自律した働き方

仕事のやりがいを感じた瞬間

独立して11年。サラリーマンを卒業して40代後半から50代前半を駆け抜けてきた。個別相談をしたり小さなセミナーを開催したり。場所もいろんなところを借りた。やることもコロコロ変わった。誰かが教えてくれたわけではない。見よう見まねでいろんなことをやってきた。起業当初は手探りだった。
 
その間、人と会う場を重ねていった。喫茶店の一角、レンタルオフィスの打ち合わせスペース、貸し会議室、自社事務所・・・場所も変わっていった。振り返ると1500人を超える人と会ってきたことになる。
 
起業したいという思いの裏には人生の背景がある。一人ひとりこれまでの人生を聴いてきた。普通の人生なんて一人もいなかった。紆余曲折を経て今がある。表には見せていない。でもみんな自分の中に背負いながら生きている。素晴らしいことだ。
 
2年ぶりに毎月の集まりに参加してくれたメンバーがいた。この間現業との狭間で試行錯誤をしていたとのこと。そしていよいよ踏み出すことを決心したとき、場に参加しようと思ったと話してくれた。2年もの間忘れることなくいてくれたこと。そして新たな気持ちで戻ってきてくれたこと。感謝の気持ちでいっぱいになった。
 
「最初に面談したとき、三宅さんにできる!と言われたから一歩踏み出した」活動を始めて半年のメンバーに思いもかけない言葉を掛けてもらった。そんなことを思ってくれていたことに感激した。人生を受け止める仕事。責任は大きい。どこまでのことができるかわからない。その場その場で全力で向き合うこと。それだけは忘れないでいたい。
 
資金調達の方法や会社のつくり方、事業計画書の書き方、お金を自分で稼ぐノウハウ、マーケティング、ブランディング・・・起業支援というと一見そんな仕事のように思えるかもしれない。起業には必要な技術がある。もちろんそれはレクチャーする。でもそれよりもっともっと大切なことがある。
 
人生の転機に差し掛かったとき。目の前の人が自分の中にある大事なものに気づいてもらう。踏み出していこうという背中をそっと押せること。起業支援という枠を超えた尊い仕事。そんな仕事に巡り合えたこと。そしてそれを支えてくれるメンバーのみなさんとのご縁があったこと。改めて心に留めやっていきたい。

ラジオ放送を続けてきて
起業モヤモヤ相談インターネットラジオをはじめて1年になる。毎週1回火曜朝6時、欠かすことなく続けてこれた。ひとえに番組制作と聴き手をやってくれているパートナーのおかげ。そしていつも早朝からパソコンの向こう側で熱心に聴いていただいているリスナーがいるからこそだ。
 
インターネットラジオはPodcastというメディアを使っている。当初始めるときはPodcastからアクセスを集めようとかブランディングをしようとかそんなことを考えていた。要するにビジネスとしての目的だ。その日はどのくらいの人が聴いてくれたのか、ホームページにアクセスがどのくらい集まったのかを気にしていた。そのことに一喜一憂していた。
 
起業のノウハウやハウツーを発信した方がいいのかも?どんな話をしたらリスナーの役に立つのか?どうしたらもっと目をひく企画ができるのか?よろこんでもらえるのか?いろいろと試行錯誤を重ねてきた。ユーザーに対するコンテンツ提供といった視点でいた。でも途中から考え方が変わってきた。素の自分を出すこと。パソコンの向こう側にいる一人に対してしっかりと語っていくこと。その時感じた思いをちゃんと伝えること。やがて方針がかたまっていった。
 
1年やってきた結果行き着いたこと。それはたくさんのリスナーを集めることが目的ではなくなったこと。毎回この番組を聴いていただけるリスナーが一人でもいるのなら続けていきたいと。僕のまとまりのない話がその人のために何かのきっかけになればといいと。そしてそれがその人の背中を押せることにつながればと。一人の人の背中を押せるなんてこんな素晴らしいことはない。
 
人には節目節目決断すべきときがある。一歩踏み出したいときがある。でもなかなか一人では前に進めなかったりする。そんな時、目の前の人の背中をそっと押せる存在であること。これほど尊いことはない。これからも背中を押されるきっかけをつくる場づくりを続けていきたい。

まず最初の一歩を踏み出すお手軽講座