生き方

自分軸を見つける人生振り返りの方法

自分が起業してなにをするかは一番の悩みどころだ。今までやってきたことはこんなことだから・・・、できることはこれだから・・・、そんな発想があるかもしれない。でもその前にやってほしいことがある。それが自分軸を決めることだ。自分軸があってその上にビジネスがある。本記事では自分軸を決めるベースになる人生振り返りについてまとめた。
 

文章にして書き出す

未来地図&棚卸セッションというプログラムがある。その中に「じぶんいろいろ振り返りノート」という課題がある。ひと言でいうと、これまで自分が生きてきた人生を振り返り、その時その時のことを「文章化」して書き出すものだ。
 
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小学生、中学生、高校、20代、30代と年代ごとに、ひと言で言ったらどうなるかをタイトルをつけてみた。タイトルをつけることで、その時代が今の自分に残っていることは何か?つながっていることは何かを考えることができた。何を考えていたかを思い出すことができた。転機もわかった。
 
一連の作業の中から自分が何をやりたいかがわかってきた。こんなことをする機会は自分だけではないこと。日にちを切って強制されるからこそできたと思う。
 
昔のかすかな記憶をたどるとよみがえってきた。過去の体験が今やろうとしていることにつながっているとわかった瞬間、あーそうだったんだと思った。
 
こんな内容を書く機会はまずないと思う。過去をどんどんたどっていくうちに今まで忘れていたことがだんだんと思い出されてきた。衝撃的な作業だった。
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忘れていても思い出す、あるいは違う形や色となって自分の中に残っている。その時感じた大切な何か。日々の生活の中でいつの間にか埋もれてしまった大事な自分だけの宝物。そんな何かの小さな輝きを感じた。
また時間が経ってから振り返ったときにその時には気づけなかったものが今ようやく見えたような気もした。たくさんのことを忘れていた。でも失くしたわけではなかった。心の底に眠っていた。
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振り返りノートを書いた人のコメントだ。自分のこれまでを明確にするには頭の中だけで考えていても前には進まない。まずは目に見える形にすること。それが文章化だ。考えているだけではまとまらないことも文字にすることでわかるようになる。かつ文章にすることで散らかったものをまとめることにもつながる。
 
文章にして目に見える形にすると「自分はこんなことを考えていたんだ・・・」と再確認をすることができる。その結果、自分自身と向き合い自分の原点を見つけることができる。起業は続けていけてなんぼ。自分の内面にある「根っこ」から仕事をつくっていくことが重要になる。
 
起業でなにをするかの軸決めは、自分がこれまでに生きてきた人生を文章化することから始まる。ノウハウ集めに走る前にしっかり取り組んでほしい。
 

HOWでなくWHY

「こんなものを売ってみたらどうか・・・」「こうやってやれば需要があるかもしれない・・・」「こんなアイデアがあるけどいけるんじゃないか・・・」起業しようと思ったら「どうやったらやるか」を考える。ある意味当たり前のことだろう。
 
でも実は「どうやって」の前に必要なことがある。「なぜその仕事がしたいのか?」だ。ビジネスにとって重要なことは「継続する」こと。どんな形になってもビジネスが続いていれば成功。途中でやめたら失敗だ。
 
ビジネスを継続するためには何が必要だと思いますか?そのことに対する「わくわく感」と「思い」です。自分はこれまでこんな経験をしてきた。こんな人と出会ってきた。その中では挫折や苦労もあった。だからこんな人をこうしてあげたいと思う。それが「思い」だ。
 
「思い」のないところに正しいビジネスは生まれない。「思い」のある人のもとには人が集まっててくる。その人を応援してあげようという人たちだ。本当の人とのつながりはこうして成立する。
 
自由な時間がほしいから・・・サラリーマンで縛られたくないから・・・とりあえず自分で稼ぎたいから・・・今の延長線上でやればうまくいきそうだから・・・こんな気持ちだと長続きはしない。
 
道はとてもロングランだ。上がったり下がったり、くねくねした道を歩むこともある。ワインディングロードだ。収入がきびしくなるときもある。この先どうしたらいいんだろう?迷うこともたくさんある。そんなとき拠り所になるのが自分軸。自分軸をもつことで立ち返る原点になる。苦難も乗り越えていける。自分軸がなければ頓挫してしまう。
 
どうやって起業をしていこうかの前に「なぜその仕事がしたいのか?」必ず考えてみましょう。そして自分なりの答えをつくってみてください。「HOWでなくWHYからはじめる」重要な鉄則を忘れないでおこう。
 
→こちらも読まれています「自分の強みの見つけ方8つの鉄則」
 

確固たる自分軸の事例

具体的な事例を紹介したい。写真家Cさん。彼のまわりにはたくさんの人が集まる。「Cさんがいるから行きたくなる」「Cさんの写真には他にはない温かみがある」大病を乗り換えた強靭な心。どんな相手も包みこむ笑顔と優しさ。彼がその両面を持ち合わせているからだろう。
 
起業して1年目。Cさんはバイトをしなかった。多くの場合、食べていけなくて止むを得ずバイトに走る。彼はしなかった。もちろん食えてない時期もあったはずだ。でもやり切った。それは単なるカメラマンではなく、人の心を写す「写心家」になろうと心に決めていたからだ。この信念は修羅場をくぐった人にしか持てないものだろう。
 
4期Bまで進行していた血液のがん。5年生存率は35%。その治療のために通っている福島県の湯治場で偶然大きな虹に出会った。思わず小さなカメラに虹をおさめた。湯治場に来ている人に見せたらみんなの表情がパーっと明るくなった。無心で撮った1枚の写真が人を元気にする。一時は生きる希望さえ失いかけていた。自分にはできることがあると思い直すようになった・・・(中略)
 
夕刊フジ連載シリーズの「人生二毛作」にはこんな内容が書かれている。たくさんの苦難を乗り越えてきた。1枚の写真をきっかけとして自分が生きていく軸を決める。これこそ自分軸の真髄と言える。
 
起業はずっとずっと続けていけてなんぼだ。自分はこのために毎日生きている、こんな人のために役立っていきたいという想いを持ち続ける。一時の稼ぎとか名声とかそんなことではない。それを決めるのが自分軸だ。
 

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