「起業するんだったらまず会社をつくらない」「やっぱりちゃんとした事務所も構えないと」「従業員はどうやって雇っていったらいいんだろう」
中高年になって起業を考え始めたときに必ずこんな考えが出てきます。これはサラリーマンを長くやってきたから会社と起業が一緒になって先入観としてもっているのが理由です。
まず、この先入観思い込みを外すことが大切です。中高年の起業は一人でやるのがベストです。一人でやると多くのメリットが得られ、長く続く商売ができるようになります。
本記事では、中高年から起業するときに一人でやるメリットを解説します。メリットを理解することで、起業に対するハードルがグッと下がり、具体的なイメージが湧いてくるようになります。
思い込み先入観
では最初に中高年サラリーマンが起業を意識したときに、思い込んでしまう先入観について解説します。
会社をつくらないといけない
一つ目の先入観が会社をつくらないといけないというもの。起業をすること=会社をつくることと思っていませんか?それは間違いです。起業することつまり事業を興すにはは2つの形態があります。
一つが法人、もう一つが個人事業主です。会社をつくるとは法人に当たります。必ずしも法人をつくらなくても個人事業主で事業はスタートできます。
法人には株式会社と合同会社という2つがあります。ついつい株式会社といったような名前がついていないと信用が得られないんじゃないのかなと思ってしまい、法人設立つまり会社をつくることに頭が行きがちです。
大切なことは見かけの名前より実際に何をやっているのか、どんな商品サービスを提供しているのか、どれだけお客さまの役に立っているのかです。
会社をつくるのは必要になってからで大丈夫です。もっと言うと50代起業は法人をつくらず個人事業主のままやっていくことをお勧めします。理由は後述します。
事務所を構えないといけない
二つ目の先入観が事務所を構えないといけないというもの。起業するなら事務所ありきだよねって思っていませんか?
それは単なる思い込みです。事務所はなくても仕事はできます。具体的には自宅を事務所にするということです。
事務所があると、あたかも構えができてしっかり仕事をビジネスをやっている風に見えます。でも実はそこが落とし穴になります。
事務所だけを構えてもお金は生み出しません。わかりやすくいうと売上が上がらないのに家賃だけがどんどん出て行くという状態になります。
事務所をもつことより実際にどんな仕事をしているのかということの方が大切です。事業をスタートするときにとにかく意識したのは固定費をなくすということです。
スタート当初は出ていくお金の方が明らかに多くなります。出費の中でも毎月決まって出て行くものはなくしていく。その最たる例が事務所です。
従業員を雇わないといけない
三つ目は従業員を雇わないといけないというもの。仕事をするのだったら従業員がいるのが当たり前と思っていませんか?それも思い込みです。
従業員がいるといろいろな仕事の分担はできていいと考えるかもしれません。実際はしばらく経つと所属する人たちの管理に明け暮れている自分に気づきます。
自分がやりたい仕事はそっちのけで人の管理ばかりという状況に陥ります。またスタッフがいると調整をしないといけないですよね。
自分がこうだと思ったことも即断即決で進めていくがしづらくなります。これって今いる会社と同じじゃないですか?今いる会社と同じことを起業してまでやっていきたくはないですよね。
それともう一個別の視点で言うと、従業員を雇うということは本人そして家族の生計を担うということになります。ということは従業員と家族の人生の責任を持つということに等しくなります。
従業員を雇うということはものすごく重い話です。軽く受け止めないでください。中高年起業は従業員を雇うなんてもっての他です。
一人でやるを具体化する3ステップ
ではこれらを踏まえて具体的にどんなアクションをとっていったらいいかについて3つのポイントで解説していきます。
サラリーマン脳を排除する
サラリーマン脳とはこれまで歩んできたサラリーマン的な思考や行動のことをいいます。自分が今サラリーマン脳であることにいち早く気づいてください。そして排除していきましょう。
上述した3つの思い込みを考えてみてください。まさに今自分がいる会社そのものではないでしょうか?すべてそれが当たり前と思っていませんか?ここからサラリーマン脳が始まっています。
今まで当たり前と思っていることは実は当たり前ではありません。会社という環境に属することで当たり前と思い込むように刷り込まれているだけです。当たり前でしょと思うことがあったら本当に当たり前なの?と自問自答する習慣をつけてください。
一番大切なのは、お客様にどれだけ役立てるかということです。これが商売の一番の根幹です。
周辺にある会社とか事務所とかスタッフとかそういうもの以前にどれだけ自分のお客様に向き合っていけるかということを最優先事項にしてください。
固定費とは何かを理解する
固定費とは、毎月固定でかかる経費のことをいいます。家賃や人件費といったものが最たる例です。固定費にどういうものがあるのかを具体的に理解していきましょう。
なぜかというと、そうした経費を払うには収入が必要になるわけです。費用を払うためにどれだけの売上げ必要になるのかを考える習慣をつけてください。
サラリーマンは給料が毎月入ってきます。自分で収入を稼ぐという感覚がありません。でも起業すると自分で売り上げをつくって収入を得るということになります。
今払っているこの人件費をどれだけの収入で賄わないといけないのか・・・と考えると、固定費がどれだけ重いものかが理解できるようになります。
一人でやるをイメージする
ここまで会社、事務所、従業員といったような固定化されるものをできるだけなくして身軽にやっていこう。だから一人でやるのがいいよという話をしてきました。
実は中高年起業を一人でやる価値にはもう一つ大きなものがあります。まずこれからあなたは第二の人生でどんな仕事をしていきたいと思っていますか?今までサラリーマンやってきたことと同じような路線でやっていきたいでしょうか?
そうではないですよね。まったく違う視点、新しい流れでやっていきたいと思っているのではないでしょうか。
であれば、組織に属して仕事をするっていうことを一旦外して自分一人ですべてのことをやっていくといったようなイメージを持ってください。
具体的には個人商店です。それこそ八百屋さん、肉屋さん、魚屋さんといったような類の商売です。だからといって肉屋さん魚屋さんをやってくださいということではありません。
要は個人が個人に対してやり取りをしていくスタイル。総合的にやるんじゃなくて一つのことに絞って専門性を立てて発信して、お客様との接点をつくっていくものです。
ある意味これからは「新しい個人商店」をつくる時代です。その一役を担うイメージを持ってみてください。
もう一つ、一人でやっているとマルチで動けるたのしさが実感できるようになります。
例えばYouTubeチャンネルの運営。企画を考えて、シナリオをつくって、撮影して、収録して、編集して、BGMをつけて、アップするという一連の作業をすべて一人でやります。
一見大変そうに見えるかもしれません。でも実は逆ですべてを自分が担うことによって自分が本当に表現したいことを自分が思うようにつくれるわけです。テクノロジーの進化が個人ビジネスの可能性を広げているわけです。
これが従来の会社に属してそれぞれのセクションでやっているとしたらどうでしょうか。自分は全体のうちの一つだけを担当します。もっとこうした方がいいと思っても他の人がいるのでできません。一人ですべてを手掛けるたのしさを味わうはできません。
中高年一人で起業ワンポイント
新しい個人商店をつくろう
これからの時代は、新しい個人商店が台頭していきます。あなたもその一人になりましょう。
まとめ
✓ サラリーマン脳を排除する
✓ 固定費と何かを理解する
✓ 一人でやるをイメージする
従来型の考え方を一掃してください。個人がシゴトをするには絶好の環境が整っています。特に中高年こそは個人でやる。その方が断然たのしい。しっかりおさえてください。