働き方ひろげるラジオ

複業スタイルの事例3|36歳体験談インタビュー|複業と現業が支え合う関係

会社員と並行して、自分がやりたいこと、好きなことをシゴトにしていく複業。その実践者の体験談をインタビューしました。今回は36歳で公共事業に勤める陽山雄一郎さんです。ぜひ聴いてくださいね。

ラジオ視聴はこちらから

現業の中からシゴトのテーマを見つける

三宅:最初に自己紹介をお願いします。

陽山(以下敬称略):陽山雄一郎と申します。36歳で大阪に住んでいます。現業はサラリーマンで、大阪の公共事業を受託する人材サービスの会社で働いています。公共事業部で主に就労支援を20~34歳ぐらいの方、55歳以上の方、障害者の方といった対象者層をぐるぐると担当を変わりながら仕事をしています。

具体的な仕事としては、就労支援施設の統括で、30人ほどのスタッフのマネジメント、セミナーの講師、仕事の相談や悩み事などのカウンセリングといった業務をこなしています。基本的にはほぼ事業を任せていただけているので、采配であったり、自分がやりたいことを好きにやっているという自由な環境で働いています。

その傍らで、山登りを活用して正直な進路選びができるようにサポートしていくという仕事をしています。対象は24歳~27歳ぐらいの新卒で、入社3、4年目の自分の仕事ってこのままでいいのかなと抱えているものの転職まではしたいと思わない人です。

モヤモヤして、自分の目標がない状態だけど、動かないといけない気持ちが出てきている、でも動き方がわからない、目標や目的がないから、相談する場所がないという感じです。

就労支援という仕事をしていてわかるのですが、転職とか独立とか退職とか何かテーマがないと相談がすごくしにくいものです。テーマがあれば、この企業がいいよなど紹介ができるのですが、その前段階で、そもそもどういう動きをしたらいいのかというところを実際に山登りしながら相談していくという仕事です。

やってみたい職業へ転職

三宅:ということは、今やっている仕事と新たに自分でやろうという山登りとキャリアの仕事はすごく密接に関係しているということですね。

陽山:はい。もともと僕はホテルマンで、その前もいろいろと仕事が変わってきました。そんなある日、FAAに出会いました。自分のやりたいこと、好きなことを仕事にできるということを代表から教わり、ホテルの仕事は本当に嫌だったこともあり、やりたかったカウンセリング、進路の相談員をやってみよう、仕事を変えるならまずやってみようと転職しました。

起業するということも頭にはあったのですが、キャリアカウンセリングが実際自分の肌に合うのかどうかを確認する意味もありました。自分の天職も収入を得ながらつくりたいところもあったので密接につながっていると思います。

三宅:自らキャリア設計してきた感じですね。

陽山:バリバリ設計してきました(笑)

三宅:二つの仕事を並行して動かす複業というスタイルになって、どのくらいの期間になりますか?

陽山:山登りを掛け合わせたものは1年くらいになるのですが、複業という点では5年目になります。稼いだかどうかは別として、実際にサラリーマンとしていろいろともう一つの自分のオリジナルの方を進めてきました。

山登りで気づいたこと

三宅:長きにわたっていろいろと試行錯誤しながらという感じですね。山を掛け合わせたということですが、なぜ山なのですか?

陽山:子供の時もそうだったのですが、自然がもともと好きだったっということを忘れていたというのがありました。自然で何か仕事をしていこうということを考えたことはなかったのですが、実はいろいろ仕事がコロコロ変わっていく中でうつ病になったことがありました。

その当時働いていた職場の友人が山登りがすごく好きで、同郷で再会した時に一緒に山に行ってみようよということで一緒に登りました。その時にすごく楽しかったというのがきっかけになりました。

友人の山道具とか料理をつくるコンロとかを見ていると欲しくなって、下山した後に買ったら次は買ったやつを使いたくなるという、その繰り返しでどんどん山にハマっていき、気づいたら一人で登るようになっていたという感じです。

三宅:それで山をうまく掛け合わせていこうと。

陽山:そうですね。山を何回も登っているといろいろ日常のことを思い返すということに気づいたんです。ある日友人と初めての雪山に行った時、どのような服を着ていけばいいのかわからず、とりあえず寒いだろうと服を持っていったのですが、全然足りませんでした。

最初は天気が良く楽しかったのですが、天気がガラッと変わった瞬間に自分の中ですごい不安、孤独感、死ぬのではないかという気持ちが湧いてきて、知らず知らず友達のせいにしていました。何でこんなところに連れて来たのか、何でこんな寒いところだともっとアドバイスしてくれなかったのかといろいろ考えました。でも実はそれは自分で変えられることだと気づきました。

天気が変わることは防げないし、自分では変えられないことだけれども、気持ちの変化にすごく自分が驚いたということと、自分の気持ちを変えるとなんとかなるかもしれないということで、山登りの付き合い方を学びました。天候の変わり方に対してどうのこうの言うのではなく、自分がどうやってそれに対して対応するのか、雨宿りする、今日はもう撤退するとか、なるべく雪が当たらないところのルートを行くとか。

自分が変われば気持ちやモチベーションも変わっていくのですが、それを言葉やセミナーなどで聞きながらやるよりも、実際山に登りながら鍛えていくということにすごい面白さを感じました。キャリア関係の仕事に就いた時に、相談に乗っていると結局は自分の心持ちとか自分の内面を見つめないと何も変わらないということがもろに出てきます。天候と同じだなと。

最近ではコロナもそうですが、何でこんな時期にコロナと思っても仕方ないのです。コロナを利用してどうやって自分を前向きにとか、どうやって自分の糧にしようかと思うことがすごく大事というのも、山にずっと登ってきたから思えるようなことだったのかなと。

考えを広げるというよりもスキルを鍛えていくトレーニングとかそういったところを、山登りを通してみなさんにちょっと身に付けてもらいたいという思いに至っています。

現業とバランスをとる時間活用

三宅:考えだけじゃなく身に付けてもらいたい。素晴らしい話です。もとに戻って、会社員をやりながら複業すると時間がなかなかつくれないという悩みにみんな陥りがちなのですが、どんなふうにしていますか?

陽山:そうですね。平日の時間の使い方はこんな感じです。まず5時半くらいに起きます。家が職場から電車で15分ほどの距離で、始業が9時半なので9時前くらいまではたっぷり時間を取れます。18時半に定時で上がるように心掛けているので、家に帰ってご飯食べたらだいたい21時ぐらいから1時間するときはするし、しんどい時は何もしないという感じです。夜に何か活動するということはできるだけ避けています。23時には寝れるようにしています。朝は頭が動くので集中できます。

仕事をする中で現業複業両方とも密接にかかわってくることに最近気づきました。コロナの影響で、LINEやZOOMなどのオンラインが注目されていますが、今後そういうものが大事ですよと会社へ伝え、業務に取り入れてもらうよう提案しています。

もちろん会社の仕事としてやっているのですが、そこで得ているスキルや知識、集客の仕方を自分の複業の方にも当てはめることができるので、堂々と両方の仕事をフィードバックし合える状態ができているので、ほぼ1日平日も複業に使えているような感覚に陥っています。

三宅:現業も複業につながるようにうまくつなぎ合わせができている。そのための提案をどんどん会社にしているということですね。

陽山:はい。会社は会社できっちり仕事をしないといけないと思っています。マネジメントやカウンセリング、セミナーを任せてもらえるのは自分がそこで一生懸命やっているからかもしれません。提案したときに陽山が言うならということで、動いてくださっているところもあるのではないかなと思っています。

モチベーションを保つ自分なりのスイッチ

三宅:いい話ですね。お話を聴いていると、すごくモチベーション高くやっている感じがしますね。とはいえずっとモチベーションを保つというのも難しかったりするんじゃないですか?

陽山:実は複業活動5年間で一番課題にしていたことが、モチベーションのばらつきを防止するということだったんです。やろうと思ったときはやるのですが、何かがあった時に止まってしまうことがありました。維持する習慣をつけようということで、モチベーションが高いときにやっていた行動をまとめています。

例えば、調子良かった時に何をしていたかと考えると、ジョギングをしていたとか友達と飲みに行っていたとか、23時にきっちり寝ていたとかですね。うつだったこともあり、日誌で自分の管理をしていたのですが、モチベーションを上げるスイッチというのが一つだけじゃないと思います。自分の調子が上がる時のスイッチには8つぐらいあり、どれかをちょこちょこ試しています。

疲れてるなーとか将来が不安になったり、会社が嫌になったり、今のままで結婚できるのかなあなどマイナスのことを考えるとサインが来たなということで、どのスイッチのボタンを押したらいいかなと一つ一つ確かめていきます。どれか押したら必ずスイッチが入ります。自己管理の仕方です。

三宅:スイッチとは面白い表現ですね。一方で5年間の複業活動で苦労したことはありますか?

陽山:最近ようやくそういうバランスが取れるようになったのでうまくいっていますが、朝型ではなかったので起きるのが本当にギリギリで8時、8時半とかになってました。人よりも出勤する時間が遅いし、自己管理ができないと悩んでいました。

仕事がなかなか進まなかったり、平日は疲れて帰ったらまあいいや、土日も5日間一所懸命働いたし、まあいいやという感じで、結局土日も何もせずに終わってしまうとか、時間の使い方には苦労してきました。

夜型から朝型へ変えて実感したこと

三宅:ということは夜型だったのを朝型に変えていったということですか?

陽山:そうですね。

三宅:朝型と言われてもそんないきなりできないと思いますが、どのようにして朝型に変えていったのですか?

陽山:まず睡眠の本を読みました。本当にこれは朝型にしないとまずいというのがあったので、まず睡眠についてちょっとだけ勉強しました。そこには定時に起きるよりもまずは定時に寝ることを心がけましょうと書いてあり、ホッとしたのを覚えています。

夜早く寝ようが遅く寝ようが、結構遅くまで朝寝てしまうので、まずは早く寝る。寝る時間帯を眠くても定時に寝ることを心掛けました。朝起きるときはあえて目覚ましをかけないようにしました。目覚ましをかけて起きると自分にとって不快なことがわかりました。それと2度寝は許す。そんなルールをつくると自然と体が勝手に起きはじめました。

23時に寝るとだいたい6時、6時半に起きはじめる。自然に起きたらいいし、だめだったら、それはもう体が疲れているので仕方のないこととして割り切って7時、7時半に起きてもいいと。するとだんだん自然に目覚ましがなくても決まった時間に起きられるようになりました。

三宅:切り替えたら、やっぱり朝の方がいいですか?

陽山:全然違いますね。僕はゴールデンタイムと呼んでいるのですが、何かをするにしても例えば書きものをするときは特に朝がすごく貴重ですべてを遮断してもいいぐらいです。コラムであったりとかウェブサイトをつくる上でいい表現の仕方が出てくるのが朝で、すごくアイディアが出ます。逆に夜も出てくるのですが、朝起きてみると意外とそうでもなかったりします(笑)

新型コロナで世界が広がった

三宅:この数ヶ月新型コロナが出てきて、いろいろと実生活に影響が出ていると思いますが何か変わったことはありますか?

陽山:不謹慎かもしれませんが、コロナがあってさらにギアが上がった感じがします。まず一つは会社のスタンスというところが変わりました。以前からオンライン導入の話が上がってはいたものの、わざわざそんな面倒くさいことするならリアルで会った方が早いという傾向でした。

コロナで強制的にオンラインになり、会社もそうせざるを得ないという状態になりました。オンラインでは自分を律するという力も必要になり、家できっちり仕事の成果を出す。従来の会社の評価は、8時間、9時間と時間をかければ成果につながるとか、姿勢がいいとか長時間働くことがいいといった空気がありました。

今ではそういったところが削ぎ落されてきて、8時間内にきっちりと終わらせる、その中で何をやってるかわからないけど成果をきちんと出すという効率性や生産性が求められるような風潮になってきています。自分自身もそういう考え方だったのですが、8時間内で終わらせるという空気が会社の中で出てきて、仕事がすごくしやすくなりました。

今まで残業を結構していた人もすぐに帰ったりとか、成果を求めようという話が出てきたり、こうしたらいいのではと思っていたことが、だんだん具体化してきたというのもすごくうれしいことです。

あとは、山キャリというシゴトをする上で、アウトドアは密集はしないけど、外に出て人と会うことは警戒されやすい、そうなったときに代わりに何ができるのか。人と会わない状態でアウトドアをどうやって活かしていけるかということをいろいろと考えたりしました。

コロナのおかげといったら良くないですが、普段会えない人といろいろと情報交換でき、人間関係が広がったり、より密接になって世界が広がったというのは正直なところです。モチベーションが上がったり、普段会えない人と会って自分の知らない考えやアイディア、価値観に触れることができたことがものすごくプラスになりました。自分の動きをもっと広げられるという可能性も感じました。

新しいワークスタイルを実践

三宅:コロナで世界が広がったんですね、なるほど。近所の河川敷へ行ってお弁当を食べて昼寝して、帰って集中するってSNSに投稿してましたね。

陽山:語弊がないようにお願いしたいのですが、ちゃんと働きながらやってます(笑)。家の近くで歩いて5分くらいのところに大きな川が流れていて、普段ジョギングもしているのですが、テレワークで自宅勤務となったときに、午前中働いてお昼ご飯食べるときに行くようになりました。

普段なら会社の人と一緒にビルの地下の定食屋さんに行ってお昼を食べるところを、サンドイッチを作って、アウトドアグッズを持って河川敷まで出掛け、1時間サンドイッチをつまみながら過ごします。河川敷の向こう側が勤務地エリアなので、普段はあっちで食べているのに、こんなにのんびりしていいのかなあ、昼休みだからいいかなあと何か休日を楽しんでいる感覚でした。

昼寝して寝そべって戻ってくると気持ちが切り替わってくる、よしやろうとリセットできて、また1日が始まったみたいなそんな感覚で仕事に向かうようなうれしいテレワークでした。

三宅:なるほど。それこそ新しいワークスタイルですね。

陽山:こんなのがもっと続いたらいいのにと思いました。

現業と複業の相乗効果

三宅:そういう働き方がどんどん増えていく時代にあって、複業をやって得たことやこれからの人へのメッセージがあればお願いします。

陽山:複業をやる前は、仕事が2倍になって休みの日も働かないといけない、苦労が2倍になると思っていたのですが、実は1/2になるのかなと思っています。現業と副業が密接につながっていて共通点が多いからかもしれないのですが、作業が類似していたら時間を束ねられるなどスピードが速くなります。

スピード感が早まると作業効率がよくなるので、スキマ時間が増えていきます。仕事は仕事でやったらいいし、まったく別に遊びたい時間もつくれます。一時的に作業量は増えるんですが、実はまとめて進めていく工夫をすればすごくやりやすくなります。

複業と現業は双方が糧になっています。サラリーマンでやる広報の仕方であったり、集客の仕方であったり、セミナーやイベントやキャリアカウンセリングの実績など、あらゆるところで実践を通して仕事は身につけていけます。

経験が全部複業に活かせ、還元できているところがあり、複業で得た考え方や新しく思いついたことを次は現業で、セミナーのネタに困っているときに山の知識をたとえ話にするとわかりやすくなります。うまく循環しているというか複業を始めるメリットと感じています。

サラリーマンをやっていて辛いことやしんどいことがあった時に、こっちもあるしみたいな気持ちの切り替えができます。今日嫌なことあったけど、自分の城があるんだ!そこで全部活かしてやるぞみたいな気持ちもあります。逆に複業であまり稼げなかったりしたときも一方で収入源があるんだと思える。何かあったときに両方が支え合っている状態もメリットと思います。

複業に関していろいろ解釈や考え方があると思うのですが、ちょっと試しに一回自分でやってみる、やってみた時の感覚とかそういったものをぜひまずは体験してもらいたいなと思います。

三宅:ありがとうございます。とても濃い話でさらに深堀していきたい感じです。最後に今自分のやっているシゴトについてPRがあればお願いします。

陽山:まさしく今日いいタイミングでお招きしていただいたのですが、実はウェブサイトが出来上がりまして、「山キャリ」と検索していただくと出てきます。上から2番目なんですけど。ぜひチェックしていただけるとうれしいです。

三宅:今日はありがとうございました。

陽山:ありがとうございました。

山キャリはこちら

ラジオ視聴はこちらから

全国どこからでもご自宅からお気軽に

あわせて読みたい