働き方改革が提唱されて久しくなります。残業をしないこと、テレワークをすることなど手段先行で本質的なところには至っていない感じがします。でもそんな中でも少しずつ浸透してきているのも事実です。その余波を利用してできることから始めていきたいものです。
これからの時代、働き方そのものを見直す必要があります。自律した生き方をしていくには、誰かに与えられるのではなく、自分でシゴトをつくっていくという意識をもつことが肝要です。本記事では起業ではない「身の丈のシゴト」づくりとはどういうことなのか?それを具体化する複業とはどんな方法で進めていけばいいのかを解説しています。
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働き方の選択肢は多様化
サラリーマンを続けていると「このままでいいのだろうか?」と不安や不満にかられるときがあります。「毎日同じことの繰り返しでいいのだろうか?」「将来へ向け働き方を変えていかないと」「でも転職したからといって同じことになりそう」「この先何年か経って会社がなくなったとき自分には何ができるのだろう?」そんなモヤモヤ感です。
副業といっても自分に何ができるかわからない。起業というとさらにハードルは高い。自分が全く知らない世界の話、ますます不安が募ります。どうしたらいいのだろう?何から始めたらいいのだろう?そんな気持ちになるでしょう。
一方で働き方改革と叫ばれて数年、世の中は少しずつ変化しています。名だたる企業のトップが公言したり、一つの会社で定年まで勤め上げるような働き方はなくなっていきます。まだまだ浸透の度合いは薄いですが副業解禁も広がりつつあります。在宅ワーク、地方での仕事づくりも広がっていくでしょう。世の中のながれに合わせ、働き方の選択肢は一つだけではなくなっています。
僕はこれまで9年間にわたり起業を一点ゴールとした働き方の塾を運営してきました。その結果わかったことがあります。それはみんながみんな起業ゴールではなかったということでした。起業へ向けて突き進みたいという人。最初は起業と思ったけどやっているうちに会社とは別の何かをやりたいということがわかった人。一時的に横道にそれたけど、やっぱり会社に残るのが良かったという人。
人それぞれ進みたい働き方は異なりました。まさに働き方の選択肢は多様になっていることを実感しました。そして一人ひとりに合った働き方ができる世界を後押しすることが必要という結論に至りました。身の丈起業やハイブリッド複業が手法として出てきた答えです。
ありたい生き方があって、そのために実現したい働き方がある
働き方を変えるときに、まず必要なことはその人がどうありたいのかということ。ありたいとはどういう生き方をしていきたいのかということです。人生の中で大きなウエイトを占めるのが働き方。生き方を決めるには働き方を定めないといけません。
「どういう働き方がしたいのか」を決め、それを実現する手段として、起業や複業、転職があります。多くの場合、起業や複業をすることが目的になっている人がいます。もしそうなっていたら見直してください。こんな働き方がしたいというのが目的、起業、複業は単なる手段でしかありません。
これからの人生を進んでいく上で、自分の根っこにあるものを定め、それを具体化するための「シゴトをつくる技術」を習得し、「自分で稼ぐ力」を身につけていくという順番です。
まず今ある自分と向き合い「自分軸」を定めます。自分軸を決めたらそれをシゴトとして形にしていきます。何も決まっていないうちから動いてはいけません。まずはビジネスとしての建屋を描いていきます。建屋ができたら少しずつ実際に動いてみます。試すという行為です。リスクなしで動くのがベスト。
ハイブリッド複業と呼ぶ段階です。本番を想定した練習、助走期間です。実際に売ったり、サービスを提供したりします。動いてみると自分がどうしたかったのかが定まってきます。同時にお客さまが求めていることがわかるようになります。こうして動きながらシゴトの形を整えていきます。モヤモヤ自分の頭の中だけで考えていたらいつまで経っても出口は見えません。
起業という言葉がもつイメージと誤解を払拭する
起業ときくとどんなことを想像しますか?「一部の特別なスキルや才能をもった人だけが成功している世界」「失敗したら一文無しになるイチかバチかの世界」こんな感じではないですか?また「資金をかけて事業を立ち上げていくもの」「世の中にないような卓越したものを生かさないといけない」といった一面もあるのではないですか?
まずそういう固定概念をすべて取り払ってください。起業は取り立てて知識やスキルもない身近にいるフツーの人がつくっていける世界です。この後、ご紹介する12人もみんな最初はフツーの人でした。特別な才能なんて要りません。お金なんてかけずにシゴトはつくれます。大きなお金を掛けるから取り返しのつかないことになるだけです。必要なことは身の丈でゴールへ向かってあきらめることなくずっとやり続けていけるか否か。この一点に尽きます。そうすれば誰もが実現できる働き方なのです。
そうはいってもいきなりサラリーマンを辞めるのは不安。そんな気持ちもあるでしょう。今すぐサラリーマンを辞めることはありません。むしろ辞めてはいけません。辞めてしまうと収入に窮してしまいます。お金がないと目の前のことに追われ、少し先のことへ向けてなんて動けなくなります。サラリーマンをしながら、その傍らで自分らしい働き方をつくっていきます。
但し自分でシゴトをつくっていくには「技術」を習得しなければなりません。正しい手順でコツコツ地道にやっていく技術です。未知のことを闇雲に自己流で進めても結果は出ません。サラリーマンを続けながら「シゴトをつくる技術」「自分で稼ぐ力」を身につけていきます。その一つひとつを地に足つけてやり切っていくことが必要になります。一足飛びでうまくいくなんてことはないと思ってください。
目指すゴールは大成功ではなく、毎日をたのしく生きること
起業して成功するというとどんなイメージを持っていますか?億万長者になる、上場企業をつくる、有名になってテレビに出演する、ハワイで働かずに暮らす・・・こんなことを想像するのではないでしょうか?もちろんそれはそれですごいことです。でもそれよりも大事なことがあります。
それは「ずっとシゴトが続いている」ことです。成功するとは「ずっとシゴトが続いている」状態のことを言います。シゴトが続くためには、お金と気持ちがまわっている必要があります。お金がまわっているとは手元の現金に余裕があることを意味します。
一時的に大金を稼いでもそれが続かなければ事業はストップします。一方で大切なのが気持ちです。気持ちとは毎日たのしく過ごせているかということです。シゴトはもちろんのこと、家族や人間関係も含めてです。どこかに歪みがあると、たのしいとは言えなくなります。
身の丈のシゴトづくりで目指すところは「毎日をたのしく生きること」です。気持ちがまわっていればお金がまわる、お金がまわっていたら気持ちもまわる。毎日笑顔で暮らしていける。この循環をつくり上げることができたら成功です。
身の丈が成功確率をアップできる3つの理由
起業が失敗する要因には大きく3つあります。一つ目が最初にお金をかけてしまうこと、二つ目が気持ちが続かないこと、三つ目がぶれてしまうことです。つまり、「お金をかけない」「気持ちが続く」「ぶれない」が成功する3要素ということになります。身の丈のシゴトづくりはこれができます。ではこの3つについて解説していきます。
お金をかけないとはどういうことなのでしょう?身の丈のシゴトづくりには「3なし励行」という考え方があります。3なしとは、事務所なし、法人なし、従業員なしという意味です。スタートするときにこの3つはいずれも必要ないということです。
起業したら事務所や店舗を構えるのが当たり前と思っていませんか?それは既成概念です。事務所は自宅で十分です。事務所を構えるには初期費用が掛かります。マンションの一室を借りるとしたら、敷金礼金に仲介手数料といったものがあります。さらに机や椅子や家具といった什器が必要になります。これらを合わせるとあっという間に50万円以上という感じです。
さらに実際にスタートすると家賃が発生します。立派な建物であればあるほど家賃は高くなります。加えて光熱費、通信費が掛かります。これらは固定費です。経費は掛かってもそこからお金を生み出すことには直結しません。身の丈のシゴトづくりは固定費を極限まで下げるのが鉄則です。
また事務所を持つと通勤しなければならなくなります。起業してまで満員の通勤電車に乗りたいですか?みんな下を向いて何かにとりつかれたように会社へ通う日々に疑問をもちませんか?「通勤電車のない働き方」へ変えていきましょう。ちなみに僕自身、事務所は自宅、焚き火の仕事でログハウス利用といういわゆる二拠点生活を送っています。何ら支障はないどころか、むしろシゴトの質は格段に向上しています。
1ヶ月のうちの半分を自然の中で過ごすことでリラックスと集中の両方を得ているからです。当初は都心に事務所を構えることも経験しましたが場所を選ばない働き方こそ一番であることを実感しています。
さらに起業したら会社をつくらないといけないと思っていませんか?会社をつくるとは法人設立をするということです。これも思い込みです。法人ではなく個人事業主でシゴトをしていきます。法人を設立するには株式会社の場合、登記に関わる税金関係と司法書士などの専門家への代行費用で30万円近くが掛かります。
さらに毎年法人住民税という税金を払わないといけません。これまた膨大な初期費用と固定費です。法人になっていないと信用が得られないし仕事が取れないと考えるのは単なる思い込みです。税金対策なんて稼げるようになってから考えていけばいいことです。個人事業主としてビジネスをやっている人は世の中にヤマほどいます。
もう一つが従業員です。これはもっての外です。従業員を雇うと毎月の給料を払わないといけません。加えて社会保険料も負担する必要があります。その人の給料にもよりますが、毎月50万円以上の支出が発生するイメージを持ってください。それも一時ではなく毎月の固定費です。人件費は経費を圧迫します。
人を雇うと気遣いや教育をしないといけません。さらに従業員の家族の人生を担うことになるのです。そのことがどれだけ大変なことか想像がつくことでしょう。従業員を雇うということがどんな意味をもつことかなのかをしっかり認識しないといけません。安易に人を雇うのは危険行為です。身の丈のシゴトづくりは基本一人です。一人の方が身軽で自由にシゴトができます。
事務所、法人、従業員。この3つがあるのが当たり前と思って多くの人が初期投資します。その結果、お金がまわらなくなり、事業をやめるという道を余儀なくされます。下手したら借金を抱えたまま廃業という最悪の状態になります。「3なし励行」を心しておいてください。
二つ目の気持ちが続くというのはどういうことでしょうか?ひと言でいうと、いろんなことが起こってもずっとやり続けていく気持ちを持ち続けられるかどうかということです。そのためには「ワクワク」と「熱量」を見つけることです。
そのことを考え始めたらワクワクする、寝食を忘れて没頭できる、話し始めたら止まらなくなる、身振り手振りが入る、話だしたら止まらなくなる、ついつい熱くなっている自分がいる、自信をもってしゃべれる、信念を持っている・・・そういう類のことです。
ありがちなのは自分ができることを仕事にしてしまうことです。最初はいいのですが、収入に困ってくるとお金になることを探し始めます。稼ぐために仕事をし始めると長続きしません。行き着くところ、何のために仕事をしているのかわからなくなり、やる気を失ってしまいます。
三つ目のぶれないとはどういうことでしょうか?実際に動き始めると「これいいのかな?」「本当にやりたいことは何だろう?」「こっちの方がいいかもしれない」と迷うことがあります。迷ったら何も良いことは起こりません。そのために「ぶれない軸」を持つことです。
そもそもなぜ自分でシゴトをつくる道に進もうとしたのか?どうありたいと思っているのか?そのために何をしていくのか?言ってみれば今やっているシゴトの根っこになるものです。食べていけない時期は、いろんなことの手を出そうとします。お金になりそうだったらやってみたくなるのは当たり前です。
でも思いつきで手を出したものは長続きしません。結果時間とお金のロスになります。「自分の根っこはここにある、今やっていること、やろうとしていることは全て根っこにつながっている。だからやり続けることができる」そんな軸をもつことです。自分軸を持ち、それに立脚したことを実践すればぶれることはありません。ぶれなければ、少々時間が掛かっても必ずそのシゴトには芽が出てきます。逆に自分軸のないシゴトや商品サービスはぶれてそのうちなくなってしまいます。
身の丈なら自分がやりたいことがずっとやれる
身の丈のシゴトづくりにはいくつかの特長があります。まずお金の身の丈です。お金を掛けないので軌道修正がすぐにできます。システム構築に先行投資するとか、店舗を構えるとか、都心に立派な事務所をつくるなどをすると、うまくいきそうにないからといって、そう簡単に方向を変えるわけにいきません。
次に身の丈のシゴトづくりは基本一人です。一人なので自分がこれでいこう!と判断したらすぐ実行に移せます。即断即決、フットワークも軽いです。もし幹部や従業員がいたら、周囲にいる人への説明や了解を得ないといけません。そんなことをしているうちに、自分がやりたいことはどんどん形を変え、時間だけが過ぎていきます。
「今、お客さまのことを考えたら、これをやった方がいい」「世の中の状態を見据えたら、こんなやり方をしたい」と思っても実現できなかった、悔しい思いをした・・・組織の中にいる自分を考えたら経験があるのではないでしょうか。そんな余計なストレスがありません。組織ができ、だんだん大きくなるとどこをみて仕事をしているのかわからなくなります。
上司に気に入ってもらうために毎日があるといった感じです。「お客さま不在の仕事」という状態です。一人でしっかり面倒がみれる範囲でお客さまを見失わないこと。そのことが継続した経営につながります。何より自分の好きなお客さまとシゴトができるからたのしいのです。
身の丈は背伸びをしません。事業を始めると自分を大きく見せたくなるときがあります。専門家と名乗る以上、誰よりも詳しくないといけない、間違ってはいけないと思い込んでしまいます。実はそんなことはありません。
背伸びをしたところでいつかボロが出ます。自分でない自分を演じていると無理が生じます。無理して状態がいつまでも続くはずがありません。あなたはあなた以上でもないし以下でもありません。あくまでも「自然体」でいることが事業を長続きさせるコツです。
身の丈のシゴトづくりは自分自身を商品にします。人に何かを教えたり、表現したり、サポートしたりするようなシゴトと、ものづくりをしたり、写真を撮ったり、動画をつくったりする職人的なシゴトです。
自分の中にあるものを生かし、自由な発想で今まで世の中にないシゴトをつくり出すことができます。仕入れや在庫を持ちません。これらを持つと資金負担しなければならなくなります。作業場所や倉庫も必要になり固定費が発生します。さらに原価が発生するのでその分利益が減ります。自分自身が商品にすると原価がないので、粗利も多く確保できます。
ビジネスは売上でなく利益です。利益をどれだけとれるかが生命線になります。できるだけ利益が出せる構造にしていくのがベストです。
身の丈のシゴトをつくる5つのステップ
では実際に身の丈のシゴトをつくっていくにはどういう手順で進めればいいのでしょうか?大きくは以下の5つのステップを踏んでいきます。一つ目のステップが「起業家脳と同じ志の仲間づくり」。まず自分の周りの環境を変えていくことから始めます。
環境を変えるとは接する人を変えていくということです。そうしてサラリーマン脳から起業家脳へ変換していきます。サラリーマン脳とはサラリーマン的思考のことを言います。それに対し、起業家脳とは起業家としての思考パターンや行動様式のことを言います。
自分でシゴトをつくっていく基盤は心の持ちようを起業家脳にしていくことです。あなたが毎日顔を合わせている人はどんな人ですか?いつも同じ顔ぶれではありませんか?みんなサラリーマンの考え方をしていますよね?サラリーマン的思考を持っている人とサラリーマン的思考になります。現状は何も変わりません。起業家をはじめとした自分の意思で働いていきたいという人は全く違う考え方や視点を持っています。常日頃から起業家脳を持った人たちと接する習慣をつけていきましょう。
同時に、自分の意思で人生をつくっていきたい人、起業へ向けて進む人とつながっていきます。これを「同じ志の仲間」と言います。同じ志の仲間をつくることで、起業前は時として揺れがちなモチベーションを保つことができます。目標が同じなのでお互いを励まし合うことができます。
頭の中でモヤモヤ考えていても何の解決にもなりません。仲間と話し口に出すことで自分が何を考えているのかがわかるようになります。起業後はお互い苦楽を共にして人間性まで深く知り合っていることで、気に掛け合い応援し合いながら、ビジネスを広げていくことができます。ひいては一生涯の友人へと育っていくのです。
二つ目が「自分軸」をつくること。シゴトづくりが成功するとは「ずっと続いていること」を言います。やり始めるといくつもの苦難が待っています。このままでいいのか、どっちにしようかと迷うこともあります。そんな中ずっと続けていくためにはぶれない軸が必要になります。
カベに当たったときに立ち返れる「拠り所」になるもの。自分の「根っこ」にあるもの。それが自分軸です。「これまで生きてきたこと通じ自分はどうありたいのか?」「なぜ働き方を変えていきたいのか?」「なぜそのシゴトがしたいのか?」「どんな人にどんな価値が提供したいのか?」「それはなぜなのか?」という根っこの部分を定めていきます。
僕は今、働き方支援業と焚き火コミュニケーション業と講師業という3つのシゴトをしています。自分軸は「個人を尊重した場づくり」です。一見まったく別のシゴトに見える3つですが、全てこの自分軸の上に立脚しています。だからぶれることなく続けていけるわけです。思いつきやアイデアだけではじめた仕事はことごとく頓挫してしまいました。
自分軸はあなたが今まで生きてきた人生の中から出てくるものです。シゴトづくりの第一歩は人生を総ざらい振り返ることからはじめてください。
三つ目が「専門分野」を決めることです。起業家とは何かの分野で専門家になることをいいます。専門分野とは「◯◯の専門家」「○○と言えば自分」「○○の第一人者」の◯◯に何を入れるかを決めることです。他にないあなただけのオンリーワンづくりです。
定めた自分軸を具体化するためにその手段として何の専門分野で立つのかを決めます。決めるための要素は「ワクワク」「これまでにやってきたこと」「人の役に立つこと」です。この3つを掛け合わせて重なり合うところがあなたの専門分野です。専門分野あらいだしにもこれまでの人生の深掘りが必要になります。
「何も知識もスキルもないのに専門家と名乗るなんて・・・」そんな不安もあるでしょう。心配は要りません。まずはこの道の専門家と名乗ることでプロとしての自覚が芽生えてきます。アンテナが立ち情報を吸収し知見が増えていきます。学びの量もアップします。
毎日少しずつやればできるようになります。先に専門家としての旗を立ててしまうことで加速が変わってきます。「いろんなことを学んでから」「経験を積んでから」「資格を取ってから」そんなことを思っていたらいつまで経っても事は前に進みません。ある程度覚悟を決めて進んでいく段階です。
四つ目が「ビジネスプランづくり」です。「お客さまはどんな人?」「その人はどんなことに困っているの?」「お客さまはどうなりたいの?」「それを具体化するのに何を提供するの?」「同じようなことをやっている人はどんな人で何を提供しているの?」「そんな人と何が違うの?」「どうやって選んでもらうの?」「どうやってお金をいただくの?」「当面のお金はどうなるの?」「なぜその仕事なの?」・・・といった詳細を組み立てていきます。
一般的に、理想のお客さま像づくり、商品サービス組み立て、競合リサーチ、独自性オリジナリティ構築、プロフィールと選ばれる理由づくり、課金キャッシュポイント、収支計画、理念策定などと呼ばれるものです。ビジネスプランづくりには一連の「型」があります。型に則してノウハウを習得しながらつくり込んでいきます。この段階を練り込むことでビジネスモデルが出来上がっていきます。
ここで多くの人がつまづいてしまう傾向があります。それがこのビジネスプランづくりから入ってしまうことです。「世の中のトレンドはこうだからこんなことがうけるかもしれない」「こんなアイデアがあるけどうまくいくのではないか」その場の思いつきや一時のアイデアから入ったものは長続きしません。なぜなら自分軸から出たものではないし、専門分野が明確になっていないからです。自分軸→専門分野があってのビジネスプランというながれを忘れないようにしましょう。
五つ目が「情報発信とテスト」です。ここまでの四つのステップでつくったビジネスモデルは自分の中で組み立てただけでまだ誰一人知らないものです。あなた自身の存在もゼロの状態です。まずは知ってもらわないと何も始まりません。知ってもらうために情報発信をしていきます。
情報発信にはリアルとネットの2つの柱があります。リアルは人と会うということです。名刺を作って一人でも多くの人に自分が何をやっているかを話していきます。個別であったりどこかの場であったりシーンは多岐にわたります。ネットはインターネットで発信することです。
ネットの根幹になるのはホームページです。セルフメディアと呼ばれるものです。一人でも多くの人が自分のホームページに来てもらえるような策を講じていきます。基本はお客さまになってくれる人にとって役立つことをブログで発信していきます。発信方法は多岐にわたっています。ユーチューブを使って動画で発信する方法も有効です。他にもSNSがありますが、それらは全てホームページに来てもらうためのツールとして活用していきます。
リアルとネットの両方ともやっていきます。一方だけでは片手落ちになります。知ってもらうまでには時間と手間が掛かります。適切なノウハウも使っていく必要があります。正しい知識と技術を習得しながら情報発信を実践していきます。
さらにつくったビジネスモデルは所詮机上のものでしかありません。自分が考えた商品サービスがお客さまに受けいれていただけるか否か。その答えは実際に試してみないとわかりません。情報発信をしながら実際に商品サービスをテスト販売提供していきます。
そしてお客さまからいただいた評価フィードバックで修正改善をしていきます。本番実践にもとづいた試行錯誤です。このトライ&エラーのサイクルをどれだけ回せるかがお客さまのニーズにマッチしたビジネスへ育てていけるかの分岐点になります。テストにはもう一つのメリットがあります。「実績」をつくれるということです。
新たに商品サービスの購入を検討するとき何をみて判断しますか?それまでに商品サービスを利用した人の声ではないですか?いただいたお客さまの声はすべてあなたの実績になります。積み重ねて実績が信用になっていくのです。
見出しの下にある図をご覧になってください。1から順に5へと積み上がっています。跳び箱みたいなイメージです。自分軸が決まっていないと専門分野はできない。専門分野が決まっていないとビジネスプランはできない。ビジネスプランがかたまっていないと情報発信はできないということです。
5つの順番を間違わないでください。各ステップを飛び越して次のことをしないでください。軸足のない動きになることに加え、結局後戻りしてそれまで費やした時間のロスになります。5つの順番に積み上げていくことが身の丈のシゴトづくりの最短コースです。