自律的自由人

起業家の仕事のつくり方は「公私混同」がキーワード

起業家には仕事と遊びの境目がない。仕事をしながら遊び要素を入れているし、遊びながらも仕事のアンテナを立てている。これが醍醐味だったりする。まさに「公私混同」だ。本記事では起業家の公私混同についてまとめた。
 

公私混同の体験談


 
時に焚き火セッションなるものを行う。焚き火セッションとは、文字通り焚き火を囲んでグループセッションを行うというものだ。通常会議室で行うセッション内容をそのまま野外に持ち出す。
 
焚き火セッションは思いつきではない。ずっと前からあたためてきた。ある時からスポットでやっている。野外では五感が開く。発想が開放的になる。焚き火を見つめていると素直な自分を取り戻せる。フラットな会話が自然に生まれる。安全安心な場と呼ばれるものだ。だからこの場でしか味わえないものが見つかる。お互いのバックグラウンドを知り合うのにこれ以上の場はない。
 
この話を聴いた知り合いから「三宅さん、何だか仕事と趣味を一緒にやってますよね・・・」こんなふうに言われたことがあった。その言葉をきいてうれしい気持ちになった。仕事と趣味が混同しているなんて一見不真面目にやっている感じがするかもしれない。なのにうれしい。なぜか。
 
自分が大好きな焚き火と生業のセッションをドッキングさせる。「そんなの意味があるの?」「ビジネスに関係あるの?」フツー的にはそう言われそうなもの。突拍子もないことを妄想し具体化する。自分が本当につくりたかった場を自分が思うようにカタチにする。サラリーマン時代から妄想の連続だった。でもいろんなしがらみで前に進まないことばかり。でも今は自由だ。自分がやると決めたら何でもできる。思い立ったらすぐ行動に移せる。もちろん描く生業の未来にもこの路線がある。
 
セッションも本気、焚き火も本気。仕事も遊びも常に本気モード。中途半端なんてなし。これが基本スタンス。本気でやるからたのしい。誰かに言われたからやるとかそういう世界はまったくのゼロ。そんな起業家だけが創れる景色がある。
 

公私混同なある一日


 
仕事柄、土日がフル稼働。というわけで月曜日が定休日になる。床屋と同じだ。日曜の仕事が終わると山のオフィスに移動する。そこで平日を過ごす。このところのスタンダードな日程だ。
 
以前は月曜に引っかけて焚き火に出かけた。その日はトレーラーハウスに泊まった。冬場の利用として前から試してみたかったからだ。思った以上に快適。これはこれからいろいろと使えるな!とニンマリした。もちろん焚き火、焚き火料理、お酒のセットははずせない。翌日は近隣の温泉に浸かってさっぱり。ほっとひと息ついた。
 
月火という平日。車はまったく混んでいない。渋滞ストレスもゼロ。一日目昼過ぎに出ても夕方にはゆったり現地着。広いキャンプ場も独り占め状態だった。静かに焚き火をみながら夜を過ごすことができる。温泉も広々ゆったり浸かることができる。サラリーマン時代、週末の人混みの中行ったり来たりしていたときとは雲泥の差。こんな場所の平日がどんな雰囲気なのかを知るだけでも視野が広がる。
 
こんな話をすると一見あそびに見えるだろう。でも実は仕事も兼ねていたりする。こうした体験を生かし野外合宿を始めている。こうした施設ではどんな環境でサービスをしているのか?また冬場の焚き火イベントはどういう形がいいか?リサーチやアイデア出しに使った。周辺の環境や現地の気温は体感しないとわからない。そのあたり現場主義に徹している。
 
公私混同というとあまり良いイメージはないかもしれない。でも起業家にとっての公私混同は一般的な意味とはちょっと違う。公私混同することで生活の幅が広がるし、明日へのエネルギーが湧いてくる。だからむしろ積極的取り組む。いや取り組むとより自然体でそうしたい。
 
起業家にとっての公私混同とは仕事のあそびの垣根がないということをいう。今日はオフだから思いっきりリフレッシュしよう!というより、常日頃からリフレッシュと集中が行き来できるような生活をすることだ。フリーエージェント、自律的自由人の働き方がここにある。
 

公私混同を仲間と共有する


 
あるテーマで学び合うチームがある。いつもは事務所で定例ミーティングを行う。ある日のこと「来月は焚き火しながらやりますか!」と提案。「やりましょう」「参加します」みんなその場で二つ返事。打てば響くとはこのことを言う。
 
当日は昼前にキャンプ場の最寄り駅に集合。ローカルな駅。やわらかな日差しの中、みんなの表情がいつもより和やかだ。近所のスーパーでワイワイしながら買い出し。スーパーで立ち話している中にお互いの知らない一面を垣間見ることができる。
 
その足でキャンプ場へ。いつも隠れ家にしているとっておきの場所。平日なのでキャンプ場はがらがら。僕たちだけの贅沢なプライベート空間が広がる。全員で器材を運び出し、テントを立てていく。非日常空間で日頃やらない作業を一緒にやることでより一層の連帯感が生まれていく。
 
そしてテーマのグループミーティング。焚き火を囲むと五感が開く。神経が研ぎ澄まされて新しい発想が浮かんでくる。自然の中、開放的な会話が広がる。
 
夜はお酒を片手に焚き火を囲む。夜も更けてくる。「AさんとBさん、どっちがタイプ?」とまるで小学生トークに花が咲く。お互いに腹を抱えて笑い合う。少年時代に戻ったようなシンプルにたのしいひとときが流れる。
 
平日に仕事のことを横においてゆったりフリーなひと時を過ごす。サラリーマン時代では想像もできないことだ。もちろん終わったらすぐさま仕事モード。遊ぶときはトコトン遊ぶ。仕事に向かうときは全力投球。このメリハリと切り替えが重要。これを自律と言う。自由なだけではNG。自由を得るには自分に責任を課せないといけない。自律ができない人は起業できない。
 
「たのしかった!」「またやろうね!」そんなことを言いながらみんな家路についた。みんなきっと帰りながら戦闘モードに戻っていく。自律的自由人の集まり。フリーエージェントという働き方の醍醐味がここにある。どんどん広げていきたい。
 

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