽講座