会社員と並行して、自分がやりたいこと、好きなことをシゴトにしていく複業。その実践者の体験談をインタビューしました。今回は38歳で複業を実践する櫻井誠一郎さんの登場です。ぜひ聴いてくださいね。
きっかけはマイナス現実逃避からはじまった
三宅:軽く自己紹介をお願いします。
櫻井誠一郎さん(以下敬称略):櫻井誠一郎です。38歳です。大阪出身で中学校一年から28歳まで約15年間、陸上競技の短距離100メートルを本格的に人生をかけてやっていました。現業は物流業の仕事でフォークリフトで荷物の運搬作業や棚に出し入れしたり、手作業で荷物の仕分けとかしながら、複業をメインにするように日々励んでいます。
三宅:複業としてやっていらっしゃる仕事はどんなことですか?
櫻井:「オトナかけっこ」という陸上短距離の大人のかけっこ版というのをやっています。基本的には走って自分に自信をつけて自分のことを好きになるというコンセプトを基に、自分を自己成長、磨いていくサポートをやっています。
三宅:「オトナかけっこ」とはなかなかキャッチーなネーミングですね。「オトナかけっこ」を今の仕事の傍らでやっていこうと思ったキッカケはどんなことですか?
櫻井:初めは現実逃避からが始まりでした。働いている仕事が本当に嫌で嫌でその苦痛から逃れるために行動を起こしました。本屋さんに行って何もかも嫌になった時に読む本みたいなものが目にパっと留まりました。
そういう時は自分の好きなことをしましょうというようなことが書いてあり、始めは軽い感じで趣味からでもいいです、趣味とか音楽、映画とかそういうのをどんどん読んでいったら、今度は好きなことを仕事にしましょうという本にたどり着きました。
自分の好きな仕事はなんだろう、自分がやりたいことは「陸上」とわかっていたのですが、それは無理だろうと自分の中で思い込ませていて、でも気になっていて、ずっとずっと読んでいったら好きなことで起業するみたいなキーワードが出てきて、そういうのを読んでいくと、もしかしたらできるのではないかなと。
好きなことで起業、もう一度人生を輝かせることができる
三宅さんの「絶対成功 好きなことで起業できる」を本屋で見た時にすごく感情が高まりました。ぶっちゃけ中身も見ずにタイトル見ただけで買いにいきました。もう一回自分の人生輝かせることができる、これだと思って。
初めはネガティブでしたが、趣味から始まってだんだんとキーワードで自分の好きなことで仕事、起業と広がっていきそのようになっていきました。マイナスから入ったけど、自分の好きなことにたどり着いたという感じです。
三宅:複業を始めてどのくらいの期間になりますか?
櫻井:5年になります。FAAに入ったのが6年ぐらい前で、お客さまから報酬をいただいたのは5年ぐらい前からになります。
土日はずっぽり複業活動に充てる
三宅:複数の仕事を現業の傍らでやるとなると、時間をつくり出すのが難しいとみんながぶち当たる壁だと思いますが、そのあたり櫻井さんはどんなふうにして時間をつくっていますか?
櫻井:基本的に月曜から金曜までは仕事で、終わった後平日の夜とか、土日はほとんど複業に時間を使っています。残業とか多い時期もあったのでそういう時は割り切って平日は1、2時間ぐらいを複業に充てて土日に10時間ぐらい使ったりして、何とかやっていました。
仲間や友人の頑張っている姿から自分を鼓舞してきた
三宅:5年間ずっとやり続けてくる中でやる気が上下したりするのかなと思いますが、モチベーションではどんな工夫をしてきましたか?
櫻井:FAAというコミュニティに入って、自分の好きなことをシゴトにするという仲間たちがSNSで自分のシゴトや好きなことをアップして頑張っている姿を見て、自分ももっと頑張ろうと思ってきました。
中学校から社会人までずっと陸上をやってきた中で、SNSでそういう陸上部の人とつながりがあり、僕より速い人たちがたくさんいて試合でも一歩二歩先を行って、いつもうらやましいなと思っていました。
そういう人たちにいつか「オトナかけっこ」で成功して、自分は競技ではそこまでいけなかったけど、別の道「オトナかけっこ」という舞台でみんなと肩を並べたぞみたいなイメージをつくり、モチベーションを上げている感じです。あとはビジネス書や自己啓発系の本を読んで自分を鼓舞しています。
仕事をしながらも頭の中はやりたいことで一杯
三宅:ご飯を食べるための仕事とやりたいシゴトのバランスはどのようにしてきましたか?
櫻井:現業は普通に平日仕事をして、休みの日にほぼ複業に費やしているという感じです。現業の仕事をしているときも、頭の中は「オトナかけっこ」のことを考えたりとか陸上のことをずっと考えています。むしろ仕事中たまに単純な作業をやっているときは、頭の中はずっと走っていたり、自分で好きなことをやって興奮しています。そうやってモチベーションをずっと保っています。
自分がやっているコンセプト、方向性でいいのか悩んできた
三宅:ずっと頑張ってやってこられたわけですが、苦労したことはありますか?
櫻井:現業の仕事をしていて、残業や仕事でミスしたときにやる気がなくなったり、複業の方もやる気がなくなったり成果が出なかったり、自分のやっている方向性やコンセプトは果たして合っているのかなとすごく悩んだりしていました。
みんながやっているやり方のほうがいいのかなとか、自分が好きになるとか、自信がつくとか僕のコンセプトは理想ではないかと。例えば、陸上のコーチやパーソナルトレーナーが筋トレしてダイエットして走って速くなることは目に見える成果です。そこだとお客さんもわかりやすいからその人のプロフィールなどをみてそこに行ったりします。僕の場合はどちらかというと刺さる人には刺さるけど、刺さらない人には全然刺さらないような気がしていました。
でも最近は自分が好きになることや自信になることがしっくりきています。始めはどうなのかなと思っていましたが、今は結構それでやっていきたいという思いがあり、ドキドキ、ワクワクしています。お客さんが来てくれてそこで初めて僕のコンセプトを共感してくれた人に対して陸上のトレーニングのノウハウスキルなど、こういうふうなトレーニングしたらもっと速くなるよと教えたいと思っています。
自分の素直な気持ちを受け止めることで次ステージが見えてくる
三宅:話は変わりますが、新型コロナが蔓延して結構長いですが、コロナ的と後で櫻井さんの周りで変化が起こったことはありますか?
櫻井:コロナ禍の3月、4月2ヶ月間は自分と向き合いました。複業やっている人はユーチューブとか一気に始めていて、SNSでもユーチューブやりましたとか、ZOOMやオンラインなどみんなこぞってそちらにいって、僕もちょこちょこやっていましたが、それよりも音楽聴いたり、本やマンガ読んだり、映画やドラマを観たり自分の好きなことをやっていました。
それで自分の感性を磨いたというか、笑ったり、喜んだり、泣いたりとかそういう感情をいっぱいあぶり出したら、すごく素直になってひとつ大事なことに気づいたのです。
「オトナかけっこ」をやっているのですが、実はそんなにやりたくなかったのです。なんでやりたくないのかと自分を深堀していったら、やっているときは教えて楽しいと思うのですが、お客さんが僕より速くなってほしくないと思っていたことがわかりました。
FAAに入った時に三宅さんに「陸上で起業したいです。トップアスリートを育てたいです」と言ったと思います。その時はなんで抵抗ないかというとすでに競技で目指す人だから、僕より速い人を教えるから初めから僕より速い人を教えるから抵抗はなかったのです。
「オトナかけっこ」に来る人は運動が苦手だったり、足が遅いのでちょっときて自信をつけるために足が速くなりたいとかそんな感じです。「櫻井さん、試合で○○秒出たんです」とメールが来てお客さんが速くなるのはうれしいのですが、一方でタイムを見て自分より遅いなと安心する自分がいるんです。
これが自分より速かったらすごく悔しいと思うんです。この感情を今は大事にしていたいな、それを受け止めたらまた違う自分が出て来るなと思っています。「オトナかけっこ」は今後もやりますが、まずこの気持ちをすごく大事にして、素直にお客さんが自分よりも速くなってほしくないということを承認しようと思って、そしたら気持ちがすーっと楽になりました。
今まで「オトナかけっこ」でずっとやっていくと言っていましたが、ちょっと苦しかったんです。何で苦しいかわからなかったんです。でも速くなってほしくないってわかったんです。ダメかもしれないけどこの気持ちすごく大事だなと。
これを乗り超えたらもしかしたら自分より速くなってほしいという気持ちに切り替わるかもしれない。もしこの気持ちを知っていたらもっと「オトナかけっこ」を早く成功していたかもしれない。そんなことをコロナ禍がキッカケで知ってよかったなと思っています。
執筆という新たなたのしさに気づいた
また執筆がすごく楽しいなと思っていて、こういうトレーニングしたら速くなる筋肉が成長するなどを伝えるのもいいのですが、自分の思想みたいなものを伝えられるってすごくいいなと思って。
読んでくれた人が櫻井さんはこういう考え方で運動とかトレーニングに向き合っているんだと共感してくれて、また2冊、3冊と著書を出して、それを買ってくれたらうれしいなと思いながらいつも執筆に励んでいます。
同じ志の仲間と出会い、未来を語り合うことに興奮する
三宅:素直な自分の気持ちということですね。では複業をやってきて得たことはどんなことですか?
櫻井:複業をやるぞと決めて、FAAというコミュニティに入りました。身の丈に合ったシゴトや自分サイズのしあわせというのがすごく響きました。コミュニティと仲間と出会ったことが会社員時代では絶対に得られなかったひとつ、人生ですごくいいなと思ったことです。同じような志をもった仲間と共感したり、自分のやりたいシゴト、複業を未来に向かって語り合うというのが興奮してとてもうれしいし良かったなと思います。
自分のやりたいシゴトに向かっていくという新しい常識に染まっていくのがすごくたまらなくうれしいです。現役でずっと陸上をやっていたときは自分に自信をもっていましたし、自分のことを好きでした。いったんサラリーマンをやって、仕事がぜんぜんできなくて自信を失い、毎日会社に行くのがいやだなと思っていた自分がすごく嫌いでした。
FAAを知って、そこに入って、もう一回現役の時みたいに自分のことを好きになり自信つけたので、ずっと死ぬまで続けられるというのがとても幸せです。会社員だったら絶対に味わえないし得られないことです。
自分が無理なくできる範囲で心の底からシゴトにしたいことを見つける
三宅:このラジオは働き方にモヤモヤしていて、何か一歩踏み出していきたいけどどうしようかなと思っている人が聴いてくれていますが、そういう人たちに櫻井さんからメッセージを送るとすればどんなことでしょうか?
櫻井:自分が無理なくできる範囲でいいと思うので、それで心が躍るというか興奮するとか感動する、そういう心の底からシゴトがしたいと思えるようなものを複業にしてほしいなと思います。
三宅:最後にご自身のPRなどがあればお願いします。
櫻井:運動とかやりたいなっていう人がいたら僕の「オトナかけっこ」に来てほしいです。今まで運動が苦手だった、続かなかったという人でも、他の人とちょっと違った僕のやり方で、運動が好きになってほしいなと思っています。
三宅:さっき執筆という話がありましたが、最近本を出されたんですよね。どんなタイトルの本ですか?
櫻井:「運動を続ける技術」です。
三宅:そちらも気になる人は手に取っていただいてという感じですね。今日はいろいろ貴重な話をありがとうございました。
櫻井:ありがとうございました。