これからの時代、一つの潮流になる働き方がある。それが身の丈ビジネスだ。身の丈とは自分の身ひとつでできる範囲のビジネスのことを言う。敢えて大きくすることなく、自分と家族が食べていける範囲を守っていく。本記事では身の丈ビジネスの魅力をまとめた。
自分一人でできる量を超えてきたので従業員を入れたい。もっと中心部に進出して事務所を大きくしたい。次のステージへ向けて資金調達して規模を拡大したい。事業を始めたら誰もが一度は思うことだ。こういう方向へ事を進めると売上利益ありきになってくる。
従業員を増やすと払う給料が増える。事務所を大きくすると家賃の支払いが増える。事務所内の置く什器も増えるし買い替えが発生する。資金調達すると借金が増える。その結果、毎月の支払いが増える。支払いをこなすために利益がどうなるかだけに必死になるようになる。
利益ばかりに意識がいき始めると肝心のお客さまに対する対応力が落ちてくる。お客さまよりお金が大事になるからだ。最後には毎月毎月支払いに追われ、自分がいったい何のために仕事をしているのか?起業したのかさえもわからなくなる。
お客さまから直接ありがとうと言ってもらえる商売がしたかったのに。自分が毎日やりがいを持ってやりたいことでワクワクするのが目的だったのに。毎日眉間にしわを寄せていったい何をしているのだろう・・・まさに本末転倒状態だ。
そうならないようにするのに必要なことは何か?自分が起業してどうなりたいのかの原点をしっかりと持っておくこと。節目節目で原点に立ち返る。そして原点から外れるようなことはしない。そのことを肝に銘じておくことだ。
店舗も元手も特別なスキルも何も要らない。身ひとつでできること。「こんなものが仕事になるなんて」と驚くようなもの。そこにあるニーズをしっかり掘り起こし、丁寧に組み立てることで商売として成立する。世の中の人が見落としているものに目を向ける。
それが身の丈ビジネスのつくり方だ。これからの時代、大きく構えてたくさんの人に訴求するビジネスには陰りが見えてくるだろう。スモールイズビューティフル。まさにそんな時代がやってくる。大きなものだけに目を向ける前に目の前にある小さなものを大切にしよう。