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商工会議所の創業セミナーからわかる身の丈起業に必要な知識とスキル8つの鉄則

サラリーマンでいるうちに起業へ向けて何を勉強したらいいと思いますか?会社のつくり方、税金の知識、資金の集め方・・・いえいえそんなことではありません。これらは専門家に任せればいいことばかりです。それぞれ一冊、本を読んでおけばいいです。

本記事では商工会議所の創業セミナーのテーマを切り口に、身の丈起業に必要な知識とスキルとは何かをまとめました。参考にしてみてください。

商工会議所のテーマから見えること

某商工会議所による創業の実態に関する調査でこんな設問があります。「創業に際して相談した内容や相談したい内容はなんですか?」これから起業したい人へ向けたものです。答えは以下の通りです。

1開業に必要な手続き・許認可などの届け出、2各種法規制、3個人事業主または法人の選択、4記帳の進め方、5資金調達の方法、6補助金・助成金制度、7事業計画の立て方、8業界や市場の動向、9販路開拓方法、10物件情報、11人財の採用方法

こんな回答が挙がっています。1番から相談が多い順番ということではないかと思います。たしかにモヤモヤ相談でもそれなりに出てきます。

ここから何がわかるのか?一般的な起業支援に欠けているものがあるということです。独立起業にとってもっとも必要なことは2つしかありません。「起業に対するあり方とやり方」「やり方の中でも集客」です。起業へどうやって継続して情熱をもつことができるのかと起業後どうやって食べていくかです。

1開業に必要な手続き・許認可などの届け出、2各種法規制、4記帳の進め方はすべて手続きです。開業に必要な手続きは個人事業主なら税務署に開業届を出すだけです。許認可については考えるビジネスに許認可の必要があるかのチェックは必要です。法規関係はその場面になって調べればいいこと。記帳の仕方なんて覚えなくても会計ソフトがやってくれます。

3個人事業主または法人の選択の質問は結構多いです。起業イコール会社をつくる、法人を立てることだと思い込んでいる人が多いのが現状。法人にこだわる必要なんてありません。お客さまからみたとき必要なら法人ですが小さくはじめる起業ならほとんどの場合法人は不要です。

5資金調達の方法、6補助金・助成金制度、7事業計画の立て方はいわゆる開業資金系です。独立開業するにはお金が必要という先入観からきています。それも単なる思い込み。お金をかけずに起業する方法はいくらでもあります。むしろスタートアップはできるだけお金を掛けないのが鉄則です。

10物件情報は店舗を構えるなら必要です。ただ事前に学ぶことではありません。忘れてはいけないのがお客さま。立派な箱はつくったけどお客さまが不在。よくあるケースです。11人財の採用方法などこれこそ事業が軌道に乗ってから考えることです。

独立開業の知識を前面に出すから必要なことができなくなります。なぜこの仕事がしたいのか?どんな人にどんな価値を提供するのか?なぜ自分なのか?この3つの答えを起業のあり方と言います。起業へ向けてやるべきは上記のような知識ではありません。

あり方がかたまったら、どうやって集客していくか?を考えること。そして実際に見込み客を集めはじめることに着手します。知識や手続きをいくら学んでもお客さまがいなかったら商売はアウト。肝に銘じておいてください。

起業家マインド

起業するためには何が必要か?一番は?と言われるとそれはマインドということになります。起業家マインドと呼ばれるものです。起業家マインドとは、起業家的なものの考え方、思考パターン、行動様式などといったものです。サラリーマンと付き合っていたらそれは得られません。起業家がいる環境に身を置くことでだんだんとそうなっていくものです。

言語化する力

自分が思っていることを言葉にして話せるようになること。自分の意思を文章にできるようになること。決まった時間内、ホームページ上、チラシでいった媒体を通じてというのが具体的なイメージです。

言語化できないと自分のことを知ってもらえない。起業家は一人でも多くの人に自分を知ってもらってなんぼの商売です。最初はハードルが高いですが必ずクリアしていきましょう。

お客さまを集めていくのに必要なのが情報発信。情報発信はインターネットでやっていきます。ホームページやブログ、メルマガって何でできていますか?どうやって情報を得ていますか?そう、すべて文章つまりテキスト情報です。

あなたが考えていることを文字にしないと相手には伝わりません。だから書く力が必要なんですね。

「文章書くの苦手なんだよねー」「今まで書いたことなんてないし・・・」こんな声も聞こえてきそうです。というかほとんどの人がそうだと思います。サラリーマンをやっていて文章で相手に伝えることなんてしないから当たり前です。

どうしたら書く力をつけていけるのか?3つのポイントがあります。一つ目は、何度も読みたくなるメルマガやブログを真似てみること。相手に伝わる文章を書けと言われてもどうしたらいいかわかりません。最初は自分がこの人の文章は読みやすいなあ、伝わってくるなあ、というものを真似てみましょう。真似しながらだんだんと自分オリジナルなものへ変えていきます。

二つ目は、型をつくること。情報発信には継続が必要です。継続してはじめて成果が出ます。三日坊主では意味がありません。毎日ゼロから書き始めると大変な労力がかかります。このパターンで書くという自分なりの型をつくってください。

三つ目は、数をこなすこと。書く力は一朝一夕ではできません。日々書きつづけることでだんだんとリズムができ書けるようになります。最初から書く力のある人なんていません。とにかく発信。書くことに慣れていくことです。

聴く力

聴くとは相手の話をしっかり耳を傾けて聴くということです。最後まで聴くということです。聴く力は実はかなり奥が深い技術です。まずは自分の話はさておき相手を聴く姿勢でいることです。相手が話したいことをちゃんと聴いてあげることです。

会話というと何かしゃべらないといけないと思いますよね?そんなことはありません。「今日はいい話がきけたなあ・・・」実際は相手が8割以上話しているのにこんな感想をもらったりできるようになります。

質問する力

相手の内面を引き出そうと思ったら質問が要ります。良い質問ができるようになると相手を心地よくできるようになります。究極は、自分が話さなくても相手が勝手に話したくなる状況をつくること。聴く力も質問する力も要は相手に関心をどれだけ持てるかで決まります。

相手も自分に関心を持ってくれていると感じるとうれしくなります。うれしくなると会話はどんどん膨らんでいきます。会話は相手に関心を持つことから始めていくのがわかりやすいコツです。

起業家にとって必要なスキルはこの3つです。じゃあどうしたら3つの力がついていくのか?本を読んでもセミナーを受けてもそれはできません。インプットばかりしても身に着きません。正しく学んだことをアウトプットすることです。

アウトプットを何度も繰り返すことです。スポーツ選手が一つの技をマスターするために何度も同じことを練習するのと同じです。起業家にとって必要なスキルは正しく学んで反復できる環境に身を置くことでしかできません。憶えておいてくださいね。

集客する力

起業した後、10人が10人ともぶち当たるカベがあります。それは「集客できない」という悩みです。「こんなはずじゃなかった・・・」と感じるもののトップかもしれません。こんなにも集客って難しいことなんだと直面するときが必ずやってきます。

どんなに素晴らしい商品サービスをつくってもお客さまに集まってもらわなければ無用の長物。自分のことを知ってもらわなければ存在価値はゼロ。集客さえできていればビジネスは成立します。そのくらい重要なものです。

では集客のカベはどうやってクリアしていけばいいのでしょうか?リアルとインターネットで集客できるような準備を「起業前」からつくっていくことです。逆に言うと「起業前」にこの準備を怠ったら間違いなく大変な苦労をすることになります。この「起業前に」というところがキモです。

ネット集客

インターネット集客はお客さまが集まってくるようなホームページをつくっていくことです。これには正しい手順とノウハウがあります。それを習得した上で毎日少しずつ仕込んでいきます。ものになるまでには時間と手間が掛かります。だからお金の工面に追われることにない「起業前」に実践していきます。

起業した後はお金の余裕がないのでこうした作業が疎かになります。やらなきゃいけないと理屈でわかっていても毎日パソコンに向かっていることに罪悪感を感じます。「こんなことをしているくらいなら人に会いに行こう」そう考えてしまいます。結果中身のないホームページだけが残ることになります。

ホームページは情報を発信すればするほど蓄積になります。正しくやれば無駄な作業なんて一つもありません。いわば資産です。無料で資産が構築できるなんて他にはありませんよね。毎日の積み上げが全て地力になります。起業前に地力がついていればそれだけスタートアップがラクになります。一定数お客さまを集めてくれる装置のようなもの。やらない手はありません。

リアル集客

もう一つのリアル集客はどうすればいいのでしょうか?営業という言葉をきいてどんなイメージを持つでしょうか?テレアポとか飛び込み営業。とにかくたくさんの人に会って自分の商品を買ってほしいとお願いしてまわること・・・営業ってつらいこと、そんなイメージではないですか。

飛び込みやテレアポをやりたいですか?できることなら避けて通りたいですよね。一方、相手から見たらどう感じるでしょう?テレアポなんてうざい。飛び込み営業は来てほしくない。売り込み営業なんてお断りですね。だから結果を出すのは至難の技になります。

リアル営業を成功へ導くのは紹介です。そのためにあなたのことを「ちゃんと」応援してくれる人を着実につくっていくことです。「ちゃんと」というところがポイントになります。

「ちゃんと」とはあなたがどんなビジネスをやっているのかに加え、あなたの人柄や人間性、ひいてはなぜこの仕事をやっているのかまでわかっていることです。本当の意味で信頼してくれる人です。この関係はお互いに利害がないときでないとできにくいもの。だから「起業前」にするのがベストになります。

数字で考えてみましょう。例えば200人へ必死にお願い営業をして反応のある人が5人出たとします。一方、あなたを信頼してくれる人が自分は何もしないのに5人紹介してくれたとします。どちらが買ってくれる確率が高いでしょう?答えは考えるまでもありません。

加えて200人お願いはやり続けないといけません。やりたくもないことを継続なんてできるはずがありません。紹介はその人との関係を維持していけば定期的に出てきます。リアル営業は「起業前」に自分のことを「ちゃんと」応援してくれる人をつくる。これが全てです。

「起業前」だからこそできるネットとリアルの集客準備。その重要性が伝わったでしょうか?知識ばかり詰め込んで頭でっかちになってはいけません。サラリーマンの今すぐできる2つの取り組み、意識して行動に移そうじゃないですか。

キャリアや知識は必要ない

起業していくのに、キャリアとか知識って必要なんでしょうか?結論から言うと要りません。たまたま仲間の20代起業家3人がこのテーマでコメントしていたのでご紹介しますね。かなり真理をついています。

「20代で独立なんて無理だ」「もっとキャリアを積んでからにしろ」周りからはこんなことを散々言われました。私は24歳で独立、28歳で起業しました。今の事業が順調なのは師の教えをちゃんと守っているから。20代という若さ、キャリアの浅さが逆に強みになっています。多分10年後に起業してたら、キャリアが邪魔して頑固になっていたと思います。

上記に対し別の人から。弱点に思われるようなところが強みになっているって良いですよね。個人的に、独立起業するのに十分なキャリア、知識なんてないのではないかなと思っています。もちろんある程度のスキルと経験がないとお金をいただけるようなサービスを提供できないと思いますが。

何十年と経験や知識を増やしても十分ということはなく、常に勉強、向上あるのみと思っています。結局十分でないのであれば、いずれ起業を目指す人は早めに独立して突き進むしかない状況に身を置く方が経験値もスキルも知識も格段にレベルアップしていく気がします。

そしてさらに別の人から。どうせ起業するなら若い方がいい。それわかります。ハードルが低くてすみます。起業後10年の大台に乗っても、まだ40前ですから時間がたくさんあります。でも専門分野と商品サービスは頑固に守ってやっていきます。

まさにその通り。たまたま20代起業家のやりとりです。でもこれは年代問わず言えることです。頭でっかちになっていても事は進みません。「行動しながら必要な知識を学んでいく」これが鉄則です。20代は起業しようということを言っているのではありませんので誤解なきようお願いします。

アウトプットを意識する

起業を志すのなら、とにかくアウトプットすることを意識してください。起業家は情報発信できることが生命線。なぜならまず自分の存在を知ってもらってなんぼだからです。もう一つ、答えはユーザーがもっているから。

いくら自分の中で頭を悩ませていても問題は解決しません。だからとにかくアウトプット。アウトプットすると相手から反応が返ってきます。それをもとにユーザーに受け入れてもらえるインプットを重ねていきます。

サラリーマン思考だとインプットによりがちです。まず知識やスキルをしっかり身につけてからでないと行動に至りません。それも完璧を求めがちです。物事に完璧なんてありません。インプットしている間は表に出ていないので止まっているのと同じです。

起業は未知の世界です。自分でビジネスを創るということは誰もやったことがない話。答えはありません。だからまずアウトプットすることが大事なんです。

インプットに偏る典型例が資格取得です。士業など資格がないとできない仕事を除き、起業に資格は要りません。資格を取るために勉強している間はその場に留まったままです。インプットばかりしていても何も変化は起こりません。

資格を取る暇があったらネットでどんどん情報発信することです。ビジネスはお客さまにどんな価値が提供できるかです。資格だけで価値は提供できません。価値は今まであなたが経験してきた実体験をベースにつくっていきます。

アウトプットにはどんなものあるのか?あるメンバーは日々コラムを書いて自分がどんな人かを発信しています。あるメンバーはホームページ用の小冊子を作りました。あるメンバーは名刺を作って自分のことを複数の人に伝えています。

何をするかは自分が今いるステージによって変わります。自分が何をしようとしているのかを口に出す。ささいな第一歩が重要です。そのことだけで今まで止まっていたことは動き出すから不思議です。

一つ間違わないでほしいことがあります。アウトプットが大事だからととにかく何も決めずに動こうとする人がいます。これをやっていたらいつまで経っても方向が定まりません。まず自分としての軸を決めることに集中します。

この間はアウトプットは不要です。そして自分なりの土台ができたらアウトプットを開始します。目安は60点です。60点できたらあとはアウトプット。憶えておいてくださいね。

まとめ

商工会議所で開催されている創業セミナー。もちろん大切な要素があります。一方で自分がどんな起業をしていきたいのかを見極めてください。身の丈でビジネスをつくっていくのであれば、身の丈に見合ったことを身につけていく必要があります。起業を十把一絡げにしないよう注意しましょう。

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