複業であれ起業であれ、売上をつくるには営業していかないといけません。営業というとどんなイメージを持ちますか?ピンポン飛び込み営業やテレアポみたいな言葉が浮かんできませんか?「営業をガンガンやらないといけない」「これまで技術畑で営業経験がないからできそうにない」いろいろな思いが巡りますよね。そんな営業が未経験な人でもできる営業方法、セミナー開催についてまとめました。
セミナーが営業に有効な理由
営業未経験者が営業活動をする。ハードルが高そうですよね。そのとき強力な武器になるのがセミナーです。セミナーは自ら講師になって自分の商品サービスを紹介していく方です。ではなぜセミナーが有効なのでしょう。いくつかの理由を解説します。
例えば異業種交流会へ行った場面を想像してください。最近は名刺交換だけの交流会は意味がないのでグループの中で自分のPRをするようなものが増えてきています。「こんな商品サービスを提供しています。興味のある人がいらっしゃったら紹介してください」1分程度でこんな感じのPRをします。
このとき聴き手は内心どんな気持ちになるでしょう。「紹介してくれと言われても、たった1分で商品なんてわかるはずがない。そもそもどんな人かもわからないし・・・」こんな感じです。その場だけだと難しいので興味のある人とは個別でアポをとって次回へつなぐのが一般的。でも個別で会うと売り込みされそうだし、当たり外れもあって時間のロスにもなることもあります。
ここでもしセミナーをやっているとします。すると「定期的にセミナーをやっていますので良かったら気軽にご参加ください」とPRできます。「個別で会うとなるとなると敷居が高いけど、セミナーだったら気軽に一度行ってもいいかな?」相手はそんな気持ちになるでしょう。
またセミナーに来てもらえたら一度に複数の人へ自分のことを知ってもらうことができます。個別だと一対一です。どちらも費やす時間は同じです。同じならよりたくさんの人に伝えられた方が効率が良いに決まっています。しかもセミナーなので参加者は自己紹介から商品詳細までとりあえず全部聴いてくれます。個別だったらそうはいきません。
さらに参加者は最初から聴く体制で来てくれています。セミナーを開催するとあなたは講師です。講師イコール先生。一方で聴き手は生徒のような感じになリマス。個別で話すと売り手対買い手。セミナーだと先生対生徒の関係。どちらが話しやすいかは説明するまでもないですね。
講師になるときに感じる不安を解消する方法
そうはいっても「そもそも話し下手なのに講師になるなんて」「これまで人前で話した経験なんてないのに」不安もありますよね?誰もが感じることです。でも単なる誤解です。相手に伝えるのに必要なことは上手にトークができることではありません。
自分が参加者になったときのことを想像してみてください。セミナーを聴きに行ったとします。そのとき話し上手な講師であることを求めていますか?話の上手い下手よりも自分にとって役立つものは否かが優先ですよね。大切なことは中身。饒舌な講師より、話はあまり上手ではないが人柄として伝わってくる人の方が印象に残ったりします。
人前で話すというところは慣れです。慣れるためには場数をこなすことです。最初は苦手意識が先行するかもしれません。でも毎日電話の前に座ってテレアポするのとどちらがいいか。慣れてきて人前で話すことができるようになると、自分に新たな可能性が見えてきてたのしくなってきます。
講師になるための練習法
講師になるためにどんな練習をしていったらいいのでしょうか?常日頃からネタ集めのアンテナを立てる。身近な事例を集める。メモをとる。書いたことを相手に話してみる。話す姿を録画して自己修正する。セミナーの型を覚える。これらが練習の手順です。では一つひとつのポイントを解説します。
ネタ集めのアンテナを立てる
常日頃からのネタ集めは、自分の専門とする分野についてアンテナを立てることが大切。歩いていて看板を目にする。電車の吊り広告が気になる。本屋の雑誌タイトルが飛び込んでくる。テレビをみていて思いつく。アンテナを立てておけばいろんな情報が引っかかってくる。世の中は情報であふれかえっています。自分にとって必要な情報が取捨選択できる力を持ちましょう。
身近な事例を集める
身近な事例とは話を具体的にするネタのこと。「これこれこういう考え方があります」と理論めいたことを言っても相手には伝わりません。「先日こんなことがありました。これがそういうことです」と事例を挙げて説明すると相手にわかりやすくなリます。身近な事例を集めるのにもアンテナを立てることが大切です。
メモをとる
こうして集めたネタはそのつどメモに取る習慣をつけましょう。良いネタはある日突然降りてきます。その場で拾っておかないと忘れてしまいます。だからその場ですぐメモします。「あの時いいアイデア思いついたのになあ・・・何だったっけなあ、忘れちゃったよ」そんな経験を一度はしたことがあるのではないですか?
書いたことを話す
こうしてメモに書いたことを話してみます。第三者に話すにはある程度整理しないといけません。話してみるとどこがうまく伝えられなかったかがわかります。口に出すということが発信の第一歩です。相手に伝わりやすくするにはどうしたらいいか?繰り返し話すことでだんだんとコツがわかるようになります。
録画して修正する
人前で話す機会ができたら自分が話す姿を録画してみましょう。話している声との違い、知らず知らず出ている自分のクセなどが客観視できます。次に何を修正したらいいかが明確になリます。録画は上達への近道です。
セミナーの型を覚える
セミナー組み立てには型があります。型とはこの流れでやると相手に伝えやすいというもののこと。具体的には、つかみ→自己紹介→今日得られること→全体のながれ→問題提起→事例からメソッド→まとめという流れ。自己流でやっても相手には伝わりません。まずは型通りやって自分のスタイルをつくっていきましょう。
セミナーの前に勉強会を開催する
セミナーというと講師になって参加者に情報発信する必要が出てきます。いきなりの講師はハードルが高いはず。そこでおすすめなのが勉強会です。勉強会は文字通り参加者みんなで勉強をしようというものです。あなたが講師にならなくてもワークショップ的にみんなで情報交換し合えば成立します。あなたはその会の司会と進行役になります。
勉強会を主催することで、シゴトづくりに必要な5つの力をつけるメリットがあります。1つ目が「人とつながる力」。主催者になると相手から顔と名前を覚えてもらえます。相手の方から名刺交換にしに来てくれます。情報が自分のもとに集まってきます。
2つ目が「知識を得る力」。勉強会にはあなたが講師にならずに外部講師を呼ぶ方法があります。講師と一番仲良くなれるのは主催者です。講師とのパイプづくりも一気に進みます。いわゆる事務局です。事務局をやるとセミナーの裏舞台を実体験することできます。この体験はビジネスにおおいに役立ちます。
3つ目が「企画する力」。参加者にたのしんでもらい役に立つと感じてもらうためにはそれなりの企画が必要です。参加者に直接ヒアリングするなど効果的です。何度もやっているうちに参加者によろこんでもらうコツがわかっていきます。知らぬ間に企画する力が身についていきます。
4つ目が「運営する力」。当日の進行をし、参加者の発言を引き出す場をつくり、参加者同士をつなぎ合わせる。そしてあるときは自分がプレゼンをする。これらができたら、いっぱしの講師です。
最後の5つ目が「集客する力」。実はこれが営業の最重要テーマです。どんなに良い企画、どんなに優れた場づくりがあったとしても、人を集めることができなかったらすべて水の泡です。集客にはさまざまな方法があります。それらを総動員して試行錯誤する中であなたオリジナルの集客ノウハウを磨いていきます。
このように勉強会を主催するとたくさんの収穫があります。やらない手はありませんよね?セミナーは聴く立場だけでは成長しません。自分でやってみることこそ大切です。
ひと味違う主催者の事例
知り合いのセミナーに参加しました。今、セミナー講師になりたい人が山のようにいる中、主催者になるとこんなに良いことがあるという内容でした。講師はセミナープロデュースと主催者をやっていらっしゃる人。セミナー内容も勉強になりましたが、主催者としての姿勢が印象的でした。
セミナー開催前日主催者から電話が掛かってきました。「三宅さん、お久しぶりです。セミナーご参加ありがとうございます。明日はお待ちしていますね。ところで懇親会は参加されますか?」という内容。内容自体は特別なものではありません。驚いたのは、この電話を主催者ご本人が掛けてきたこと。その日の参加者は約30人。おそらく30人全員に電話を掛けていたのではないかと想像します。なかなかできることではありません。
そしてセミナー終了後の懇親会の場。お酒が入ってゆるやかになった頃、主催者が僕のテーブルにやって来ました。すると「三宅さーん、お久しぶりです。お元気ですか?みなさん、三宅さんと名刺交換しました?三宅さんって、あの今話題のGさんとか今日参加いただいたIさんを育てたスクールをやっていらっしゃるんですよ。三宅さんとつながっておかないと損ですよー」こんなふうにテーブルにいる人全員にさりげなくPRしてくれました。
その話を聴いて「あ、そうなんですか!ぜひよろしくお願いします!」と何人もの人が向こうから名刺交換に来ていただきました。その後の主催者を見ていると、また次の人を同じように紹介しています。そこには自然に人と人がつながる輪ができていました。自己PRは自分をPRするのでそれなりです。第三者に紹介してもらうと効果はあるし、相手への伝わり方が自然になります。
前日一人ひとりに電話を掛けて「参加フォローをするきめ細かさ」。僕の例にあるように「参加した人が気持ちよくなるようなティーアップを嫌味なくして参加者にメリットを与える」こと。そしてその場にいる人同士を「自然につながるようにする」こと。まさに主催者の鏡と言えます。
主催者は企画と集客をするという大きな役割があります。加えて一方でこうした細部の見えないところでしっかり場づくりをすることも忘れてはいけません。この方の立ち居振る舞いはとても勉強になりました。できるところから真似してみたいものです。
まとめ
どんな商品サービスでも相手に知ってもらわないと始まりません。説明が不要なものならそのまま売ればいいです。でも大半の商品サービスには説明が必要になります。そんなときにセミナーは絶好の営業活動ツール。複業準備中からセミナー提供ができるように講師になる練習を重ねていきましょう。