ギグエコノミーという言葉をきいたことがあるだろうか?先日の日経MJ紙面で初めて知った。アメリカでは既にメディアで頻繁に取り上げられているものとのこと。企業で働くサラリーマンに対し、フリーランスで働く人たちがつくり上げている経済のことを指す。本記事にはギグエコノミーの要点から新しい働き方のヒントをまとめた。
終身雇用でなく「ギグ(単発または短期の仕事)」を基盤としたギグ・エコノミーでの成功とは、職を見つけることではなく、方向性が定まりバランスの取れた人生を送ること、そして目標に近づく助けとなる仕事をすることである。それには新しいマインドセット、独自のスキル、最新のツールが必要となる。最初に自分がどのような働き方を望むのか、イメージを固めることが大切だ。(日経ビジネスオンラインより引用)
こんな定義がされている。そしてギグエコノミーが成功するためには以下10の成功法則があると書かれている。法則タイトルだけを見て、これからの時代へ向けた新しい働き方の選択肢について一考してみた。
みずからの成功を定義する
「伝統的な価値観にこだわらずに、自分なりの成功を思い描く」価値観は人それぞれ。時代の変化ともに多様化していく。いつまでも同じことにこだわっていてもしょうがない。自分がどうなりたいかが根っこ。他人から成功と言われても意味がない。常に見つめ日々行動していこう。
働く場を分散させる
「チャンスを増やし、スキルをみがき、人脈を広げることができる仕事の組み合わせを見つける」同じ場所、同じメンツで仕事をしていると同質化して新しいものは生まれない。日々情報発信し必要な知識を身につける。大切なことは大好きなことにフォーカスすること。でないと続かない。仕事は組み合わせでできるもの。やわらかアタマで発想しよう。
生活保障を設計する
「正社員でも失業しかねない時代に、収入確保策・出口戦略・セーフティネットの組み立て方を学ぶ」まさか自分にそんなことは起こらないだろう・・・そう思っていたら現状のまま。いきなり失業なんてないかもしれない。ただ精神的に社内失業なんていくらでもある。そうなったときに慌てないで済むよう今から土台づくりをしていこう。
ネットワーキングをせずに人脈をつくる
「人脈づくりはインバウンド型とアウトバウンド型のどちらが自分に合っているかを見きわめ、うまく頼り合える関係を目指す」意図的につくられた人脈なんてその場かぎりのものでしかない。「この人は」という人とつながる。常日頃接点はなくてもいい。でも何かあったら助け合える。そんなつながりを大事にしよう。
リスクを軽減して不安に立ち向かう
「尻込みしている根本原因を見据えて対応可能なリスクに分割し、解消に向けたアクションプランを立てる」人は何かはじめようとするとき不安を感じる。その不安の原因は何なのかをまず書き出してみる。書き出すことで明確にする。あとは自分が進みたいスケジュールに合わせて分解していこう。
仕事(ギグ)の合間に休みを取る
「ギグ・エコノミーで増える休みを計画的かつ有意義に過ごす」仕事の遊びに境目はない。今やっていることは仕事であり遊びでもある。義務感でやっているものは排除していく。毎日没頭できることを見つけよう。家族と共有しよう。それがしあわせにつながる。
時間への意識を高める
「マネジャー式スケジュールとクリエイター式スケジュールのどちらが自分に向いているか判断し、優先事項に時間を使えるようカレンダーをつくり替える」時間は有限だ。誰にとっても同じ24時間。うまく使えるか否かで人生の質が変わる。時間意識を持とう。一方で時間に縛られないことが豊かさを広げていく。
柔軟性のある家計を組み立てる
「けちけち式の資金繰りから抜け出し、経済的に柔軟で安定した生活を手に入れる」お金は家計がまわるか否かに視点を置く。それ以上でもそれ以下でもない。儲けるためにではなく生活を円滑にまわすための稼ぐ仕組みをつくろう。
所有からアクセスに切り替える
「欲しいものを所有するのは時代遅れ。使いたいものにアクセスしマイホームを含めて借金を避けて自由度を高める」本当に必要なものは何なのか?自分の人生を豊かにするものか何か?モノの豊かさからココロの豊かさにシフトしていこう。
老後の資金を貯める
「伝統的な退職は忘れて、自分に合った引退の仕方を考える」何歳までどうありたいのか?それを決めるのはあくまで自分自身。周囲の誰かが決めることではない。いくつになってもワクワクする。そんな働き方を選んでいこう。
まとめ
個人としては、旅行や家族との時間、好きな場所で仕事をするといったライフスタイルを具体化する働き方になる。一方企業にとっては、プロジェクトに必要な能力を必要な時間だけ活用できる。仕事の質を上げると同時に人件費も削減できる。双方にメリットがあるわけだ。
「ギグ(gig)」とは、元々はジャズやロックなどで、それほど親しいわけではないミュージシャン同士が、音合わせを兼ねて、その場限りの演奏(単発ライブ)を試しにやってみることを意味し、それが転用されて「単発の仕事」という意味で広く使われるようになった(金融情報サイトiFinanceより引用)
それほど親しくない人が音合わせを兼ねてライブを試しにやってみる。素晴らしい表現だ。単発の仕事ではなく、一人ひとりが持ち合わせる専門性を掛け合わせる。ライブのように臨場感のある空気の中にいたい。
仕事をする場所を固定化するなんてナンセンス。通勤ほど無駄な労力を消耗するものはない。同じ環境から新しいアイデアは生まれない。柔軟性をもってどこでも仕事ができる環境づくりに適応していこう。
自分が今いるポジションを守るためだけの意味のない社内での保身政治。誰に向いて仕事をしているのかわからなくなる環境。会社の常識は世の中の非常識。そんな古臭いものは一刻も早く葬り去った方がいい。
アメリカでは成人人口の3分の1がこうした仕事をし2020年には50%がフリーランスとして働く予想があるそうだ。別に欧米かぶれになるわけではないが、日本にもこうした自由でオープンは発想が広がる世界をつくっていきたいと思う。