一人商い|身の丈起業

身の丈起業|心を動かすキャッチフレーズのつくり方

キャッチフレーズと聞いてどんなことを想像しますか?

商品をわかりやすく伝えるもの、顧客をひきつける広告、テレビCMなどで企業を印象づけるもの・・・といったところでしょうか。

個人事業をしていくには個人としての看板が必須。「◯◯のことなら自分」「◯◯と言えばあの人」◯◯になるもの、それがキャッチフレーズです。

本記事ではビジネスの軸を決めるキャッチフレーズの組み立て方について解説します。

キャッチフレーズの土台は「だれが」「どうなる」

まず土台はどうなるのでしょう?キャッチフレーズは「だれが」「どうなる」が短いフレーズで表現されたものです。

だれがは「顧客」、どうなるは「提供価値」と呼ばれるもの。提供価値は問題解決と言い換えることができます。

つまり「こんなお客さまが今抱える問題を解決してこんなふうになる」という型に落とし込むことになります。

まず最初に必要なステップは「だれが」を明確にするステップ。

「20~30代の女性」「50代以上の男性」といった漠然としたものではNG。もっと絞って具体的に顧客像を描く必要があります。

「36歳大手企業に勤めるOL。ウイークデーは残業の連続。週末はヨガに行ってリフレッシュ。毎日にながされて自分がこれからどうしたらいいかわからなくなっている・・・」

こんな感じです。そしてその人が今抱える悩みを徹底的書き出してみます。顧客像が明確でないとその人が抱える悩みはわかりません。悩みがわかっていないのに解決することはできません。

短いフレーズの意味するもの

短いフレーズで意識してほしいのが13文字以内におさめること。

なぜ13文字なのか?ヤフーニュースを知っていますよね。月間PV数が130億を超える国内で最も影響力のあるメディアの一つです。

このヤフーニュースTOPページの見出しタイトルが13文字以内で組み立てられています。京都大学の研究によると人が一度に知覚できる範囲は9~13文字程度との結果があります。読むのではなくひと目に飛び込んでくる文字数が重要です。

「”モヤモヤ”スタート、身の丈起業」。数年前、起業家育成業をしていたときのキャッチフレーズです。「モヤモヤ」「身の丈」「起業」すべて相手に伝えたいフレーズです。

仕事や人生でモヤモヤした人が身の丈起業で自分らしい人生を歩めるようになるという顧客と提供価値を盛り込んでいます。

キャッチフレーズは口コミを起こせるものまで作り込めたらベスト。名刺、チラシ、ホームページでこのフレーズを見た人が「そのことだったらあの人に相談してみたら・・・」とすぐに頭に浮かんでくるようなものであること。

「仕事でモヤモヤしているのだったら三宅さんに聴いてみたら・・・」こんな感じです。

日々たくさんの情報を目にする今。いろんなことを言っても意味がありません。

他のことはさておき、この言葉だけは頭の隅に残しておいてほしい!それを表現するのがキャッチフレーズ。一人歩きするキャッチフレーズまでいくことができたらかなり完成度は高いと言えます。

キャッチフレーズ完成型への組み立て手順

完成型をつくっていくには手順があります。

まず「だれが」「どうなる」をさらに分解して考えてみます。人が行動を起こす源泉は突き詰めると「悩み」と「欲望」の二つです。「悩み」もしくは「欲望」が解決することで価値を得る。解決策の手段として「商品サービス」があります。

この【悩み・欲望】⇒【提供価値】⇒【商品サービス】という順番が大切。

ビジネスを考えるとき、多くの場合、商品サービスのアイデア出しから入ってしまう傾向があります。そうするとビジネスとして何をやっているのかが見えなくなります。

お客さまは商品サービスにお金を払っているではありません。得られる価値にお金を払っています。誰もがやってしまう落とし穴です。

仕事や人生でモヤモヤし「このままではいけない。でもどうしたらいいの?」という悩みが解決して「自分サイズのしあわせを手に入れることができるようになる」

そのために起業家育成プログラムや起業コミュニティという商品サービスがあるという型です。

「だれが」「どうなる」を磨いていくにはコツがあります。それはいつもそのことを口に出す習慣をつけることです。

「あなたのお客さまってどんな人なの?」「で、その人はどうなるの?」

仲間と会った時お互いに質問し合います。人は質問されると考えます。自分で口に出して話すと腑に落ちます。この行動を絶えずやっているとどんどん深掘りできるようになります。

この手順を踏むために最初は長い文章でキャッチフレーズをできるだけ具体的に書いてみます。

「54歳サラリーマン。役職定年になった。ここに来て初めてがむしゃらに働いてきた自分を振り返ってみた。このまま会社人生を続けていてもいいのか?かといっていきなり独立なんてできない。どうしたらいいかモヤモヤしている・・・」

というAさんが

「ハイブリッドキャリアプログラムとFAAの人のつながりで自分サイズのしあわせをつかむ人生を手に入れる」

という感じになります。

この長い文章から余計なものをそぎ落としていきます。そぎ落とした先に本質になるものだけが残ります。それが完成型です。

まとめ|キャッチフレーズはビジネスそのもの

ひと言でキャッチフレーズといっても実はかなり奥深いもの。自分のビジネスを何度も深掘りし、そのアウトプットとして生み出されるのがキャッチフレーズ。

キャッチフレーズはビジネスそのものです。個人ビジネスを伝える看板。心してつくり込んでいってください。

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