二拠点生活

二拠点で働く暮らす|場所と時間を選ばない持ち運びができる働き方|ポータブルワークができるまでの足跡

場所や時間に縛られることなく、シゴトを持ち運びできる形にして働くポータブルワーク。自分の中に確立するまでには試行錯誤があった。

その時その時、どんな心境で何を選択し実践していたのか?過去記事を編集してこれまで足跡をまとめてみた。自分らしい働き方生き方を志向する人のお役に立てたら幸いだ。

森の暮らしづくり(2023.3)


いきなりだが、今どういう状態にあるのかを簡単に紹介する。長野の森に拠点フィールドを開拓している最中にある。働き方、生き方に迷った人に森の開拓体験を通じてリセットしてもらいたい。その想いを具体化するためだ。

サラリーマンを23年やって46歳で独立。自宅オフィスに始まって、レンタルオフィス、マンション一室で個人オフィス、ログハウスで山オフィス、そして森のフィールド・・・

ざっくり言うとこれまで働いてきた場所の変遷。後半は山と町、森と町を行き来する二拠点で働くスタイルを続けてきた。早いもので5年以上になる。

結論から言おう。自分らしく生きていくためには、自分にとって一番快適で、力が発揮できる環境に身を置くこと。既成概念を取り払って自由な発想をもつことだ。

これまでをリセット、余計なものをそぎ落とし、シンプルに考えるというどういう答えがでるのかから考え実行に移す。動きながら次を考えていく。

ではこれまでその時点で書いていたコラムを紹介していく。最初から読んでもらってもいいし、ピンときたものだけを拾い読みしてもらってもいい。

行動に移すきっかけになればと思う。

どこでも仕事ができる環境の反対側にあるものを忘れない(2018.3)

どこでも仕事ができる環境。働き方の選択肢を広げる上で重要な要素だ。これまでも何度かコラムで取り上げてきた。どんどんやればいいのか?実はそうではない。

人間として心しておくことがある。便利になったワークスタイルの反対側にある弊害もある。

どこでも仕事の一例を挙げてみよう。メッセンジャーというツールがある。スマホに届いた都度表示される。その場にいながらリアルタイムでやりとりができる。

ちょっとした打ち合わせならメッセンジャーのやりとりでものの5分もあれば完了できる。仕事のスピード変革ともいえる例だろう。

ひと昔ならどうだっただろう?メールだけしかなかった時代。オフィスに戻ってパソコンでメールを開けないとその後のことはできなかった。

さらにその前は電話やFAX。電話ができる場所は限られている。その間は先に進まない状態だった。その頃に比べると大変な進歩だ。

ただここで注意しなければいけないことがある。それはスマホに縛られっぱなしということだ。時間効率は格段にアップした。でもその分追われることになる。

作業が簡単にこなせるから次から次へと押し寄せてくる。ゆっくり考える習慣がなくなる。休む間なんてなくなっていく。

今こうして新幹線の中でコラムを書いている。横の座席には親子らしき二人が座っている。席に座るなり二人がやっていることはひたすらスマホだ。その間会話のひとつもない。スマホが会話を閉ざしている状態だ。

いつもスマホを気にする。画面にメッセージが届いたら気になってチェックする。ちょっとでも時間があいたらスマホを見る。手持ち無沙汰になったらスマホをさわる。電車に乗ったときがまさにその典型的な光景だ。

さらに行き着くと歩きスマホの状態だ。前を歩いている人が遅いなあと思ったらほぼ歩きスマホだったりする。歩きスマホをやっていると周囲が見えなくなる。前を見ていない人と危うくぶつかりそうになったこともあるだろう。

最近空を見上げたことがあるだろうか?青空を見ようとわざわざ公園に行く必要はない。ビルの間からも空を見ることはできる。

「こうして空を見上げたなんていったいいつ以来だろう?」「空ってながれてるんだ」そんなことに気づくことができる。他愛もないことかもしれない。大切なのはここだ。スマホを覗きこむなら空を見上げてみよう。

ITのおかけで世の中は驚くほど便利になった。ただ行き過ぎになっているのも事実だ。どこでも仕事ができるはいつも機械に縛られているということだ。

たまにはスマホをしまってみよう。五感を使って心を開いてみよう。もともと人間がもつ感性を失わないこと。今の時代だからこそ忘れてはいけない。

いつでもどこでも仕事ができる環境を身近に感じよう(2018.4)

日々配信しているWEBラジオの中に1週間を振り返るコーナーがある。手帳を見ながら先週自分が何をしていたかを思い出す。コーナーは毎回定例になっている。

いい意味で強制力があるのがいい。こうしたものでもないと毎週毎週自分の行動を振り返るなんてするはずがない。有難い話だ。

このところ週の半分は山のオフィスにいる。先週は出張などがあったこともあり2日間滞在した。スカイプで個別セッション、ZOOMでミーティング・・・見返すとそういう仕事の仕方ばかりが目につく。

誰かとやりとりするのはWEBを介してほとんど。それ以外は自宅か山のオフィスで作業をしていた。

このやり方に移行しはじめてまだ1ヶ月程度。でもその効果は出ている。かなり集中してできることを実感している。必ずしもわざわざ会いに行かなくてもWEBを使えば顔合わせもできる。

定期的にやりとりしていればご無沙汰感もなくなってしまう。むしろ近くにいる人よりよく会っているような感覚になる。

相手と会うとなると前もって予定を入れないといけない。会う場所までわざわざ行かないといけない。仮に90分程度の打合せなら前後の時間を入れて3時間以上は拘束されるだろう

。電車移動なら労力と費用も掛かる。これがWEBなら打合せをする正味の時間でいい。電車に乗る必要もない。

あるメンバーとの打合せはお昼前に行った。相手はサラリーマン、その時間は就業中だ。仕事の合間をぬってカフェから30分ZOOMを行った。

就業時間内であってもメリハリをつけて時間を決めてやるのならアリな方法ではないだろうか?働き方の多様性はこんな小さなところから始まる。もちろん本業に支障をきたすようなものは御法度だ。

実際に会わないでいいと言っているのではない。リアルで会うことに勝るものはない。相手によりそれなりの頻度で直接会う機会はつくりたい。

それ以外の場をWEB利用に切り替えていく。それだけでどれだけ今までやっていたことにムダがあったがわかるようになる。

ZOOMだスカイプだといってもサラリーマンには無縁のものかもしれない。それは会社の仕事で使う場面がないからだ。

これからはこうしたツールを普通に会社でも使うように変えていきたい。「こんなに便利になるの」きっと驚くことだろう。いつでもどこでも仕事ができるはもう身近な存在になっている。従来発想を取り払おう。

山オフィスで実感するテレワークの醍醐味|スタート1ヶ月後の所感(2018.4)

山オフィスを構えて1ヶ月半になる。

まだまだ始まったばかり。この場所をつくったのは自分が好きな場所で質の高い仕事ができることを自ら実践したい思いがあったからだ。本記事ではスタート1ヶ月半の心境をまとめてみた。

山オフィスでは月のうち半分程度を過ごしている。今回は連休前ということもあり長期で滞在中だ。その間仕事は何ら支障なく動いている。

集中タイムは午前中。早朝に起きてラジオ収録やセッション、事務作業。外で朝食をとってその後もパソコン仕事を続ける。

午後からは山仕事に入る。裏山の斜面を削って新たなフィールドをつくろうと模索している。これという明確なものに向けて動いているわけではない。

その日に思いつくまま地面を掘りならしていく。その繰り返しだ。最近入手したチェーンソーも作業にたのしさをプラスしてくれている。

この間は作業に没頭する。まさに頭の中はからっぽだ。ひたすらスコップで土を掘り運びならしていく。倒木をチェーンソーで切り薪にする。気がつけば夕方、そんな感じになる。太陽の傾き加減に時間を感じる。

夜は曜日によってゼミを開催する。会員さんとのやりとりの場だ。これも全てオンライン。WEB会議システムがあれば相手の表情や声色を見ながら対話できる。

何ら問題はない。むしろオンラインを基本にすることでリアルで会うときに価値が上がるような気がしている。

日中は人の姿を見ない。外に出ると風のそよぐ音と小鳥のさえずりしか聞こえない。車も通らないので空気は澄んでいる。あるのはただ自然と静寂。これまで生きてきた中で味わったことのない感覚だ。

テレビは敢えて置いていない。あるのはラジオのみ。そのことで情報への感度が上がったように思う。都会に住んであふれかえる情報を受けるよりこの方が心地よい。

ぼーと景色を眺めてみる。空の青さを感じる。新緑の美しさに目を奪われる。たった1週間の間に木々の緑は一変する。自然の営みを肌で感じる瞬間だ。

こうした環境の中に身を置くと自分の内側がきれいになっていく。すーっと心地よく酸素が入ってきて脳を活性化するような感じだ。人間が本来もつ感性が研ぎ澄まされていくような気持ちになる。

今もこうして裏山を見ながらコラムを書いている。周囲は新緑と澄んだ空気が満載だ。これが事務所のデスクだとどうなるだろう?

雑踏の中、人を押し分けて事務所に着く。スマホ中毒になりながら電車の吊り広告やあらゆる情報を受け、たくさんの人の中で作業をする。

僕自身サラリーマンを23年やり、その後独立してそんな生活を8年繰り返してきた。30年以上もの長い期間だ。その経験をふまえ今こうした環境での仕事の仕方に変えていこうとしている。

決して否定するつもりはないが、みんなまだまだ知らないことが多いのではないだろうか。

質の高い仕事をするにはどうしたらいいのか?まだまだ実践試行錯誤の段階だが少し方向性が見えてきた感じがする。

働き方の多様化とは何か?それを具体的に実践するにはどうしたらいいのか?このレポートは今後も継続的にしていきたいと考えている。

アウトドアオフィスがつくる新しい働き方~
テントワーカーの事例より(2018.6)

場所や時間を選ばない。できるだけ自由な発想ができる環境で仕事をする。これからの働き方をつくる上で重要なインフラだ。

自然の中で働くとどんな効用があるのか。日経MJ(2018.5.23)で取り上げられたテントワーカーの事例を交えながらまとめた。

「地べたに座るとなんか落ち着く」「靴を脱ぐだけでもリラックスできる」「ラフにディスカッションするときに最適」「薄い幕1枚の中にいると何だか一体感が出る」「堅苦しくなく自由に意見が言える」「来客対応に使ったら滞在時間が2時間も延びた」

会社の中にテントを立てて、専用スピーカーで鳥のさえずりや川のせせらぎの音を流す。テントミーティングをやった人のコメントだ。こうした人をテントワーカーとして取り上げている。まさにその通りだと思う。

山のオフィスを立ち上げて以来、自然の中で働くことの効用は身をもって体験している。風のそよぐ音、小鳥のさえずり、木々の揺れる音。それ以外に雑音は一切なし。

緑の葉っぱが目に入る。見渡す山並みに心が開く。ずっと張り付くのではなく休憩時間は土を触りにおいを嗅ぐ。自然環境に身を置くと五感が研ぎ澄まされてくるのが実感できる。

五感が研ぎ澄まされると脳みその働きが変わる。常日頃使っていないアタマの部分が動いているのがわかる。こうしたことが発想力を高めるのだろう。

会議や打ち合わせはたのしくやるもの。そのためには環境が大切。「何だか仕事がはかどらない・・・」「煮詰まってアイデアが浮かんでこない・・・」そんなものはここでは皆無だ。

何より文字通り自然体なのがいい。心がフラットで雑念がないので集中力が高まる。コンクリートジャングルでパソコンに囲まれていると無意識のうちに枠の中にはめ込まれた感じになる。それでは五感なんて働くすべもない。

これからの働き方は会社のオフィスに留まることなく、いろんな場所を活用することだ。とりわけアウトドアに飛び出す。事例にあったような疑似空間もあっていい。やはり一番は本当の自然の中に出ること。これに勝るものはない。

自然環境の中で人間は本来持っているはずの本能を取り戻す。通勤電車やITに振り回される毎日をリセットしてみよう。

アウトドアオフィスはこれからの働き方を広げていく一つのキーワード。自ら実践検証し続けていきたい。

自律的自由人に事務所は不要!場所を選ばない仕事をしよう(2018.7)

起業したら会社をつくって事務所を構える。そんな頭になっていないだろうか?立派なオフィスを都心に構えたいと思っていないだろうか?

一度リセットしてみよう。自分でシゴトをするのに事務所は不要だ。本記事では場所を選ばない仕事の醍醐味をまとめた。

事務所を構えると家賃が必要になる。場所が中心になればなるほど家賃は高くなる。立派な建物であればあるほどお金が掛かる。

家賃は毎月の固定費だ。固定費を掛けるけど事務所自体は売上を生み出すことはない。シンプルに考えると単なるコストでしかない。

ひと昔前は都心に立派なオフィスを構える会社に通えることがステータスだった。これからの時代はそうではなくなる。

立派なオフィスを構えることより、社員の心の豊かさに重きを置く会社が増えてくる。社員の立場になったら、毎日往復2時間以上かけて満員電車で通勤することに意味はない。むしろストレスでしかない。

これだけインターネットが普及した今。通信環境とパソコン1枚さえあれば、どこにいても大概の仕事はできてしまう。通勤でわざわざ事務所に行く必要なんてない。余分な労力とストレスと時間を掛けているだけだ。

必要なことは何がその人にとってストレスフリーなのかということ。一番仕事がしやすい環境にいる方が良いに決まっている。事務所が仕事をするのではない。人が仕事をするのだから。

ある日のこと。誰もいないキャンプ場を独り占めしている。週末に来ていたお客さんが帰っていくのと入れ替わりだ。道中の渋滞もなくスムーズに来ることができた。

朝の静けさの中、ボーっと空を見上げる。きれいな空気。木々の香り。他にない脳内リフレッシュだ。考え事をするにはもってこいの場所。「今日の事務所は森の中」だ。

サラリーマンで23年間会社通いをしてきた。起業して事務所の持ち方も転々としてきた。最初は自宅をオフィスにした。

1年くらいして東京駅近くにレンタルオフィスを借りた。月額21000円。名刺に載せる住所に変なこだわりがあった。

ちなみに住所なんてどこでもOK。中心部にするなんて自分の見栄だけ。住所で商売をするなんて人なんていない。後になってわかったことだ。

半年くらいそこに居た。その後、固定費が掛かることを理由に銀座のレンタルオフィスに移転した。月額9000円くらいだったと記憶する。

そこでお客さまとの面談をやっていた。自由が利かないこと、パーテーションで仕切っただけで天井筒抜けの打合せスペースに抵抗があった。

そして自社オフィスを構えることにした。といってもマンションの一室。その後少しだけ広いところへ移転。さらに自宅近郊に移転した。起業相談、セミナー、放送局などをやっている関係で箱をもっている。

もしそういったものを別の方法でできるのならオフィスはなくていいと考えている。余分な固定費と無駄な移動時間が掛かるだけ。何より通勤に費やすエネルギーがもったいなくてしょうがない。

いろいろやってきて行き着いた結論。それは大げさな事務所なんて要らないということ。都会の人混みの中、必死になって通勤したところでいったい何が残るのだろう?

事務所を固定にするより、自由な環境でフレキシブルな仕事をする方がたのしい。自律して新しい働き方を志向するなら余分な固定概念を捨てよう。自律的自由人の事務所理論だ。

仕事するなら自宅で十分できる。たまに公園でPC1枚持って作業すれば晴れ晴れした気持ちになる。たまにはちょっと足を伸ばして自然の中に入るとか。その方が発想も広がる。

そこで構えたのが山のオフィス。こんな働き方スタイルを体現したい。起業するなら通勤ゼロの毎日。ダンゼン推奨する。(※山のオフィスはフィールド拡大のため、2021/12月で閉鎖。現在長野方面で新規フィールド開拓中)

場所を選ばない仕事スタイルの実践~働き方の多様化(2019.1)

今、働き方の選択肢は増えている。場所や時間を選ぶことなくどこにいても仕事はできる。世の中ではテレワークなどといって取り沙汰されている。

その本質とは何か?働く場所の実体験をふまえ自分で働きたい環境をつくることの意味についてまとめた。

サラリーマンを23年やってわかったこと

新卒で大手家電メーカーに入社した。関西で14年、東京で9年勤務した。会社は梅田、新大阪、新橋、上野など都心にあった。毎日超満員の通勤電車に乗った。

会社にたどり着くともうすでに疲れていた。中堅になって以降は満員電車を避けて早朝出勤するようになった。

その後ベンチャー立ち上げに参画した。オフィスは品川駅に直結した高層ビルの中。朝は改札から高架まで通勤の人の波ができた。

一本の大きな川が流れるようだった。そんな中ビラ配りをしたこともあった。夜は深夜まで仕事をした。帰りの電車は酔っ払いだらけだった。

毎朝早く起きて電車に乗って通勤する。夜遅くまで残業をする。帰りもまた満員電車に乗って家路につく。通勤のストレス。人間関係のストレス。仕事上のストレス。ストレス満載だった。

そのときは気づいていなかった。そうすることが当たり前と思い込んでいた。でもそうではないということが後になってわかることになった。

独立後経験したさまざまな事務所形態

独立して最初は自宅で仕事をした。1年程度やって名刺に自宅住所を書くと信用がなさそうに感じるようになった。そこでレンタル住所なるものを使うようになった。お客さまとの面談はカフェを使っていた。

そのうちカフェでやっていることに不足を感じるようになった。少しは事務所っぽくしたくなったことを理由にレンタルオフィスを都心に借りた。

といっても固定のものではなく、集合型で使いたいときに出向くコワーキングスペース的なものだった。

独立して数年が経過。自分の事務所を持つことの憧れもあり、都心のワンルームマンションを賃貸した。玄関ドアには社名を貼ってそれらしくした。

自分の事務所を持ったことを誇らしく思った。1年後手狭になったことを理由に少し広めの場所に引っ越した。多くのお客さまを迎えるにいたった。

ここまでは利便性を考え全て都心のターミナルに事務所を設けた。この頃から満員電車に乗ることが苦痛になるようになった。

独立したのに電車で通勤していることに違和感を感じるようになった。自宅から自転車で通える範囲ということで事務所を住宅街に移転した。

事務所をもってわかったこと

2018年10月、事務所を解消した。今後はこれまでの固定オフィスからメインターミナルを拠点とした都内会議室をレンタルする形態に変えた。

目的は2つある。固定事務所を持たなくても仕事ができることを体現すること。本当の意味でのテレワークスタイルを実践することだ。

上述のようにこれまで長年事務所を持ち事業運営をしてきた。レンタルオフィスや固定オフィスなどさまざまなやり方を経験してきた。

その中でわかったことは固定オフィスを持たなくても仕事ができるということだった。極端に言えばオフィスは単なるステータスでしかない。

ビジネスを継続してまわしていくキモは利益を継続して出していくこと。売上を上げ経費を減らすことだ。経費の中でも固定費を極力削減することが重要になる。

事務所は固定費の中でもウエイトが高いもの。よく吟味しないといけない。

山のオフィスを準備してきた。人里離れたところでちゃんと仕事ができるのか?数ヶ月テスト的に動かしてきた。山にいながらにして都会とつながって仕事をする。

自然の中で暮らしながら仕事の質を上げていく。二拠点居住で仕事をするデュアルワークスタイルだ。

世の中にはテレワークという働き方がある。ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことを指す。

話題にはなるがどれも一部の特別な話だったり中途半端なやり方だったりする。システムとか仕組みとかそういうことではなくもっとシンプルなことだと思う。

その意味で本当のテレワーク実現にチャレンジしていく。口先だけでなく自らの手で体現していく。そのことで一人でも多くの人が場所を選ばない働き方に踏み出し、世の中の閉塞感から脱するキッカケになればいいと思っている。

夢を追い続ける先にある具体例

この写真は仲間が現在八ヶ岳でセルフビルドしているログハウスだ。東京と八ヶ岳を行き来しながら準備を重ね、山林を買い、今は現地へ移住して自分だけのフィールドを立ち上げようとしている。

彼は起業する前から自分だけのキャンプ場をつくると公言してきた。「そんなこと本当にできるの?」「夢物語じゃないの?」周囲にはそんなことを言われた。でもそれを今まさに体現している。

同じく別のメンバーは山梨で空き家を購入しゼロからワイナリーを立ち上げた。先日世界ワインコンクールを受賞し注目を集めている。

ワインは全くの未経験分野。始めたのは50代を過ぎて。でも3年以上かけて夢の実現を果たした。まだまだ現在進行形、さらなる志へ向かって走り続けている。

そして僕自身。「将来は山の中に拠点をつくって人を呼びたいと言ってたよね?何言ってんだろう、絶対やらないと思っていた。でもやっちゃったね」子供に言われた。

そんなことを言っていたことすら忘れていた。まだまだ走り出したばかり。まさにこれからが本番だ。

・「そんなの無理」と世間が思うことにチャレンジした。
・自分がやりたい環境を自らの手で切り拓いていった。
・夢を追い続けた。

これが三者の共通点だ。二人がやっていることも新しい働き方の現在進行形だ。「自分が好きな環境にいながらにして心豊かに仕事をしていく」自分で仕事をつくっていく上ではずせないキーワードだ。

新しい働き方への共感づくり

山のオフィス周辺に人はいない。ただ聞こえてくるのは鳥の声と風がそよぐ音。騒音なんて縁遠いものになった。

「ここにいると余分なことを考えなくなるね。周囲に気を遣わなくてもいいし。家にいたら日々煩悩状態だよ」先日ここに数日間滞在した社会人3年目の娘は言った。衣食住。人間の基本に立ち返るシンプルな生活になる。

これからの時代、ますます働き方は多様化する。従来型の考え方に縛られていてはいけない。ビジネスをするのに事務所を持たないといけないという固定概念は捨てよう。都会にいないと仕事はできない。これも単なる思い込みでしかない。

「そんなこと言ってほんとにそれで仕事がまわるの?」という疑問もあるだろう。仲間の事例や僕自身が自ら体現することで共感してくれる人の働き方の選択肢を増やしていきたい。働き方を見直し一緒に新しい未来をつくっていこう。

ネット活用は場所と時間を選ばない働き方の基盤(2019.7)

ネット活用は、場所と時間を選ばず相手のペースに振り回されることなく仕事をするための基盤になる。ネット活用と自由な働き方という視点でまとめた。

なぜネット活用が必要なのか?ホームページ集客がビジネスの安定基盤をつくるからだ。これに加え、最近新たに感じようになったことがある。

それが場所と時間に縛られることなく自分のペースでシゴトをするためにインターネットが必須になるということだ。

2018年春先より通称「山のオフィス」を立ち上げた。場所は都内から車で2時間。人里離れた標高700メートルの山奥にある。今のところ、月のうち半分はここを拠点としてシゴトをしている。(※山のオフィスはフィールド拡大のため、2021/12月で閉鎖。現在長野方面で新規フィールド開拓中)

そんな場所にいるから、そもそもこの場所にいながら自分から人に会いに行くなんて無理な話。リアルで会わないとなると閉ざされる。

ビジネスにはユーザーとの接点は欠かせない。となると接点強化ができるのはインターネットのみということになる。

自然の中静かな環境で心を鎮め、ユーザーにとって何が一番よろこばれることなのかを思案する。そしてそれをできるだけわかりやすい形にして日々発信する。知ってもらう。つながりをつくっていく。そんな毎日に移行しつつある。

今こうした環境に身を置くことで気づいたことがある。それは日々人と会って営業活動的なことをすることに疲れていたこと。

起業して数年は毎日のように交流会のような場に顔を出していた。何とか売上をつくろうと必死だった。ただお互いのメリットありきだけの活動に虚しさも感じていた。今はそんな煩わしいものは一切なくした。

今後リアルで打ち合わせがあるときは、夏ならTシャツ短パンみたいなラフスタイルで山のオフィスに来てもらおうと考えている。

風がそよぐ音、小鳥のさえずりを聴きながら一緒に焚き火を囲めば、より一層たのしいアイデアも出てくる。仕事のクオリティも高くなる。

場所と時間を選ぶことなく、他人に委ねることなく自由に仕事ができるスタイルを確立する。今目指す働き方のゴールだ。そのために必要なインターネット活用。これからも試行錯誤を重ねながら取り組んでいきたい。

ネットが生命線と気づく事例(2019.12)

「いつでもどこでも場所を選ばず仕事ができる」持ち運びができるシゴトをもつポータブルワーク。新しいワークスタイルを指す言葉です。

ポータブルワークはこれからの働き方として必須。その屋台骨を支えるのはIT。ITがなくなるとどうなるのか?数年前のリアルな体験談です。

週末は大阪出張。早朝新幹線に乗るため東京駅へ向かった。コンビニで朝ごはんを買い改札を入る。出発まで少し時間があるのでパソコンをさわろうとネットをつなごうとしたその瞬間。「えっ!iPhoneがない!」一気に眠気が覚めた。

出発まで10分しかない。いったいどこで落としたんだろう?改札前後で動いた場所でも確認しないと。いったん改札を出て近隣を探す。駅コンコースはたくさんの人が行き交う。そんな中見つかるすべもない。愕然とした。

出張で2日間の予定はビッシリ。大阪で午前中にアポもある。まずは行かないといけない。とりあえず新幹線に乗り込んだ。

「iPhoneを落とした」「えっ!?」「iPhoneを探せとかみてくれる?」「わかった」電話利用でガラケーを持っているので乗り込むなりデッキで家人にすぐに電話。

席に座る。かばんを見返す。いつもiPhoneを入れていたポケットの奥に穴が開いている!もしかしたらあの時かも!東京駅までの地下鉄車内で使っていたのは記憶にある。駅に着いて慌ててポケットに入れたあの時に落としたのではないか・・・

何となく記憶が蘇る。地下鉄の落し物を問い合わせるには?取り急ぎ不正利用を止めるには?iPhoneを落としたときの対応の仕方は?いろんなことが頭を巡る。調べようにもネットがないので手の打ちようがない。

落ち着いている場合ではない。でも今は家人からの連絡を待つしかない。何もできないので仕事をしようとする。ネットがないのでまったくやりとりができない。そもそも気持ちが落ち着いていないのに無駄な抵抗はやめた方がいい。

そこから家人とのショートメールのやりとりが始まった。「東京メトロの総合案内はここ」「iPhoneを探せがオンになってる?」「バックアップとってたら削除ができるかも?」「アップルに登録したアドレスわかる?」メールが届く。

当時は業務をスムーズにする関係でiPhoneとガラケーの2台持ちをしていた。ガラケーで文字を打つなんていつ以来だろう?手間取る。せっかく打ち込んだのに間違ってクリアしてしまう。焦るほどうまく打てない。

家人から続きのショートメールが届く。「iPhoneを探すがオンになっていないよ」「紛失モードがあるから登録した」できることをやってもらう。

データ削除もできるらしい。消してしまうとどんな支障が出るのか?いつもITまわりをサポートしてくれる知り合いにもショートメール。するとすかさずやり方を送ってくれた。「拾ってもらえたら見つかる可能性は大ですよ」このひと言に勇気づけられる。

大阪行きの新幹線はゆったり仕事がしたいので、こだまのグリーン車を利用する。いつもは二人掛けを一人で利用できるのだが、こんな日に限って通路側の隣の席がうまっている。電話のやりとりもあり出入りがある。動きづらい。

朝の受付時間になったので落し物センターに電話した。混み合っているので駅に直接電話。「何時頃の電車ですか?」「どこ製ですか?」「機種は何ですか?」「色は?」「カバーは?」ひと通り説明した。こういう事例があるのか対応は手慣れている感じだった。

少しお待ちくださいと言われ数分経った。「待ち受け画面はどんな画面ですか?」「たぶんこんな感じです」と言うと「東京駅にそれらしいものが届いているようです。ご本人が取りに来ていただけたらと思います」「えっ!そうなんですか!」駅員はとても丁寧に対応してくれた。

この間のやりとりはすべてガラケー。電話をiPhoneと分けていたのでたまたまガラケーを使うことができた。もし電話もiPhoneと一緒になっていたとしたら?どこへも連絡できず手の打ちようもなく新幹線の中でモンモンとするだけだっただろう。不幸中の幸いといったところかもしれない。

事の顛末はどうなったのか。家人が東京駅に出向き、落としたiPhoneをゲットすることができた。奇跡的だ。どなたかが車内に落ちていたものを届けてくれたらしい。世の中には親切な人がいるものだ。お顔がわからないその方に心からお礼を言いたい。

調べものをするのもネット。連絡を取り合うのもネット。何をするにもネット。ネットが当たり前の世の中。ネットがなくなるだけでこんなにも生活に支障が出る。

通信手段がなくなった2日間。仕事は完全にストップした。どれだけネットインフラが仕事の基盤になっているのか体感した。

どこにいてもシゴトができるポータブルワークにネットインフラは必須。再認識すると同時に複数のデータ通信を持っておくことの必要性を感じた出来事だった。

常日頃当たり前と思っていること。当たり前がなくなるとどんなことが起こるのか?嫌というほど痛感した。当たり前への感謝と有難みを忘れてはいけない。

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まとめ|編集後記

コラムの整理を兼ねて過去記事に目を通してきた。「当時はこんなことを考えていたんだ・・・」振り返ると懐かしいものばかりだ。ただこの作業をすることで明確に見えたものがある。それは働き方ひいては生き方が自分が決めるものであること。

自分にとってこれが一番と思えることを実行に移す。周囲に惑わされてはいけない。そうすると道は拓ける。まさに実感した。身近にあるものから小さな変化を起こしていってほしい。たのしい未来が見えてくる。

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