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多様化する働き方「複業」の事例12|40代後半体験談インタビュー|安定した会社員を脱するエネルギー

会社員と並行して、自分がやりたいこと、好きなことをシゴトにしていく複業。その実践者の体験談をインタビューしました。今回は40代後半で3年半複業を実践する朝野史文さんの登場です。シリーズ最終回ぜひ聴いてくださいね。

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上司都合の異動に納得できないのがはじまり

三宅:最初に自己紹介をお願いします。

朝野史文さん(以下敬称略):朝野史文(あさのしふみ)と申します。今、会社でやっている仕事は産業機械のメーカーで品質保証部門で管理業務をしております。これからやろうとしているシゴトは写真を通じてお客様のモチベーションアップや自尊心アップのお手伝いができたらいいなと思っています。

三宅:シゴトの内容としては写真、カメラマンですか?

朝野:カメラマンです。

三宅:今日は、会社の仕事の傍らでもう一つ自分がやりたいことをやっていく複業というテーマですが、複業を始めようと思ったキッカケはどんなことでしょう?

朝野:一番大きなキッカケは6年前の異動になります。入社以来ずっと設計部門で一般事務をしていましたが、6年前に突然異動が決まり、今の品質保証部門に行くことになりました。その経緯が全く納得できない、行った先の仕事も面白くないということで自分で始めてみようかなと思いました。 

そこに至る経緯はいろいろありますが、異動先の業務がそれまでの私のやってきた仕事と考えると明らかに不適当な仕事だったということです。知識と経験が必要な仕事なのですが、現場部門のことを全く知らない状態だったにも関わらず、上長の個人的な理由で、自分の面倒を見てほしいという秘書的な業務も含まれていたのですが、そこだけのために呼ばれました。

その上長自身もその他に私がすることに全く何も配慮もなく、ただ自分が言いやすい人に来てほしいから来てねみたいな感じで、後から本人から聞いたら軽い気持ちで呼んだと言われました。そんなどうでもいいような上司の軽い気持ちに振り回される立場がすごい納得いかないというか。

サラリーマンはみんなそうですが、いざ自分がその立場になってみたら、もう絶対これは許せないなと思って、何か他に自分にできることがあればしたいということを考えるようになりました。

転職も考えましたが、年齢的に40代半ばだったので正社員はもう難しいと思ったのと、パートで働いたとしても正社員で働くのと給与水準も違うし、収入だけではなく時間的なことも納得いくような生活の質、それを満足にすることはたぶんできないと感じました。

それと、結局パートでも派遣でも正社員でも雇われている限りは絶対何かしら不満は出るだろうなということはわかっていたので、不満をもちながら働くのであれば自分で何かやったほうがいいのかなということで、自分で何かやろうと思った経緯です。

自分がしたいことがわからないまま同じ会社にいた

三宅:異動の話がある前までは正社員でやってらっしゃったわけですが、それまでは自分で何かやろうみたいなことは思っていませんでしたか?

朝野:自分で何かやろうみたいなところまでは思っていませんでした。短大卒で20歳で就職したのですが、どのように仕事を選んだらいいか全然わからなく、両親も相談に乗るとか、私も相談しなかったのですが、どうしたらいいかなと思っていたところにちょうど叔父から「うちの会社で人をいれるような話があるから、よかったら来てみる?」と言われ、とりあえず軽い気持ちで受けました。

幸か不幸か受かってしまい、就職活動もあまりせず気楽に入りましたが、入ったものの違和感をもち、社風に合わないみたいな感じだったというか、そもそもから会社に納得していないという気持ちはずっとありました。

20代前半と30代前半に2回ぐらい山があり、やはり違う仕事をした方がいいかもしれないということで、転職活動とか活動とかまではいかないまでも、職安に行ってどんな仕事があるのかなと探したことがありました。

結局、その当時何がしたいということが全然自分でも検討がつかないというか、やりたいことがわからないから何を基準に選べばいいかがわからないという状態で、福利厚生とかお給料とかそういうところでしか選べない、そこをみると結局今の会社以上にいい会社はないなと。今の状態で転職しても同じことと思い断念しました。そのままそれ以降は何か違うなという感じはありながら、今までずっとやってきたという流れです。

三宅:それでやりたいこととして写真というのが出てきたようですが、なぜ写真になったのですか?

朝野:ひと言でいうと自分ができることで他の人に役立つことは、それしかないなと思いました。他に特技もないし、何か人に貢献できることで自分は何ができるだろうと考えたら自然にそれしかないという結論になりました。

友人からその人らしさが出る写真と言ってもらった

三宅:もともと写真はお好きなんですよね?

朝野:もともと趣味で写真は撮っていました。本格的ではなく、旅行に行った時に撮るとか紅葉の季節に山に登った時に撮るという程度ですが、その中で友達を撮ったりしていると意外にすごくその人らしい表情になっているものが撮れて、こういうことができるかもしれないと思っていたところに、会社の状況がこうなりこれだったらできるかなというのが始まりです。

帰宅後、空き、移動などこま切れ時間を活用する

三宅:会社の現業をやりながらやっていくとなると、時間がなかなかつくれないということがみんな困るところだったりしますが、朝野さんはどんなふうにしていますか?

朝野:コロナ対策で勤務時間が30分前倒しになっていて30分早く帰れるので、今はその時間で帰ってすぐフォトショップとイラストレーターの勉強をやっています。また会社ですき間時間や周りに人がいない時を見計らって考えをまとめたり、インターネットで簡単な調べものをしたりしています。

写真の整理とか単純な作業はクラウドに全部データを入れておいて、移動の時間や現場の行き帰りに細切れですが、少しずつやったりして時間をつくるようにしています。

いつまでもここに居たいのと問いかける

三宅:モチベーションがずっと維持しきれるのかというのが複業では課題になりますが、そのあたりはどうですか?

朝野:モチベーションは正直アップダウンは激しいです。仕事をさせていただいた後は結構気持ちが高揚してイケイケな感じになりますが、仕事と仕事の間が空くとだんだん自信がなくなってきます。そうすると目をそむけてしまうというか手が止まるという感じになってしまいます。

そこでFAAの定例会に参加すると、みなさんのエネルギーとかお話を聞いて自分の気持ちが盛り上がってきます。そこでやる気をもらっているので、定例会に参加することで気持ちを復活させています。

会社を辞める方向で動いてはいますが、会社生活で結構しんどい、うんざり、ぐったり、どんよりとかに行き着くと、ここから抜け出さないとという気持ちが逆に盛り上がってくるというのが皮肉な感じです。会社にいることでモチベーションが消えずに残るというようなところはあります。

三宅:現業の仕事がモチベーション下がるとその分上げるみたいな。

朝野:「いつまでもここに居たいの?」みたいに自分へ問いかけ、会社に行っていることで火が消えずに済んでいる面もあるのかなと思います。

三宅:現業とのバランスはどのようにとっていますか?という質問をしたかったのですが、そんな感じでバランスを毎日とっている感じですか?

朝野:そうですね。シーソーみたいな感じです。

三宅:ちなみにどのくらい並行でやっている感じですか?

朝野:あまり意識したことありませんが、遡ってみると2016年の終わりぐらいなので3年半ぐらいです。

30年ぬくぬく生活してきたのを脱するエネルギーと不安

三宅:3年半やってきて苦労したことはありますか?

朝野:実際に仕事をする上での苦労というのは複業シゴトがそこまでないので、その面での苦労はありませんが、一番厄介だなと思っているのは気持ちの整理のつけ方です。

いろいろありながらも30年近く、会社自体も安定していていい会社ですが、そういう会社でぬくぬく生活してきているので、いざそれを辞めようというとすごいエネルギーがいるなというのを最近改めて感じています。

周りも会社を辞めようという人はほとんどいませんし、女性も定年まで勤めるというのがスタンダードで結婚や出産しても誰も辞めないという状態です。

みんないろいろありながらもまあまあ満足して働いているという、田舎なので他にいいところがないというのもありますが、このような中で自分はこれをやるから会社辞めますというと、無意識の抵抗というか30年の蓄積みたいなものはすごいなと実感しています。不安が大きいです。

三宅:30年というと結構な蓄積ですよね。

朝野:すごい蓄積ですね。

三宅:まして周りがそういう環境だったら余計ですよね。

朝野:だからもう変人ですよね。たぶん会社の中では誰にも理解されないです。

三宅:でも一本でやっていく方向でいらっしゃる?

朝野:そうですね。一本では難しいので、いろいろできることには手を出してみようかなと思っています。

人間関係の基本は実際に会うこと

三宅:違う話になりますが、新型コロナが入ってくる前と今の状況下で何か変わったことはありますか?

朝野:人と会う機会というのがすごく貴重なものなのだなと最近感じています。今までは人と会うというのは当たり前で、友達と食事に行ったり飲みに行ったりしていましたが、今はオンラインが主流みたいな感じになっています。

最初はオンラインも楽しいな、実際に会うのとあまり変わらないなと思っていましたが、それが長引くとやはりその場に一緒にいて雰囲気を感じるというか、一緒にいることで共有できる何か雰囲気みたいなものがすごく大きいなというのを感じます。人間関係の基本は実際に会うことと実感しています。

三宅:特に写真のお仕事をされていると、直で接してその場の空気感を感じますよね。

朝野:言葉にならない表情とか言語じゃないやりとりみたいなものがお互いにあって、そこで無意識のやりとりがあって、化学変化じゃないですが、お互い何か感じながら環境をつくっていくというのが人間関係になっているのかなと思います。

人生を良くしようとする人のエネルギー

三宅:コロナがなかったらそんなこと思ったりしなかったようなことが、改めてわかったというかそんな感じですよね?貴重なお話だと思います。複業を3年半やってきて得たことってどんなことでしょう?

朝野:今まですごく安定した会社で生活自体は安心して過ごしてきましたが、どうしても納得いかなくて何か自分でやろうと思いFAAに参加していますが、得たことはたくさんあります。

日常で生活している人と違う新しい人たちと接することで、いろいろな人がいるなということがわかり、視点が増え視野も広がります。こういう考え方もあるんだ、こういう道もあるんだといろいろ選択肢があることに気が付きました。

みなさん前向きに人生をよくしようと思って頑張っている方ばかりなので、前向きのエネルギーがその中にいるとか入ってきます。純粋にすごく心地がいいですしモチベーションが上がります。

今の会社は安定していますが、何か惰性とかあきらめとか怠惰のようなどんよりした空気がすごくあり、すごくギャップがあるのが救いみたいな感じにはなりますが、それも気持ちの上での支えみたいな感じですね。

またそこでいろいろな方と出会えることで、何気ない出会いでも後々振り返ってみたら自分にとってすごく大きい出会いだったということがあります。その時は意識できていないかもしれませんが、後になったら人生を変えるような人に出会えたりということもあると思っています。

三宅:この前もトライアルの場があって、何かで知ったらすかさず遠方でありながら現場に出向いて写真を撮るみたいな行動力がすごいですよね。

朝野:ありがとうございます。写真を人に見せられる人にこういう仕事をしていますというポートフォリオというのがあるのですがまだ少なめです。それを見てもらわないと、じゃあこの人にお願いしようとなかなかなりにくいと思っています。

こういう状況で撮影募集してもなかなか人が集まりにくいというのもありますし、モデルさんを頼もうかと思いましたが、人が見て「わーいいな」というふうにはならないような気がして、どうしようかと思っていたところにたまたまそういう話がありました。もしかしたら混ぜてもらえるかなとダメもとで言ってみましたが、快くOKしてくださってすごくうれしかったです。

三宅:すばらしい行動力です。なかなか思いついてもそこで言おうと思わないですから。

朝野:これを逃したら次はなかなかないという危機感がありました。送信ボタンを押すのを迷いましたが最後はエイヤーで(笑)

とりあえず取り掛かって自分の気持ちを試してみる

三宅:このラジオを聴いていらっしゃる方は、朝野さんのように今やっている仕事にモヤモヤを抱えて何か一歩踏み出していきたいけど、どこから始めたらいいかなと思っている人が多かったりします。そういう人たちに対して何か自分なりのメッセージがあればお願いできますか?

朝野:何か不満があってやってみようと思われる方が多いと思いますが、そこでどうしようかなとか自分でも何もできないしとほとんどの人が思われるのではないかと思いますが、とりあえず興味があったらまず取り掛かることを提案したいです。

とりあえずやってみてやっぱり何か違うなと思えばそれでいいですし、今の仕事がいいとなればそれはそれでいいことですし、やっぱり何かできそうだからやってみようと思うかもしれないですし、いずれにしてもそのモヤモヤに結果が出るというのは変わりないので、とりあえず軽い気持ちで重たくならずにやってみたらいいのではないかと思います。

みなさんそうかと思いますが、自分はスキルがあるわけでもないし、すごい才能があるわけではない、そんな自分が起業することはすごく大それたことで、プレッシャーになると思います。

でも別に絶対起業しないといけないというわけではないですし、とりあえず今のこの何とも言えないモヤモヤした気持ちに決着をつけるぐらいな気持ちでいいかと。やってみないとわからないことがあると思います。

軽いと言うとちょっと違うと思いますが、自分の気持ちを試してみるというつもりで始めると最終的には起業するしないに限らず、違う道があるかもしれないですし決着がつくような気がします。あまりプレッシャーを感じずにとりあえずやってみるというのが大事というか一番いい方法なのかなと思います。

三宅:すごく勇気をもらえるメッセージですね。それでは最後にご自身のこれからやっていきたい方向とかPRがあればお願いします。

朝野:まずいこれからはもっといろいろな方のお仕事の様子を撮らせていただいたりとかプロフィール写真などそういう方向をもっとレベルアップというかさらに品質向上して磨いていきたいなと思っています。ちょっとでも興味があればお仕事をいただけたらうれしいです。

三宅:ありがとうございます。今日はいろいろたのしいお話をありがとうございました。

朝野:こちらこそありがとうございます。

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