一人商い|身の丈起業

中高年が脱サラ起業するときに知っておきたい落とし穴

サラリーマンをやっていくことに限界を感じる。脱サラして自分で仕事を始めたい。そんなふうに考え始めたときに誰もが通る道があります。本記事では中高年が脱サラへ向けて知っておきたい落とし穴についてまとめました。

脱サライコール起業と考えてしまう

脱サラという言葉。最近はあまり使われなくなった感じがします。ネットで調べると脱サラとは「サラリーマン暮らしをやめ、自分(たち)で事業をする生活に移ること」という意味があるようです。「生活に移る」という表現が気になるところです。

「脱サラしてラーメン屋になった」こんな記事を見かけます。脱サラという言葉には少しネガティブなイメージがあります。今の会社がいやなので逃げ出した・・・そんな感じが垣間見えます。少なからず悲壮感も漂います。

「生活に移る」という表現がまさにそれを表しています。成り行きでそうなったみたい。自らが事を進めた感じがしません。成り行きの先に未来はありません。

脱サラと起業は意味が違います。起業とは読んで字のごとく「業を起こすこと」。つまり「自分で仕事をつくりだすこと」です。自分で人生をコントロールしていくのが起業。逃げ出しただけで独立はうまくいきません。日々前進する力がすべての源になります。前進する力は自分の未来を切り拓いていきたいという強い想いに他なりません。

もちろん最初の動機は今の仕事がいやでということで構いません。「自分はこんな世の中をつくっていきたい!」そんな志なんてなくてもまったく大丈夫。志をもって起業する人なんてほんの一握りしかいません。

でもいつまでもいやだいやだのネガティブな感情を引っ張ってはいけません。サラリーマン生活を抜け出したいという気持ちだけなら起業なんて考えない方がいいです。

脱サラしたいなあ・・・そう思っていたら、「自分が起業したい!」に言い方を改めてください。単なる言葉の違いに見えるかもしれません。でも日々自分が口にする言葉が感情をつくり行動をつくります。起業して自分が人生をコントロールしていくんだ!そんなワクワク感で毎日を過ごしましょう。

なぜ脱サラ起業なのかがない

「40代から始める脱サラ・独立計画」「時代の追い風、高齢者向け事業」「無店舗ビジネスで低リスクな開業」といったキャッチコピー。いわゆるフランチャイズや代理店といった類のビジネス。40代、50代になってサラリーマンを抜け出して始める。脱サラのイメージですね。

異業種交流会などに行くと、こうしたビジネスをしている人にもたくさん出会います。名刺交換をするなり「自分はこんな仕事をしていてこうでああで・・・」といろいろとビジネスの内容を説明してきます。

そのたびに「なぜその仕事をしているのですか?」「なぜ独立したんですか?」と質問したくなります。聞いていて心に響いてくるものがないからです。

「なぜその仕事をしているのですか?」この質問は本質を突きます。

サラリーマンのままでいることに疑問を感じたのでとりあえず何か自分で始めたいと思った・・・

やりたいことも明確じゃなかったので比較的リスクが低そうなこのビジネスを選んだ・・・。

自分にはこれっといった特技もないのでシステムがしっかりしたこの仕事にした・・・。

こんな答えだと事業を継続するのは難しいです。

これまで自分なりにこんな人生を歩んできた。こんな苦労や挫折もあった。だからこんな人をこうしてあげたいと思うようになった。そんな時ご縁があってこの仕事に巡り合えた。だから今やっています・・・。

こんな答えを言える自分でありたいです。

もしそんな熱い想いがあるのなら、起業を志してください。世の中にあるビジネスの枠組みに自分をはめ込んではいけません。他人がつくった仕組みの中にワクワク感がありますか?本当の達成感、充実感がその中に感じられますか?ゼロからイチを生み出すところに起業の醍醐味があります。人生の舵取りは自分です。

今の仕事の延長線上で脱サラ起業を考えてしまう

脱サラにはサラリーマン世界を抜けたいという思いが入っています。「今の仕事の延長線上で起業したいのですが・・・」脱サラ的な人に多い考え方です。この選択肢はどうなのでしょう?

これまでの経験は何者にも代えがたいものです。長年かけて仕事で得たものは間違いなく大切にしましょう。どんな職種であっても必ず財産として生きてきます。経験がある分野、人のつながりがある分野での起業はゼロから始めるより近道と言えます。稼ぎも早くつくれる可能性があります。

ただそれだけでは不十分です。ビジネス成功のために必要なことは「継続」です。起業して進んでいく先にはたくさんの困難が待っています。一つひとつの壁を乗り越えて初めて見える景色があります。どんな苦労があってもとにかく続けていくことが全てです。

困難とセットになるものが不安です。困難に遭遇すると不安を感じます。不安が充満してくると人は行動が止まってしまいます。続けていくためには何度も押し寄せてくる不安を払拭できるメンタルが必要です。

どうしたらそんなメンタルができるのか?それはワクワクと熱量です。そのことを考え始めたらワクワクが止まらない。知らない間についつい熱く語ってしまう。熱中、没頭、夢中になる。そういう種類を言います。

今の仕事の延長線上にワクワクと熱量はありますか?それがないから起業したいのではないですか?独立して自分で食べていけるようになるのが起業ではありません。

今までの生活と何を変えたいのか?どうなりたいのか?それを未来と言います。まず実現したい未来があって、それを具体化するために起業が手段としてあるだけのことです。

途中でやめたら起業は失敗。続けていたら成功。とてもシンプルな答えです。シンプルだからこそ深いし価値があります。今の仕事の延長線上で起業してずっと続けていけますか?毎日たのしく仕事ができますか?起業の先に求めるものは何ですか?もし自己実現を求めるのなら単なる今の仕事の延長線上ではないはずです。

「今の仕事の延長線上で起業する」一見正しいやり方のように思えます。でももう一度よく考えてみてください。そうすることで本当にしあわせな人生が歩んでいけるのか否かを。起業家とは「心からたのしいと思える仕事を自分でつくりだす人」。心に留めておいてください。

まとめ

中高年で「脱サラ」を口にする人は、安易に独立を考えている人が多いです。人生をどうしていきたいかが最終目標。それを考えずして独立なんて走っていると後で痛い目に遭います。

もし今がイヤなら、自分がこれからどう生きていきたいのかを真っ先に考えてみてください。脱サラにしろ、起業にそり、独立にしろ、それらは全て手段です。手段や手法に振り回されてはいけません。

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