人間関係

中高年が仲間づくりをするときのあったらいいねの視点|他人事じゃなく自分事で考えられる関係づくり

中高年になるまで会社ひと筋の人生を歩んでくると、「会社以外に知り合いがいない」「友だちが少ない」といった状況になってしまいます。セカンドキャリアへ向けては仲間づくりを始めていくのが得策です。なぜなら、人は環境でつくられていくからです。

本記事では、働き方をひろげるコミュニティで見てきた事例から、中高年が仲間づくりをするときにこれがあったらいいね!をまとめました。

お互いを気にかけ合える

ブログを毎日更新してアップしている人がいます。毎日のモチベーションを保つためにそうすると決めているんだと思います。それに対し、「共感します!」「勉強になります」「たしかにそうですね。自分に置き換えてみてもそう思います」などコメントがつきます。

「Tさん、昨日のコラム読んだよ。たしかにそうだよねー」「こないだの記事はこうだったね」と会ったときに言葉をかわす人もいます。書いている方にしたら反応してもらえるほどうれしいものはありません。

「大事なプレゼンを前にして不安でどうしようかと思ったとき、Iさんが真正面から話を聴いてくれました。「手法の前に自分が何をしたいのかが大事、自分を出せばいいんだよ」と言ってくれました。とても勇気づけられました。あの時Iさんに相談できなかったら今の自分はないと思います」こんな話をしてくれるメンバーもいます。

「えーー!そんなところでつながってるの~~」僕の知らないところでメンバーとメンバーが応援し合っています。驚くことばかりです。そうしてくれと頼んだわけではありません。みんな自分の意思で自然にやっています。こんな場面にちょくちょく出会います。本当に素晴らしいことだなあと感じます。

お互いがお互いのことを「気にかけてあげられる」「自然に応援し合える」関係。決して強制してできることではありません。こんな関係ができたら勝るものはありません。メンバーのみなさんの姿をみて本当の仲間とは何かを学ぶ毎日です。

相手のために言いにくいことも言ってあげる

「ある一人のメンバーから叱咤激励を受け、目が覚めました」

チームメンバーの一人Aさんがコメントしました。何があったんだろう?気になったのできいてみました。するとこんな回答が返ってきました。

「Bさんからある朝驚くほどの長文が届きました。”みんな自分が何がしたいのかひと言で言えるようになったのにAさんだけはそうなっていない。このままでは自律へ向けて進んでいけなくなる。もっと本気で考えてほしい・・・”こんな内容でした。自分のことで精一杯のはずなのに・・・有難かったです。朝から涙が止まりませんでした・・・」

個人のやりとりなのでそれ以上のことはわかりません。Aさんにとって本質に関わるフィードバックです。ここまで言うと相手が凹んでしまうのではないか?そう思ってしまうような要素をはらんでいます。「ここまでは言わないでおこう」と思ってしまう内容です。でも本当の優しさはここまでは踏み込めるか否かにあります。Bさんはそれを実践しました。

これを本気のフィードバックと呼びます。相手の状態が今のままだと良くない方向へ進むと感じたら、たとえ言いにくいことであったとしても、相手のためにはっきり言ってあげるということです。

「これを言ったら相手が落ち込むかな?」「自分のことがきらいになるかも?」「ちょっと言い過ぎになるかも?」と思うようなことがあったとします。でもそのことが本当に相手が良くなるために必要だと感じたら、ちゃんと伝えてあげます。時にはきびしいと思えることもあります。それでもちゃんと向き合って伝えます。

本気のフィードバックの裏側には、愛情が必要です。心から相手のことを思う気持ち、何とか成功してほしいという思いがあってはじめて成り立つものです。親が子供に対して良くないことを叱る背景には親が子供のことを思う愛情があるのと同じです。

「それならいけるかも・・・」「そんな感じで進めばいいと思う・・・」本音で言うとそうではないけど、相手のやる気を削がないためにその場の表面を取り繕ったとします。

その場は相手にとって心地良いかもしれません。でも実際に荒波に船を漕ぎ出すと予想もしていない事態が起こります。「こんなはずでは・・・」と思うときがやって来ます。最悪のときは荒波に飲み込まれてしまいます。

そうならないよう、準備段階からお互い愛情をもって本気でフィードバックし合えるのが最高の関係です。本気のフィードバックの前提は信頼関係です。お互いの人となりや性格を理解し合うことが必須です。

時には現実的で厳しい意見も相手のために言い伝えます。みなさんのキラキラって輝く目の輝きを見てると本当に嬉しくなります!誰もが一度の人生・・・だったら目を輝かせた人生を送ってもらいたいって思います。そんな仲間たちがどんどん様々なジャンルで活躍していく姿を見るのが自分も嬉しくなるので(^^)!

別のメンバーのコメントです。

仲間とは何度も会って関係づくりをしていきます。ひいては一生涯の仲間に育っていくことでしょう。

困った仲間を自分事として思う気持ち

とあるメンバーの親御さんが大病で入院しました。術後の状態から介護になる可能性があります。「誰か介護に詳しいメンバーはいないですか?」相談を受けました。「あ、そうだ!介護ビジネスを研究する会がある」とっさに思いついたのはこのチームにいる人たちでした。

すぐさまオンラインにあるそのチームに投げかけました。すると、

内容によりますが、だいたい概要をお話しできるかと思います。内容によっては別の方にふりますが・・・

どんな状況かにより対応が変わってくるかと思います。どのような状況か共有頂ければ答えられると思いますよ。

○○のことなら僕にお任せください!

1分も経たないうちにどんどん返信が戻ってきます。一人またひとり・・・数分のうちに複数名のメンバーからレスポンスがありました。

そしてその夜のこと。驚くようなことが起こりました。

「今の状況からすることこれがいい」
「ここに問い合わせてみたらいい」
「ここを検索してみたらいい」

先ほど返信のあったメンバーから長文にわたる助言メールが届きます。それをふまえ別のメンバーから違う視点のアドバイス。これもまた長文です。そうこうしているうちにどんどん投稿は重なっていきます。読み込むだけでもう超専門家コラムになっています。

このやりとりをしている時間は夜中の2時過ぎ。みんなその日は仕事でグッタリのはず。「ま、明日でいいか」普通ならそうなるはずです。ここではそうではありませんでした。

なぜここまでできるのでしょうか?ここまでやろうとするのでしょうか?それはひとえに相手を自分事と思う気持ちです。人に言われてやるものではありません。一人ひとりの人間性あってのことです。仲間という枠を超えた相手を思う心。これに勝るものはありません。

人は一人では生きていけない動物です。自律することは大事。でもそれを支える仲間も大切。自律し合った仲間こそ最高の存在と言える出来事です。

自分の時間を仲間のために使う

ある日、Sさんの個別セッションを行っていました。30分くらい今の課題についてフォローした後のこと。

「自分のビジネスプランの話はこのくらいでいいので、別件で相談してもいいですか?」
「チームについてのことなんですけど」

Sさんは切り出しました。

「チームメンバーの◯◯さんが最近大丈夫かなあ?と思っています。1週間のフィードバックも出ていないみたいだし。講義の場で少し話しかけたときも”それなりで大丈夫ですから”と言ってましたがそれだけではなさそうで心配です・・・」

個別セッションは有料コンサル、相手にとって貴重な時間です。60分と時間も決まっています。普通は自分のために全てを使いたいはずです。なのにSさんは自分のことはさておき、チームメンバーのことを気にかけてくれました。メンバーの話で自分の時間を割いているのです。

お互いの応援力を発揮しよう!そんなスローガンを伝えています。でも個々人のことを気にかける気持ちは誰かに言われたからできるものではありません。強要しても長続きしません。強要してやるものでもありません。どうしたらできるのでしょうか?それは所属する一人ひとりの個人の人間性です。

コミュニティにはこうした心が温かい人があふれています。とても有り難いことです。感謝であり誇りでもあります。こうした人たちと世の中をつくっていくことができたらどんなに幸せな世界が生まれることでしょう。この環境を大切にしていきたい。そして一人ひとりが活躍できる場をたくさんつくっていきたい。思いを新たにする出来事です。

まとめ

立場や状況も違うけどお互いの事を「他人事じゃなく自分事」として考え意見を言い合えるのは本当に素晴らしい!まったくジャンルの違う人からの意見は時に「ハッ!」とさせられる事もあります。

一人で悩まずに、こんな事を言ったら恥ずかしいかも?とかまだ具体的でない事、やりたい事、想いを口に出す事は勇気がいることかもしれません。そこには損得勘定はなく、相手の可能性を否定する事なく真剣に話し合います。

こんな声もききます。10年にわたりコミュニティを運営してきて、真の仲間とは何かをメンバーのみなさんから教わりました。

中高年になるとなかなか自分の内面をさらけ出すことができなくなります。それが続くと行き詰ります。一人で考えていても答えは出ません。そんなときのほしい気心が知れた仲間。気心とは、その人の心の底にある、​生まれつきの性格のことを言うそうです。自らそんな環境をつくっていきましょう。きっとできますよ。

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