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多様化する働き方「複業」の事例8|48歳体験談インタビュー|起業へ向けた前段階としての複業

会社員と並行して、自分がやりたいこと、好きなことをシゴトにしていく複業。その実践者の体験談をインタビューしました。今回は48歳で起業へ向けたステップとして複業を実践する砥石孝俊さんの登場です。ぜひ聴いてくださいね。

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三宅:最初に軽く自己紹介をお願いします。

砥石孝俊さん(以下敬称略):長野県上田市で移住コンサルタントを「なからいふLabo.」という屋号でやっております「なからいふデザイナー」の砥石孝俊です。今は個人の移住コンサルタントの他に派遣社員で建築現場の管理をやっています。

起業へ向けた前段階としての複業を

三宅:本筋の「なからいふデザイナー」をしながら派遣の仕事もやっているということですね。今の働き方のスタイルにしようと思ったきっかけは何ですか?

砥石:建築現場に出たり、木造の住宅の設計をする建築会社でずっと働いてきたのですが、そこから起業したいとまず思いました。その相談をFAAにしたところ、いきなり起業して食べていくのはとても大変で、まずは形にした後、それをやってみて会社員をやりながら起業活動をするというスタイルを教わりました。

確かにいきなり収入がゼロになるのは怖いなと、そういう働き方・やり方もあるんだとこのFAAで気づかせてもらったというか学んだので、最初から複業は考えていなかったのが正直なところです。

三宅:いきなり会社を辞めてすぐ起業しようとそんなイメージでいたのですか?

砥石:逆にそうするしかないと思い込んでいました。会社員をやりながら起業の活動なんてできるわけないというふうに勝手に思っていました。その話を聞いてすごく起業のハードルが下がったというか、試しでやってもいいんだと思えました。

三宅:今の段階は、近い将来の起業へ向けた途中の階段を踏んでいるとそんなイメージでいいですか?

砥石:そうです、まさにその段階です。

会社員時代によく相談を受けたこと×好き×実体験をテーマに

三宅:先ほどの「なからいふデザイナー」や「移住」というキーワードがちょっと気になりました。最近世の中で、新型コロナ禍で移住というキーワードが非常に脚光を浴びてきているわけですよね。そんな中で「なからいふ」という気になる言葉が出てますがこれはどういったお仕事なのですか?

砥石:私が今住んでいる地域の方言として「なから」という言葉があります。いろんな意味があるのですが、まとめると“ちょうどいい”という意味に集約できるかなというのがありまして、「らいふ」(生き方)と合わせた「なからいふ」で、“ちょうどいい生き方”というコンセプトを伝えていきたいということで名付けました。

会社員の頃に、都会の方から信州へ移住して家を建てたいという商談をたくさん受けており、私自身も15年くらい東京と横浜に住んでいて、その時に感じた満員電車だったり、緑が少なかったり、あまりのびのびと子育てできないというような思いをもっていました。

移住される方もやはりそのように考える方が非常に多く、それをサポートしているのがすごく楽しくて、後に自分自身もそういう形で長野県の上田市というところに住み始め、自然が溢れたところにのびのびと暮らしていくというすばらしさを感じていますし、多くの人に伝えたいと思ったので、本当にやりたい仕事でした。

ところがなかなか移住というと足踏みして進まないという方も非常に多く、相談できる相手があまりいないのと、土地のことは不動産屋や専門家に訊き、家のことは家を建てるビルダーに訊き、それ以外の周辺の環境や住民のことは住んでみないとわからないなど、移住はやり始めるとすごくハードルが高く、やることがたくさんあって大変だというのがあります。

それなら、そういうことするの好きだし、できるし、実際にやったし、このまんまフルで移住したい人の相談相手になって、実際の計画を立てたり、住んだ後に一緒になって移住を楽しむ仲間になりたい、それが重なると現在の移住コンサルタントのような形になりました。

三宅:まさに今、旬のシゴトという感じですね。砥石さんの場合は起業に向けての途中段階としての複業というスタイルになっていますが、やり始めてどのくらいになりますか?

砥石:実際、派遣に登録して元の会社を辞めたのは起業したいところから始まったのは1年以上前からですが、複業という形で自分のビジネスと派遣の仕事の両方を仕事にし始めたのはこの4ヵ月です。

正社員では本腰入れて取り組めないから派遣へ

三宅:準備期間としては正社員を辞めてから1年以上になるとことですね。それは時間をつくるためという理由だったのですか?

砥石:まさにそうです。学びたいというときに元の会社の立場や仕事量、責任とかいろいろ考えた時に現業を続けながらはできないと思い、会社を辞めて派遣に登録したのは自由な時間をとりたかったというのが理由です。

メンタルを病んで自分と家族が幸せになる働き方を選ぶ

三宅:これを聴いてくれている人は会社員で働き方を変えていきたいと思いながらもなかなか今の収入があるし一歩踏み出せない人が多いわけです。実際始めると正社員を辞めて契約社員に切り替えるなんてできない人が多いのですが、そんな中にあって踏み切ったというのは何が原動力になったのですか?

砥石:会社員時代に心を病んでうつ病を発症したこともあって、働くということに対しての考え方がまずそこで変わったというか、自分の身体、心を痛めてまでやるかどうかということですごく考えました。

その時、仕事をする以上、楽しんで仕事をしたいなと本当に思いました。あとは自分がそういう状態になってしまうと、家族と幸せに暮らしていくことも当然叶わなくなってしまうので、自分も幸せになりながら家族と一緒に楽しく生きていきたいという思いがすごく強くなりました。その上で起業したいと思ったのです。

そうしたいという思いをそのまま妻に伝えてまず了解を得ないといけないと思ったのですが、わかったと言ってもらえたのがすごくうれしいというか、踏み切れた一番の理由と思います。

週3派遣×週4複業は集中とバランスがとれる

三宅:奥さんの理解というのは結構ハードルが高いところで、そこを理解してくれたということですよね。とてもいいご夫婦です。戻りまして、暫定的に複業スタイル4ヵ月間、1週間のうち3日が収入を得るための仕事、4日はやりたい仕事をやっていらっしゃるようですが、バランスはどんな感じですか?

砥石:3日の派遣の仕事とというところはある意味時間が集中してできるので、かえってその間はすごくその仕事に集中できます。時間がしっかり決まっているので、時間外になった時、朝とか夕方、夜に起業の方の仕事ができます。

週4の自分の活動の方は家族との時間もあるので、そこを踏まえて、今のところバランスとしては整っているなと、いいバランスだと思っています。ぶっちゃけた話ですが、それだけ働かないとある程度の収入にもならないのでそこも大事ですね。

話すことでモチベーションを高める

三宅:モチベーションは高そうですが、一人でいろいろバランスをとりながらやっていると、保ち方というのがあったりするのかと思いますがそのあたりはどうですか?

砥石:最初はすごく難しかったですね。特に起業の活動を始めるとそっちに集中したくなってしまい、どんどんやりたくて派遣としての3日間を辞めたくなってしまうというか起業の方のやりたい仕事だけをやりたくなってしまいます。

そこはセーブしながらというと焦りも出たりしちゃうので、モチベーションを高く保つために自分なりにいろいろやってみた中で、話すという行為をするのがすごく自分にとっては良い方法と思っています。サラリーマンの人と話すより、FAAの仲間や起業を目指す人と話をするということが大事です。

コロナの影響もあり、オンラインで顔を見ながら話せるというのもとても助かってます。ただ毎日毎日できるわけではないので、それ以外では本を読んだり、Youtubeでいろいろ調べると価値ある情報を流してくれるチャンネルもあるので、そういうのを視聴してモチベーションを高めています。

自分がやりたいことを抑えるのが大変

三宅:収入を得る仕事の傍らで自分がやりたいことをやるという並行作業をやる中で、今までお話いただいた以外に苦労したことは何かありますか?

砥石:さっきお話しした、もっとやりたいという気持ちを抑えるのが大変です。ともすると、少々収入が無くなってもいいからもう振り切っちゃえなんてなりがちです。

起業活動のほうが楽しくて、やりたいことがどんどん出てくるので、そっちに走ってしまう自分をいかに抑えるかがおそらく一番苦労していることです。

お金が稼げなくなってしまうという不安よりもそっちの方が勝ってしまい、冷静さを取り戻すために一人で抱え込んでいるとどんどんそっちに寄ってしまうので、やはり話すというところに至ります。

コロナの前ではFAAの定例会に長野県から東京まで仕事帰りに行ったり、とにかく人と会って話すことがしたかったのですが、お金と時間の面で苦労していました。コロナの後にオンラインが当たり前になり、そのあたりの苦労が軽減されたので助かりました。

オンラインに抵抗がなくなりビジネスが広がった

三宅:なるほど。今話題に出た新型コロナ前と今と考え方や環境など変わったことはありますか?

砥石:自分自身がコロナで何か影響を受けたのかというと、実はほとんど影響を受けていません。今住んでいるところは、そもそもそんなに密になるような人の多さじゃなくすごく少ないところです。派遣先ではリモートワークを推奨されたので、家に居られ、外に出て走り回ってのびのび遊ぶ子供たちを見たり、すごく楽しかったというのが正直なところです。

ビジネスの面でいうと、オンラインに対し、いろいろな人が抵抗がなくなったと感じることがコロナの影響は大きかったのかなと思います。ムダがなくなって時間がつくれるというのもそうですが、今まで対面じゃないとなかなか熱量とか伝わらないなと思っていましたが、慣れてくるとオンラインで話していてもちゃんと伝えようと思えば伝えることはできます。

移住コンサルのクライアントさんとの話も、このコロナ渦で移動制限のため来れなかったりしても、ちゃんとやりとりすることが実証できたのがすごくよかったなと思います。

三宅:今やっていらっしゃるビジネスでは、物理的に場所が離れているということが最初からあるわけで、そういう点ではオンラインがあるかないかというのは結構お客さんとのやりとりでは違いがありますよね。

砥石:たしかに大きいですね。むしろプラスになったかもしれないです。何度も何度も移住先を訪れて土地を探すというのは負担が大きいのですが、現地に住んでいる私と住んでいないクライアントさんとのやりとりの中で、「ちょっと気になる土地があるんだけど」と言われたら、「じゃあ私が見てオンラインで伝えますね」とさっと言える、それはすごくプラスで自分のビジネスにとって良い状況に変わりました。

三宅:余談ですが、このインタビューはまさにZOOMというオンラインシステムを使って、顔合わせをしながら収録を行っています。砥石さんの後ろに山があり、今日はちょっと曇り空なので少し霧がかかったような、その下に緑の樹木がいっぱいあるのを見ながら話しているんですが、こういうのも、こんな景色なんですよとご自身のオフィスに居ながらお客さんに示されるというのが効果のあることですね。

砥石:何かを伝える上で、目で見て感じるというのはすごく情報として大きいので、自身がこのような生活をしている、こういう環境にいるというのをクライアントさんに見せられるというのはとてもいいことです。一番に感じてもらいたいというのもあるので、カメラを振りながらこんなところなんですよと、全然人がいない、家もないでしょと話ができるといいなと思っています(笑)。

シゴトづくりをすることで会社を違う目線で見れる

三宅:これから広がりがありそうですね。そんなかたちで起業に向けたステップとしての並行の動きを今されているわけですが、この間やってきて得たことにはどんなことがありますか?

砥石:複業というやり方は、一つの仕事をずっとやってきた人間なので初めての経験ですが、起業へ向けて自分でシゴトをつくっていくとなるといろいろなことを考えないといけないのですが、逆に会社員時代にそこを全然考えないで働いてきたんだなということもわかりました。

そういう目で会社で働くことを見ると、会社の経営のことだったり、今まであまり目を向けてこなかったところに向けながら会社員としての仕事ができるようになりました。 

今やっている会社員としての仕事で見えていなかった部分が非常に多かったんだなというのが複業をやって感じられ、そんな中で仕事に対するスタイル、意識というのが変わったのことが複業をやって一番得たことです。

会社員として働いているのですが、これは自分の仕事に活かせそうとか逆にこういうことは会社員としやっていることがムダだなとか、当たり前だったものを違う目線で見れるというのが複業のいいところと思います。

会社辞めて起業一本になってしまうと、会社員として働いてきた頃のいろんなことが見えなくなってしまうので、すごくそれはいいことだと思っています。

複業のステップは一度踏んだ方がいい

三宅:当たり前だったことが、違う目線で見えるということですね。今の話につながってくるかもしれませんが、ラジオを視聴していただいている人はこれから働き方を変えて複業スタイル、もしかしたらその先の起業へ向けてやってみたいと志す人です。そういう人たちに対して砥石さんからメッセージを送っていただくとしたらどんなことでしょう?

砥石:複業を起業へのステップとして今やっているのですが、食べていくために必要に迫られてやるというのもありますが、やってみて感じたことはこのステップを一度踏んだ方がいいなと思います。

いきなり起業して働くということは怖いですし、私自身すごく臆病な人間なので踏み込むのに勇気が要りましたが、複業をしていくことで収入と糧をある程度得ながら活動できるというのはすごく安心できるかたちです。

先ほど言ったモチベーションを保ったり、バランスを保つというところは大変ですけど、それをしてもやる価値というか複業というかたちをとるのはすごくいいことだと思います。

起業を目指すなら期限を決めて複業

私の場合はさらにその先に起業というのがあるので、ずっとこれをやっていくというよりはある程度の期限をもって複業しています。ある一定のゴールというか期間を定めて複業するというやり方もありなのではないでしょうか。

まず複業をやってみて起業までできたらいいなというよりは、起業を目指す人だったら、複業の期間というのをいつまでと設定できるとすごくメリハリがついていいなと思います。

私は派遣という仕事を選びました。仕事をやめて一旦派遣に登録したことで収入は下がったのですが、目的がお金を稼ぐということよりは今の段階では時間がとにかく欲しかったというのがあったし、苦労するのはわかっていたので派遣に登録しました。

週5→週3とシフトしながらコントロール

最初は週5派遣で、週2で起業活動や勉強だったのですが、今はその活動を週3にしてコントロールができるようになりました。こんな働き方をいったん選んだ上で、起業の活動を何日にしよう、食べていくための仕事は何日にしようと徐々にコントロールしていくことで、すごく安心して起業活動ができました。こういうやり方をもし選択できるのであればお勧めしたいなと思います。

楽しいことに自分の人生を使いたいので、最初の一歩は怖いと思いますが、踏み切ると違う世界が見えてくるので、ぜひ踏み出してもらいたいなと思います。

暮らす場所を見つめ直す

三宅:最後に「なからいふデザイナー」としてのPRがあればどうぞ。

砥石:コロナ渦の中、いろんな働き方の形が出てきて、まさにオンラインやリモートで仕事ができるといった環境になった時に、暮らしていく中で仕事の占める割合はすごく大きいと思います。

仕事だけではなく居場所や暮らす場所というところも同様に、仕事がどこでもできるように住むところも今居る場所が本当に自分にとって人生で最適かと考えた時に移住という選択はすごくいいと思います。

移住じゃなくても二地域での活動もしやすくなってきているので、そういった意味では今居る自分の居場所はこの先ずっと暮らしていく上でいい場所なのかというのを考えるきっかけにこのコロナはなったかなと思います。

長野県上田市というところは東京から新幹線で1時間ちょっとで来れるところで、田舎の里山の風景が広がります。現在、移住ってどんな感じなのだろうと思っている人のためにツアーを組んでいます。私の家をツアー先として開放していますので、働き方と同時に住まい方、生き方というのも変えたいなと思う方がいらっしゃいましたらぜひいらしてください。ツアーは随時開催しています。

三宅:住まい方は生き方ですね。インタビューしながらも小鳥のさえずりが聞こえるというまさに半分ツアーやりながらの感じになったわけですが、ぜひ興味のある方は訪れていただきたいと思います。今日は長時間にわたり、いろいろ役に立つお話をありがとうございました。

砥石:ありがとうございました。

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