一人商い・身の丈起業モヤモヤ解決の専門家|天職デザイナー三宅哲之プロフィール|2014年10月取材記事

「誰にでも天職は見つかる」と語る天職デザイナー

「自分にとって本当の天職とは何なのか」という命題に対し、明確に答えを提示できる人は少ないはずです。多くの人がどんな形であれ我慢を強いられ、一生今の仕事を続けていくという現実に悩みや葛藤を抱えています。

「起業家育成業」を事業とするフリーエージェントインク株式会社の代表・三宅哲之さんは、「天職デザイナー」として多くの人を起業へと導いてきました。

起業コンサルタントという存在は数多く存在しますが、三宅さんが他のコンサルタントと一線を画すのは、「独立を考えていても、何をすればいいか分からない」という段階から、実際に起業して軌道に乗るまでを一貫してサポートする点にあります。

三宅さんが手掛ける活動は、個人相談から起業コミュニティや起業家育成ハイブリッドキャリアスクールプログラムなど多岐にわたります。

三宅さんの元へ相談に訪れる人は、「独立したいが何をすればいいか分からない」という人から、「漠然と起業を考えている」「起業することまで決めていないが、このままでいいのかと思っている」という人までさまざま。

相談者の話に全力で耳を傾け、どんな方向で起業すればいいのかを共に考えていきます。

三宅さんはその作業を「じぶん未来地図&棚卸し」と呼びます。具体的には、好きなこと、ワクワクすることを軸に、人生の中で「楽しかった出来事」と「苦労した出来事」を聴き出し、そう感じた理由や背景を答えてもらいます。

その中に、三宅さんはその人にとっての「天職」が隠されているといいます。

「だれにでも天職は見つかる」と断言する三宅さん。日本は他者の失敗に厳しく、挑戦することを決断するには勇気が必要です。

しかし、仕事面で現状に「もやもや」を抱えているならば、「転職」だけでなく自分の「天職」を創りだすことができる「起業」という道があることを多くの人に知ってもらいたいと話す三宅さん。

「起業」にはリスクを伴いハードルが高いものと想像しがちですが、やり方次第でハードルを低くすることもできます。

「起業」という選択肢を、「転職」と同じステージに上げていきたいという三宅さんは、他者の「天職」を創造する「天職デザイナー」として活躍の幅を広げています。

ジェットコースターのような浮き沈みを経験した自身のサラリーマン時代

今では指導する立場にある三宅さんですが、自身も23年間、サラリーマンとして勤務していた経歴があります。

大手企業に勤めていた当時は俗にいうエリートコースに乗り、幹部候補生に選ばれるほど。しかし、本人曰く「半沢直樹のような行動」に出たことで、左遷、パワハラに遭うなど、一転して組織の負の側面を味わいます。

精神的にも追い込まれた三宅さんは、22年勤務した会社を退職。心機一転、立ち上げメンバーとしてベンチャー起業に携わりますが、ここでもリーマンショックによって会社が3カ月で倒産という憂き目を見ます。

この頃から、会社任せの人生に疑問を抱き、転職しながらも独立の準備を進めていたそうです。

このように、サラリーマンとしてもジェットコースターのような人生を経験してきた三宅さんは、勤めながら独立を考える人の気持ちを誰よりも理解することができます。

また、起業への心構えや準備に対し、経験則に基づく貴重なアドバイスが可能になりました。

事実、独立後の三宅さんは準備が不足して安定的な収入が得られず、二度としたくないというほどの苦労を味わったそうです。

そんな苦い経験をしてほしくないとの思いから、起業塾やスクールなどで使用しているプログラムを作り上げました。現在は「スモールビジネスを創る」をキーワードに、リスクを抱え込み過ぎない起業方法に注力しています。

元刑事の男性は、三宅さんとの「棚卸しセッション」によって「人前で話すこと」が好きだと発見。そこに経験を掛け合わせ、「嘘の見抜き方」という切り口でセミナーや講演活動を展開したところ、起業わずか2年でメディアにも出演するほど有名に。

このように、従来の職種にとらわれず、自分の好きなことで新たな仕事を創出していく方法も三宅さんが手掛けるコンサルティングの特徴と言えます。

毎日がたのしいと思えていますか?

三宅さんは自身の元から巣立っていった卒業生が増えるにつれ、定期的に集まり営業会議のような懇親会を開催しています。

その理由も、起業後の経営者が孤独であり、また、自己コントロールが難しく相談相手もいないという背景があります。そこで、同じ境遇の起業仲間に自分のことを話し、互いにプレッシャーをかけながらも親睦を深めていけることに大きな意味が見出せます。

ビジネス面だけでなく、人としての繋がりを意識した「仲間」は今後も増えていくでしょう。その中心には、もちろん三宅さんの存在があります。

「心からたのしいと思える仕事」。それこそが天職だと考える三宅さん。

起業を視野に入れた人の天職探しをサポートすると共に、この記事を読むあなたにも「毎日がたのしいと思えていますか?」と核心的な問いを発します。

(取材年月2014年10月/マイベストプロ)